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鏡地獄 (江戸川乱歩) 33分割入力文の数= 33 <<   1  2   >>

ガラス・レンズ、鏡などに不思議な嗜好を持つ友人の男。趣味が高じて彼が作った物とは…。読みやすく入力しやすい、江戸川乱歩のホラー作品

作家や目的で選ぶ

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    494
    IA03405 (2023-04-17)

    私は何度もなだめようとしましたが、彼の耳には入らず、彼の家で目まぐるしく変化する彼の魔術、怪奇と幻想の世界を見ているしかありませんでした
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    455
    IA03406 (2023-04-18)

    彼は外部から買い入れたり、自身の工場で製造した凹面鏡、凸面鏡、波型鏡など、鏡の洪水のような部屋で踊りました。伸び縮みする彼の姿はまるで狂人の幻想のようでした

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    430
    IA03407 (2023-04-18)

    ある時は、虹やオーロラが覆いつくす巨大な万華鏡のような部屋で、彼は裸体で躍り狂いました。しかし、そんな狂乱状態のあとで、悲しむべき破滅がやってきたのです
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    448
    IA03408 (2023-04-18)

    彼はそれまでは狂態を演じながらも、ふだんは常人のごとく過ごしていました。しかし、ある朝、彼の所から使いが来て叩き起こされ、大急ぎで来てほしいと言われたのです

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    448
    IA03409 (2023-04-19)

    実験室の中で玉乗りの玉を少し大きくしたような球体が動いていて、中から妙な笑い声が響いているのです。しかし、奥さんと呼ばれている小間使いにも、何も分かりません
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    403
    IA03410 (2023-04-19)

    私は玉の表面の空気抜きの穴から覗いてみましたが、狂気めいた笑い声が聞こえるばかりでした。ようやく表面の四角い切りくわせを発見しましたが、取っ手がありません

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    439
    IA03411 (2023-04-19)

    金具が落ちていましたが、柄が折れていて扉を開ける事ができませんでした。男は一晩中とじこめられていた筈ですが、笑っているだけです。私は玉を壊す事にしました
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    399
    IA03412 (2023-04-20)

    私は工場で大ハンマーを拾い、玉を壊しました。中から彼が這い出て来ましたが、きのうまで神経質な顔をしていた彼は、死人のようにたるんだ表情で笑っていました

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    435
    IA03413 (2023-04-20)

    彼は発狂していたのです。私は、彼がなぜ発狂したのか、どうして中にはいっていたのか不思議に思い、ガラス工場の技師に、やつぎ早の質問をあびせました
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    387
    IA03414 (2023-04-20)

    技師たちは彼の命で、9cmの厚みで120cmほどの内部が鏡になった、中空のガラス玉を作り、昨夜遅く彼に引き渡したのだそうです。私は破片を前に考えました

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    412
    IA03415 (2023-04-21)

    彼は、ガラス玉の不思議な影像を眺めようと試みたのではあるまいか。彼は何を見て何故発狂したのか? 考えているうちに私は心臓まで冷たくなりました
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    416
    IA03416 (2023-04-21)

    球形の鏡の中心には、恐怖と戦慄の悪魔のような世界が映ったのではないでしょうか。人間を発狂させるほどのものが映し出されたのではないでしょうか

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    436
    IA03417 (2023-04-22)

    彼は鏡の玉の内部を冒し、ついに自身を亡ぼしたのです。彼は狂ったままこの世を去りました。
    「鏡地獄」江戸川乱歩 作 1926年