▲ | 407 | 0 | 0 | 00:00 | ▼ |
文字数 | 入力 | 誤字 |
「なるほど、それでは、お前の国では、やっぱしフウイヌムが主人で、ヤフーは召し使いなのだな。」と主人はうなずきます。
「いや、実はフウイヌムの話をこれ以上お聞かせすると、きっと、あなたは怒られるでしょう。だからもう、この話はよしましょう。」
と私は言いました。しかし、彼はとにかく、ほんとのことが聞きたいのだ、と承知しません。そこでまた私は話しました。
「私の国ではフウイヌムのことを馬と呼んでいますが、それは立派な美しい動物です。力もあり、速く走ります。だから貴人に飼われて、旅行や競馬や馬車を引く仕事をしているときは、ずいぶん大切にされます。しかし、病気にかかったり、びっこになると、今度は他所へ売られて、いろんな苦しい仕事に追い使われます。それに死ねば死ぬで、皮をはがれて、いい値段で売られ、肉は犬なんかの餌にされます。そのほか、百姓や馬車屋に飼われて、一生ひどくこき使われ、ろくな食物ももらえない馬もいます。」
--おわり--
▲ | ▼ |