この物語はもはや十年余も過ぎ去った昔の話であるが、心持ちはよく覚えている。僕の家は千葉県松戸から二里ばかり離れた、矢切(やぎり)の渡しで有名な矢切村にあった
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【投稿】 | TypetrekJ さん (ITA03016, 性別非公開) |
【公開日】 | 2024-10-25 09:07 (修正 2024-11-20 09:33) |
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漢字 | ひらがな | カタカナ | 英字 | 数字 | 句読点・ 記号 | 合計 | |
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文字数 | 113 | 237 | 0 | 0 | 0 | 23 | 373 |
文字含有率 | 30.3% | 63.5% | 0% | 0% | 0% | 6.2% | - |
【タイピング数】(登録ユーザー平均)
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【アンケート】
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【追加情報】
野菊の墓
伊藤左千夫
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底本:「日本文学全集別巻1 現代名作集」河出書房
1969(昭和44)年
初出:「ホトトギス」
1906(明治39)年1月
入力:kaku
校正:伊藤時也
1999年1月6日公開
2013年7月25日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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〇TypetrekJ による修正点
・「云う」等については、人が言葉を発する等の場合には「言う」に、それ以外の場合には「いう」と変更しました。
・敬意を示す「御」については、一般に漢字で書かれるものを除き、「お」「ご」「おん」など読みに変更しました。
・「~して居る」→「~している」
・「びッくり」や「まア」など一般にすべてひらがなで記述される言葉はひらがなに修正しました。
・花の名「竜胆(りんどう)」について、本作では基本的に地の文では「竜胆」、会話内では「りんどう」と記述されていますが、二か所合わない箇所がありましたので修正しました。
1 訣《わけ》→訳、過去った→過ぎ去った、心持→心持ち、如く→ごとく、寧《むし》ろ→むしろ、繰返し→繰り返し、一寸《ちょっと》→ちょっと、置こうか→おこうか、渡《わたし》→渡し、留めどなく→とめどなく
2 椎《しい》の樹、→椎の木(用語の統一)、廻る→回る、一寸→ちょっと、見別け→見わけ、釘隠《くぎかくし》→釘隠し、大へん→たいへん
3 煩《わずら》って→わずらって、居られ→おられ、黒塗→黒塗り、来て居った→来ておった、手伝→手伝い、生れ→生まれ、晩《おそ》い→おそい、好い児→よい児、活々《いきいき》として→生き生きとして、(女の)児→(女の)子、機織場《はたおりば》→機織り場、明けて→開けて、掩《おお》う→おおう、透き徹る→透き通る
4 仲好し→仲良し、這入《はい》って→入って、手習→手習い、這入ってるナ→入ってるな
5 拘《かかわ》らず→拘わらず、一寸→ちょっと、這入って→入って、達《た》した→たした、かナ→かな、ふらふらッと→ふらふらっと、落着く→落ち着く、借せ→貸せ
6 或家→ある家、瞽女《ごぜ》→ごぜ、云い訣→言い訳、飾物→飾り物、狐鼠狐鼠《こそこそ》と→こそこそと、向う→向こう、一所に→一緒に、這入って→入って、置き→おき、晩く→おそく、お出《い》で→おいで、祭→祭り、冷かされる→冷やかされる
7 無上《むしょう》と→無性と、向う→向こう、或日→ある日、児供→子供、好過ぎる→良過ぎる、吾子《わがこ》→我が子、許り→ばかり、有り気→ありげ、未だ→まだ
8 且《かつ》は→かつは、真赤→真っ赤、訣→訳、俯向《うつむ》いて→俯いて、疚《やま》しい→やましい、頗《すこぶ》る→すこぶる、愧《は》じ入った→恥じ入った、仲好く→仲良く
9 俄《にわか》に→にわかに、訣→訳、がネ→がね、縫掛け→縫いかけ、次手《ついで》に→ついでに、行逢って→行きあって、来ないのか知らん→来ないのかしらん、変って→変わって
10 極りわるそう→きまり悪そう、終う→しまう、拠処《よんどころ》なく→よんどころなく、俄に→にわかに、可笑《おか》しがって→おかしがって、或日→ある日、笊《ざる》→ざる、出し抜け→だしぬけ、縫物→縫い物、一パイ→いっぱい、てサ→てさ、後に→後ろに、麹漬《こうじづけ》→麹漬け
