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どうしたのだろうと思って、手で突っぱって持ち上げてみますと、なんなく上の方へはずれることははずれるのですが、妙なことには、その手を離すと、釘づけにした箇所は一つもないのに、まるでバネ仕掛けのように、元々通りになってしまいます。どうやら、何者かが上から押さえつけているような手ごたえなのです。はてな、ひょっとしたら、ちょうどこの天井板の上に、何か生物が、例えば大きな青大将か何かがいるのではあるまいかと、三郎はにわかに気味が悪くなって来ましたが、そのまま逃げ出すのも残念なものですから、なおも手で押し試みてみますと、ズッシリと、重い手ごたえを感じるばかりでなく、天井板を動かすたびに、その上で何だかゴロゴロと鈍い音がするではありませんか。いよいよ変です。そこで彼は思い切って、力まかせにその天井板をはねのけてみますと、すると、その途端、ガラガラという音がして、上から何かが落ちて来ました。
--おわり--
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