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トロッコ (芥川龍之介) 14分割入力文の数= 14

8歳の少年が憧れる村外れのトロッコ。ある日、とうとう憧れのトロッコに乗る機会が訪れるが…。少年時代の思いを見事に描く傑作少年文学

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  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    341
    IA01375 (2020-11-27 評価=3.44)

    小田原熱海間に、軽便鉄道の工事が始まったのは、良平の八つの年。良平は毎日村外れへ工事を見物に行き、一度土を運搬するトロッコへ乗りたいと思っていた
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    320
    IA01376 (2020-11-27 評価=3.20)

    そのうち良平は乗れないまでも、押す事さえ出来たらと思うのだった。二月の初旬、土工たちがいない時に弟たちと三人で押してみると、トロッコは線路を登り始めた

  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    310
    IA01377 (2020-11-27 評価=3.25)

    20メートル程で勾配が急になり、トロッコは動かなくなった。三人でトロッコに飛び乗ると、勢いよく線路を下り、良平は有頂天になった
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    348
    IA01378 (2020-11-27 評価=3.40)

    だが、そこへ背の高い土工がやって来た。「この野郎! 誰に断ってトロに触った?」と怒鳴られて、三人は逃げ出した

  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    300
    IA01379 (2020-11-28 評価=3.33)

    十日余り後、良平は一人でトロッコを見に行った。トロッコを押しているのは若い二人の男達で、声をかけると快く押すのを手伝わせてくれた
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    343
    IA01380 (2020-11-28 評価=3.33)

    帰っていいと言われるのがいやで、良平は「ずっと押していていい?」と確認した。二人が「いいとも」と答えたので、良平は彼らを優しい人たちだと思った

  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    374
    IA01381 (2020-11-28 評価=3.66)

    三人は、線路が下りになるとトロッコに乗り、止まるとまたトロッコを押した。雑木林の路を登りきると海が見えたので、良平は遠くに来すぎた事に気づいた
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    285
    IA01382 (2020-11-28 評価=3.50)

    三人はトロッコに乗り、海を右に見て走った。良平は不安に思ったが、目的地に着かねば帰れない。だが、二人の土工は、途中にある茶店に立ち寄り、悠々と茶を飲んだ

  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    328
    IA01383 (2020-11-29 評価=3.50)

    三人はトロッコを押して緩い傾斜を登り、坂を下りた。また同じような茶店があったので、土工たちは中に入ったが、良平は帰ることばかり考えていた
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    300
    IA01384 (2020-11-29 評価=4.00)

    しばらくして、二人は店から出て来ると「もう帰んな。おれたちは泊まりだから」と言ったので、良平は呆気にとられた。暗い路を一人歩いて帰らなければならない

  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    285
    IA01385 (2020-11-29 評価=4.00)

    良平は泣きそうになったが、二人におじぎをして線路伝いに走り出した。走る邪魔になる菓子包みを放り出し、板草履も脱ぎ捨て、左に海を感じながら急な坂道を駆け登った
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    275
    IA01386 (2020-11-29 評価=4.00)

    夕焼け空もほてりが消えかかり、気が気でなく、蜜柑畑に来る頃にはあたりは暗くなる一方だ。良平が「命さえ助かれば」とさえ思って走ると、ようやく夕闇の中に工事場が見えた

  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    293
    IA01387 (2020-12-01 評価=4.00)

    彼の村にはいると、家々には電灯がついていた。良平は家の門口に駆け込むと、とうとうわっと泣き出し、父母を集まらせた。そして、啜り上げながら泣き続けた
  • 児童文学
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    306
    IA01388 (2020-12-01 評価=3.66)

    彼は泣き立てた。遠い路を駆け通した心細さをふり返ると、大声に泣き続けても、足りない気もちに迫られながら…。 後に、良平はその時の事を思い出すのだった