11 武蔵一えん→武蔵一円、山山→山々、如何にも→いかにも、心持→心持ち、マア→まあ、好い→良い、慥《たしか》に→たしかに、幾個《いくつ》か→いくつか、湧きそめて居った→湧き染めておった、当る→当たる、高峯《たかね》→高嶺、吾等→我等、起って→起こって
12 如何にも→いかにも、言《こと》→こと、羞《はず》かしく→恥ずかしく、極り→きまり、起る→起こる、ロクロク→ろくろく、跡は→後は、詞《ことば》→言葉、鮮かな→鮮やかな、花染→花染め、悉《ことごと》く→ことごとく、今更→今さら
13 起して→起こして、遙に→はるかに、変っちまって→変わっちまって、訣→訳、御無理→ご無理、て置いて→ておいて、あァ→ああ
14 じいッと→じいっと、児供→子供、視《み》ている→見ている、無い→ない、俄に→にわかに、変って→変わって、時時→時々、勝→勝ち、終った→終わった、鮮か→鮮やか
15 溢《あふ》れる→あふれる、心持→心持ち、お互→お互い、宛《ずつ》→ずつ、まァ→まあ、笊→ざる、合せて→合わせて、処→所、入日→入り日
16 度に→たびに、層《かさ》→かさ、直《ただち》に→直ちに、心持→心持ち、児供→子供、落着かない→落ち着かない、日暮→日暮れ、機(に触れて)→おり(に触れて)、疚《やま》しい→やましい、身振い→身ぶるい、吾子→我が子
17 居った→おった、訣→訳、如く→ごとく、心持→心持ち、甚しい→甚だしい、お出《いで》→おいで、あレ→あれ、云ったッて→言ったって
18 児供→子供、心持→心持ち、盛に→盛んに、蔭言→陰言、専《もっぱら》→専ら、鬱《ふさ》ぎ込んで→ふさぎ込んで、理窟《りくつ》→理屈、室《へや》→部屋、直ぐ→すぐ、危《あやう》く→危うく
19 代り→代わり、訣故《わけゆえ》→訳ゆえ、極《きま》り→きまり、刈残り→刈り残り、終《しま》わねば→しまわねば、棉《わた》→綿、マア→まあ、曲り→曲がり、極り→きまり、祭→祭り、一渡り→ひと渡り、外に→ほかに、お目出たい→おめでたい
20 愚図愚図→ぐずぐず、手指《てさし》→手指し、佩《は》いて→はいて、押問答→押し問答、お菜→おかず
21 佩く→はく、極り→きまり、前掛→前掛け、一個宛《ひとつずつ》→一つずつ、柔かい→柔らかい
(・番ニョ がわからな~い 日本国語大辞典には載っているらしい)
木の子→キノコ、見っともない→みっともない、跡から→後から、笑声→笑い声、新らしい→新しい、稲刈→稲刈り、恥かしく→恥ずかしく、通抜けよう→通り抜けよう、可哀相→可哀そう
22 降口《おりくち》→降り口、田圃《たんぼ》→田んぼ、打伏した→打ち伏した、だねイ→だねい、心持→心持ち、まア→まあ、さア→さあ、棉→綿、真中→真ん中
23 一寸→ちょっと、あれッ→あれっ、きないッたって→きないったって、まア→まあ、びッくり→びっくり、生れ→生まれ、身振い→身ぶるい、吾《われ》→我、聞えない→聞こえない、だい好き→大好き(用語の統一)
24 起(った)→起こ(った)、心持→心持ち、一寸→ちょっと、児→子、詞→言葉、お互→お互い、真《まこと》に→まことに、直ぐ→すぐ、だい好き→大好き(用語の統一)
25 情なく→情けなく、生れた→生まれた
(2/87 に続く)
野菊の墓
伊藤左千夫
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底本:「日本文学全集別巻1 現代名作集」河出書房
1969(昭和44)年
初出:「ホトトギス」
1906(明治39)年1月
入力:kaku
校正:伊藤時也
1999年1月6日公開
2013年7月25日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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〇TypetrekJ による修正点
・「云う」等については、人が言葉を発する等の場合には「言う」に、それ以外の場合には「いう」と変更しました。
・敬意を示す「御」については、一般に漢字で書かれるものを除き、「お」「ご」「おん」など読みに変更しました。
・「~して居る」→「~している」
・「びッくり」や「まア」など一般にすべてひらがなで記述される言葉はひらがなに修正しました。
・花の名「竜胆(りんどう)」について、本作では基本的に地の文では「竜胆」、会話内では「りんどう」と記述されていますが、二か所合わない箇所がありましたので修正しました。
1 訣《わけ》→訳、過去った→過ぎ去った、心持→心持ち、如く→ごとく、寧《むし》ろ→むしろ、繰返し→繰り返し、一寸《ちょっと》→ちょっと、置こうか→おこうか、渡《わたし》→渡し、留めどなく→とめどなく
2 椎《しい》の樹、→椎の木(用語の統一)、廻る→回る、一寸→ちょっと、見別け→見わけ、釘隠《くぎかくし》→釘隠し、大へん→たいへん
