入力文の情報
ジャンル1
ハ-トウォ-ミング
ジャンル2
著作権フリー
文字数
489
【タイトル】鬼ごっこ (芥川龍之介)
【ひとこと】短い文章の中に、子供の頃、20年後、現在の3つの時代が含まれる、不思議な雰囲気を持つ芥川龍之介の掌編です。過去の記憶が蘇ると、男女は惹かれ合うのかも知れません
【入力文内容】 表示する

 彼はある町の裏に年下の彼女と鬼ごっこをしていた。まだあたりは明るいものの、ちょうど町角の街灯にはガスのともる時分だった。
「ここまで来い。」
 彼は楽々と逃げながら、鬼になって来る彼女を振りかえった。彼女は彼を見つめたまま、一生懸命に追いかけて来た。彼はその顔を眺めた時、妙に真剣な顔をしているなと思った。
 その顔はかなり長い間、彼の心に残っていた。が、年月の流れるのにつれ、いつかすっかり消えてしまった。
 それから二十年ばかりたった後、彼は雪国の汽車の中に偶然、彼女とめぐり合った。窓の外が暗くなるのにつれ、しめった靴や外套の匂いが急に身にしみる時分だった。
「暫くでしたね。」
 彼は巻き煙草を咥えながら、(それは彼が同志といっしょに刑務所を出た三日目だった。)ふと彼女の顔へ目を注いだ。近頃夫を失った彼女は熱心に彼女の両親や兄弟のことを話していた。彼はその顔を眺めた時、妙に真剣な顔をしているなと思った。と同時にいつの間にか十二歳の少年の心になっていた。
 彼等は今は結婚してある郊外に家を持っている。が、彼はその時以来、妙に真剣な彼女の顔を一度も目のあたりに見たことはなかった。
【総合評価】4.33
※総合評価は5段階評価のユーザーアンケート「内容について」の平均値です
【入力文コード】 IT00156
【投稿】TypetrekJ さん (ITA03016, 性別非公開)
【公開日】2018-12-15 16:53   (修正 2020-04-28 17:58)

【文字含有率】

 漢字ひらがなカタカナ英字数字句読点・ 記号合計
文字数157 286 44 489 
文字含有率32.1%58.5%0.4%0%0%9% -

※改行 は文字数には含まれません

【登録ユーザーのタイピングスコア】

入 力 数 回
平均入力時間 5分2秒 (302秒)
平均入力速度972 文字/10分

※同じ人が複数回入力した場合その回数分カウントされます

入力スピード(入力文字数/10分)分布
1000字~
 
33% (1)
900字~
 
33% (1)
800字~
 
33% (1)
700字~
 
0% (0)
600字~
 
0% (0)
500字~
 
0% (0)
400字~
 
0% (0)
300字~
 
0% (0)
200字~
 
0% (0)
200字以下
 
0% (0)

【アンケート】

ユーザー評価 (内容について)
 
33% (1)
 
66% (2)
 
0% (0)
 
0% (0)
 
0% (0)
難易度 (ユーザーの感想)  
 
0% (0)
 
33% (1)
 
0% (0)
 
66% (2)
 
0% (0)
【追加情報】 

・青空文庫 記載事項
表 題:鬼ごつこ
著作者:芥川龍之介
------------------
底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房
   1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行
   1979(昭和54)年4月10日初版第11刷発行
入力:土屋隆
校正:松永正敏
2007年6月26日作成
青空文庫作成ファイル:
------------------
・TypetrekJ 修正点
或→ある、丁度→ちょうど、瓦斯→ガス、街燈→街灯、可也→かなり、沾めつた→しめった、第3水準1-14-75漢字→匂、旧仮名遣いを新仮名遣いに改めました。