「堕落論」は、太平洋戦争後の混乱の中で人間の根源的な姿(堕落)をホットに描く、坂口安吾の代表的評論。コロナ禍後の現代日本に通じる指標も得られる
- IA02044 (2021-08-15 評価=4.00)
爆弾の恐怖があっても、人は考えることを忘れて気楽だった。私は一人の馬鹿で戦争と戯れていたが、戦後自由を許されるとその不自由さに気づいた。人は生きて考えるのだ - IA02045 (2021-08-15 評価=4.66)
戦争は終わった。勇士は闇屋となり、未亡人は新たな出会いに胸をふくらませる。人間は戦争に負けたから堕落するのではない。生きるために堕落するのを防ぐことなどできない - IA02046 (2021-08-16 評価=5.00)
だが人間は永遠に堕ちたままでいることはできない。人間の心は脆弱で、いつか武士道を考案せずにはいられないだろう。堕ちきり、自分自身を発見して、救うことが必要なのだ