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駈込み訴え (太宰治) 39分割入力文の数= 39 <<   1  2   >>

イエス・キリストへの愛に苦しむイスカリオテのユダ。だが、献身的な愛は彼に迷惑がられる…。愛と死をテーマに、魂を揺さぶる太宰治の傑作短編

作家や目的で選ぶ

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    343
    IA02345 (2022-01-02 評価=4.00)

    人々は「ダビデの子にホサナ。いと高きところにて、ホサナ」と熱狂して歌いました。弟子どもは凱旋将軍に従うように抱き合って泣き崩れ、私も目頭が熱くなりました
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    386
    IA02346 (2022-01-02 評価=4.00)

    こうしてあの人は宮に入ると、売り物の牛や羊を追い出し、商人たちに出て行けと怒鳴ったのです。そして「宮を壊せば、私が三日で建て直してやろう」と言ったので皆驚きました

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    347
    IA02347 (2022-01-04 評価=3.00)

    所詮あの人はけちな強がりで、信仰の気概を見せたかっただけなのです。もうあの人は駄目なのです。ボロが出る前にわざと捕らえられ、この世からおさらばしたくなったのです
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    370
    IA02348 (2022-01-04 評価=3.00)

    私はあの人を諦め、自分の愚かさを笑いました。あの人は大群の民に暴言をわめき散らしてしまったのです。「(彼を迫害した)学者も、パリサイ人も、偽善と不法にけがれている」

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    379
    IA02349 (2022-01-05 評価=3.00)

    あの人は「予言者の言葉を受け入れないなんじらよ、予言者を迫害する者は永遠の刑罰を受けるのである」などと、とんでもない暴言を、口からでまかせに言い放ったのです
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    377
    IA02350 (2022-01-05 評価=3.00)

    祭司長や長老たちが、あの人の殺害を決議し、あの人と弟子だけがいる場所を知らせた者に銀三十を与えることを知りました。私があの人を売ることが私の愛、私の義務なのです

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    362
    IA02351 (2022-01-06 評価=4.00)

    私が人の憎しみを永遠に買ったとしても、自分の生き方を貫こうと決意したのですが、お祭り当日の宴会で、あの人はたらいの水で、弟子たちの足を順々に洗って下さったのです
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    348
    IA02352 (2022-01-06 評価=5.00)

    弟子たちは理由がわからないようでした。あの人が逃れ難い運命を知り、弟子たちに縋るほど寂しいのだと思い、私は嗚咽がつき上げました。あなたはまさしく神の御子なのです

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    382
    IA02353 (2022-01-07 評価=3.00)

    おゆるし下さい。私があなたを売ろうとしていたことを。危ない、すぐ逃げましょう、と愛の言葉が胸に沸き、一種崇高な霊感に打たれて、お詫びの涙が頬を伝いました
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    318
    IA02354 (2022-01-07 評価=4.00)

    愚かな正直者のペテロは、自分の番になると「どうして私の足などお洗いになるのですか」と抵抗しました。あの人が「いずれ思い当たるだろう」と言いさとしても、強く拒みました

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    369
    IA02355 (2022-01-08 評価=4.00)

    あの人が「洗わせてくれないなら縁を切る」と言うと、ペテロが平身低頭したので部屋が明るくなり、あの人も「みんな汚れの無いきよい身体になったのだ」と笑いながら言いました
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    349
    IA02356 (2022-01-08 評価=3.00)

    そして、あの人は「みんなきよければいいのだが」と言ったのです。あの人を売ろうという、私の暗い企みを見抜いていたのです。私の醜く、黒い憤怒の念が噴出しました

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    401
    IA02357 (2022-01-09 評価=4.00)

    だめだ。私はあの人に心底嫌われている! 私は復讐の鬼となり、あの人を殺し共に死ぬ決意に目覚めました。しかしあの人は足を洗い合う位、皆互いに仲良くせよと言ったのです
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    383
    IA02358 (2022-01-09 評価=4.00)

    そして「お前たちの一人が私を売る」と言い出しました。「その人は生まれて来ないほうがよかった」と言って、私の口にひとつまみのパンを押し当てて、私を指し示したのです

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    332
    IA02359 (2022-01-10 評価=4.00)

    私はもう度胸がついていて、皆の前で公然と私を辱めるあの人の意地悪さを憎んだのです。お前の為すことを為せ、と言われたように、私は参りました。あの人を罰して下さい
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    364
    IA02360 (2022-01-10 評価=3.00)

    もう私は我慢ならない。あれは、いやな奴です。あの人はいま、ケデロンの小川の彼方、ゲッセマネの園にいます。弟子たちしかおりませんから、難なく捕らえることができます

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    242
    IA02361 (2022-01-11 評価=4.00)

    あの人を捕らえる準備は出来ましたか。私とあの人が、立派に肩を接して立ち並ぶ光景を見ておいて下さい。…私はもうあの人を怖れることはない、卑下することもないんだ
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    257
    IA02362 (2022-01-11 評価=5.00)

    お金ですか? お金が目的ではありませんが、いただきましょう。私は金銭の為あの人から軽蔑されて来たのです。金銭であいつを売ることが私にふさわしい復讐と言えるでしょう

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    263
    IA02363 (2022-01-12 評価=3.00)

    私はあの人を愛していない。私は金のためにあの人に従っていただけなのです。儲けさせてくれない見極めがついたので寝返りを打ったのです。私ですか? 私の名は……です