3 煩《わずら》って→わずらって、居られ→おられ、黒塗→黒塗り、来て居った→来ておった、手伝→手伝い、生れ→生まれ、晩《おそ》い→おそい、好い児→よい児、活々《いきいき》として→生き生きとして、(女の)児→(女の)子、機織場《はたおりば》→機織り場、明けて→開けて、掩《おお》う→おおう、透き徹る→透き通る
4 仲好し→仲良し、這入《はい》って→入って、手習→手習い、這入ってるナ→入ってるな
5 拘《かかわ》らず→拘わらず、一寸→ちょっと、這入って→入って、達《た》した→たした、かナ→かな、ふらふらッと→ふらふらっと、落着く→落ち着く、借せ→貸せ
6 或家→ある家、瞽女《ごぜ》→ごぜ、云い訣→言い訳、飾物→飾り物、狐鼠狐鼠《こそこそ》と→こそこそと、向う→向こう、一所に→一緒に、這入って→入って、置き→おき、晩く→おそく、お出《い》で→おいで、祭→祭り、冷かされる→冷やかされる
7 無上《むしょう》と→無性と、向う→向こう、或日→ある日、児供→子供、好過ぎる→良過ぎる、吾子《わがこ》→我が子、許り→ばかり、有り気→ありげ、未だ→まだ
8 且《かつ》は→かつは、真赤→真っ赤、訣→訳、俯向《うつむ》いて→俯いて、疚《やま》しい→やましい、頗《すこぶ》る→すこぶる、愧《は》じ入った→恥じ入った、仲好く→仲良く
9 俄《にわか》に→にわかに、訣→訳、がネ→がね、縫掛け→縫いかけ、次手《ついで》に→ついでに、行逢って→行きあって、来ないのか知らん→来ないのかしらん、変って→変わって
10 極りわるそう→きまり悪そう、終う→しまう、拠処《よんどころ》なく→よんどころなく、俄に→にわかに、可笑《おか》しがって→おかしがって、或日→ある日、笊《ざる》→ざる、出し抜け→だしぬけ、縫物→縫い物、一パイ→いっぱい、てサ→てさ、後に→後ろに、麹漬《こうじづけ》→麹漬け
11 武蔵一えん→武蔵一円、山山→山々、如何にも→いかにも、心持→心持ち、マア→まあ、好い→良い、慥《たしか》に→たしかに、幾個《いくつ》か→いくつか、湧きそめて居った→湧き染めておった、当る→当たる、高峯《たかね》→高嶺、吾等→我等、起って→起こって
12 如何にも→いかにも、言《こと》→こと、羞《はず》かしく→恥ずかしく、極り→きまり、起る→起こる、ロクロク→ろくろく、跡は→後は、詞《ことば》→言葉、鮮かな→鮮やかな、花染→花染め、悉《ことごと》く→ことごとく、今更→今さら
13 起して→起こして、遙に→はるかに、変っちまって→変わっちまって、訣→訳、御無理→ご無理、て置いて→ておいて、あァ→ああ
14 じいッと→じいっと、児供→子供、視《み》ている→見ている、無い→ない、俄に→にわかに、変って→変わって、時時→時々、勝→勝ち、終った→終わった、鮮か→鮮やか
15 溢《あふ》れる→あふれる、心持→心持ち、お互→お互い、宛《ずつ》→ずつ、まァ→まあ、笊→ざる、合せて→合わせて、処→所、入日→入り日
16 度に→たびに、層《かさ》→かさ、直《ただち》に→直ちに、心持→心持ち、児供→子供、落着かない→落ち着かない、日暮→日暮れ、機(に触れて)→おり(に触れて)、疚《やま》しい→やましい、身振い→身ぶるい、吾子→我が子
17 居った→おった、訣→訳、如く→ごとく、心持→心持ち、甚しい→甚だしい、お出《いで》→おいで、あレ→あれ、云ったッて→言ったって
18 児供→子供、心持→心持ち、盛に→盛んに、蔭言→陰言、専《もっぱら》→専ら、鬱《ふさ》ぎ込んで→ふさぎ込んで、理窟《りくつ》→理屈、室《へや》→部屋、直ぐ→すぐ、危《あやう》く→危うく
19 代り→代わり、訣故《わけゆえ》→訳ゆえ、極《きま》り→きまり、刈残り→刈り残り、終《しま》わねば→しまわねば、棉《わた》→綿、マア→まあ、曲り→曲がり、極り→きまり、祭→祭り、一渡り→ひと渡り、外に→ほかに、お目出たい→おめでたい
20 愚図愚図→ぐずぐず、手指《てさし》→手指し、佩《は》いて→はいて、押問答→押し問答、お菜→おかず
21 佩く→はく、極り→きまり、前掛→前掛け、一個宛《ひとつずつ》→一つずつ、柔かい→柔らかい
(・番ニョ がわからな~い 日本国語大辞典には載っているらしい)
木の子→キノコ、見っともない→みっともない、跡から→後から、笑声→笑い声、新らしい→新しい、稲刈→稲刈り、恥かしく→恥ずかしく、通抜けよう→通り抜けよう、可哀相→可哀そう
22 降口《おりくち》→降り口、田圃《たんぼ》→田んぼ、打伏した→打ち伏した、だねイ→だねい、心持→心持ち、まア→まあ、さア→さあ、棉→綿、真中→真ん中
23 一寸→ちょっと、あれッ→あれっ、きないッたって→きないったって、まア→まあ、びッくり→びっくり、生れ→生まれ、身振い→身ぶるい、吾《われ》→我、聞えない→聞こえない、だい好き→大好き(用語の統一)
24 起(った)→起こ(った)、心持→心持ち、一寸→ちょっと、児→子、詞→言葉、お互→お互い、真《まこと》に→まことに、直ぐ→すぐ、だい好き→大好き(用語の統一)
25 情なく→情けなく、生れた→生まれた
(2/87 に続く)