ウィルバー・ライトとオービル・ライトは飛行機の発明者として有名です。二人はもともとオハイオ州のデイトンで自転車店を経営していましたが、飛行機の開発に熱中するあまり、店を休みにすることもしばしばあったそうです。
当時、さまざまな人が飛行機の開発に取り組んでいましたが、試作機が落ちて死んだり、怪我をしたりするケースが後を絶たず、危険な仕事と思われていました。
しかし、二人はグライダーの構造を詳しく調べて、小型の木箱にミニチュアの翼を入れて風を送り込む風洞実験を繰り返し行うなど、科学的に研究を進めました。そして1903年、完成したライトフライヤー号で最初の飛行を成功させたのです。
この飛行はノースカロライナ州キティホークの海岸で行われましたが、人類最初のフライトの距離は36.6メートル、時間にして約12秒間だったということです。
ライトフライヤー号は翼にたわみを与え、同時に方向舵を動かして操縦する仕組みになっており、機体は軽くするためにエンジン以外はほとんど木と布でできていました。さらに1機のエンジンで2組のプロペラが回転するように工夫されており、プロペラに動力を伝える部分には自転車のチェーンが用いられていました。
その後、飛行機はめざましい進化を遂げ、100年ほどの間に巨大なジェット機が毎日世界中を飛び回るようになりました。ライト兄弟の発明は世界を大きく変えたのです。
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