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山月記 (中島敦) 30分割入力文の数= 30 <<   1  2   >>

プライドの高い秀才李徴(りちょう)。若くして進士の試験に合格したが、役人の仕事に満足できない… 彼の数奇な運命を描く夭折の作家中島敦の代表作

作家や目的で選ぶ

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    218
    IA02700 (2022-06-05 評価=4.00)

    私は師につかず、詩友と交わらず、俗な人々の仲間になるのも避けた。自分が珠でない事を知るのをおそれ、磨く事もなかった。私の臆病な自尊心と尊大な羞恥心のせいである
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    179
    IA02701 (2022-06-06 評価=5.00)

    私は世と離れ、人から遠ざかり、もだえ、怒り、益々臆病な自尊心を飼い太らせた。この尊大な羞恥心は私を損ない、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、私を虎に変えた

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    194
    IA02702 (2022-06-06 評価=5.00)

    私は僅かな才能を空費した。才能不足の暴露をおそれ、努力を嫌った。私より才能が乏しくとも、一心に磨いて、堂々たる詩人になった者がいくらでもいるのだ
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    206
    IA02703 (2022-06-06 評価=4.00)

    それに気が付いた今、胸を灼かれるような悔いを感じる。どんな優れた詩も、最早発表できないのだ。私は日毎に虎に近づいていく。たまらなくなると、私は山の頂で吼えるのだ

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    224
    IA02704 (2022-06-07 評価=4.00)

    この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいが、周囲の獣どもは、ただ私を怖れるばかり。誰一人私の気持ちを分かってはくれない
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    164
    IA02705 (2022-06-07 評価=4.00)

    夜明けを告げる角笛が鳴った。李徴の声は、虎に還らねばならぬ時が来たが、お別れの前に、妻子について頼みがある、と言った

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    179
    IA02706 (2022-06-07 評価=4.00)

    私は既に死んだと伝えてほしい。厚かましいが、彼等が飢えたり凍えたりしないように計らって貰えないだろうか。李徴の言葉に、袁はよろこんで意に添いたいと答えた
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    204
    IA02707 (2022-06-08 評価=4.00)

    李徴は、妻子より自分の事を先にお願いする男だから、獣に身を堕とすのだと自嘲した。そして自分が旧友に襲いかからぬよう、帰りはこの途を通らないで欲しいと付け加えた

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    184
    IA02708 (2022-06-08 評価=5.00)

    あの丘の上まで行って振り返ったら、自分の姿をもう一度お目に掛けよう。再び自分に会おうとの気持ちを起こさせない為だ。袁参が馬に乗ると、草むらから悲泣の声がもれた
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    155
    IA02709 (2022-06-08 評価=5.00)

    一行が丘について振り返ると、一匹の虎が道に躍り出た。虎は月を仰いで、二三回激しく咆えると草むらに躍り入り、再びその姿を見ることはなかった