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マルコはパンをやく火をこしらえたり牛や馬にのませる水をくんできたり角灯の掃除をしたりしました。みんなの進む所は、どちらを見ても広い平野がつづいていて人家もなければ人影も見えませんでした。たまたま二三人の旅人が馬にのってくるのにあうこともありましたが、風のように一散にかけて行きました。くる日もくる日もただ広い野原しか見えないのでみんなは、たいくつでたいくつでたまりませんでした。人足たちはだんだん意地悪くなって、マルコをおどかしたり無理使いしたりしました。大きなまぐさをはこばせたり、遠い所へ水をくみにやらせたりしました。そして少しでもおそいと大きな声で叱りつけました。
マルコはへとへとにつかれて、夜になっても眠ることが出来ませんでした。荷車はぎいぎいとゆれ、体はころがるようになり、おまけに風が吹いてくると赤い土ほこりがたってきて息をすることさえ出来ませんでした。
--おわり--
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