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紳士はマルコの様子を見て、かわいそうに思いしきりに何か考えていました。が、やがて机に向かって、一通の手紙を書いてマルコにわたしながら言いました。「それではこの手紙をボカへ持っておいで。ここからボカへは二時間ぐらいで行かれる。そこへいってこの手紙の宛名になっている紳士をたずねなさい。だれでも知っている紳士ですから、その人が明日お前をロサリオの町へ送ってくれるでしょう。そこからまただれかにたのんでコルドバへ行けるようにしてくれるだろうから。コルドバへ行けばメキーネスの家もお前のおかあさんも見つかるだろうから、それからこれをおもち。」
こういって紳士はいくらかのお金をマルコにあたえました。
マルコはただ「ありがとう、ありがとう」と言って小さいふくろを持って外へ出ました。そして案内してくれた少年とも別れてボカの方へ向かって出かけました。
--おわり--
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