母をたずねて三千里 10/36 (アミーチス作,日本童話研究会訳)
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「ああ、ありがとう、奥さん」
 マルコは叫びました。
「番地を教えて下さいませんか。君、僕といっしょに来てくれない?」
 マルコは熱心に言いましたので少年は、
「では行こう」
 といってすぐに出かけました。
 二人はだまったまま長い通りを走るように歩きました。
 通りのはしまで行くと小さい白い家の入り口につきました。そこには美しい門がたっていました。門の中には草花の鉢がたくさん見えました。
 マルコはいそいでベルをおしました。すると若い女の人が出てきました。
「メキーネスさんはここにいますねえ?」
 少年は心配そうにききました。
「メキーネスさんはコルドバへ行きましたよ。」
 マルコは胸がドキドキしました。
「コルドバ? コルドバってどこです、そして奉公していた女はどうなりましたか。わたしのおかあさんです。おかあさんをつれて行きましたか。」
--おわり--