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私たちの船は、どこともしれない海の上を、陸を求めて進んでいました。まだ、船には食糧も充分あるし、船員はみんな元気でしたが、ただ困るのは水でした。ある日、マストに上がっていた少年が、「陸が見える!」
と叫びました。
それが1703年6月16日のことでした。翌日になると、何か大きな島か陸地らしいものが、みんなの目の前に見えてきました。その南側に小さな岬が海に突き出ていて、浅い入り江が一つ出来ていました。
私たちは、その入り江から一リーグばかり手前で、錨をおろしました。みんな水を欲しがっていたので、船長は十二人の船員に、水桶を持たせて、ボートに乗せて、水探しに出しました。私もその国が見たいのと、何か発見でもありはしないかと思ったので、いっしょにそのボートに乗せてもらいました。
ところが、上陸してみると、川もなければ、泉もなく、人ひとり住んでいる様子もないのでした。
--おわり--
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