峠には人を狂わす桜の森があった。ある日、山に住む山賊は、旅人を殺し美しい女を手に入れた…。男と残酷な女が織りなす妖しい幻想世界を描く名作
- IA01766 (2021-04-02 評価=5.00)
男の気持ちがみたされれば、女は都につれもどせると確信していたからです。女はビッコの女に、ひそかにじき都に帰ると告げて都に残し、男と出発しました - IA01767 (2021-04-02 評価=5.00)
★ 二人が昔の山々の旧道を通ると、ただの山坂に戻っていました。男は、女に頼まれて背負うと、彼女を得た日のことを思いだしました。女も同じことを思いだしました - IA01768 (2021-04-02 評価=5.00)
二人でなつかしい話をしながらも、男はこの幸福な日に、桜の森を怖れる気持ちはありませんでした。しかし桜の森の桜は満開で、土肌の上一面に花びらがしかれていました - IA01769 (2021-04-02 評価=5.00)
満開の花の下へ歩きこむと、あたりはひっそりと、だんだん冷たくなるようでした。……さて、この後二人はどうなるでしょう? 以降はぜひタイピングして、お楽しみください - IA01770 (2021-04-03 評価=5.00)
・作者の坂口安吾は明治39年(1906)生まれ。芥川龍之介に傾倒し、小説や評論などに才能を発揮しました。昭和30年(1955)、脳出血のため急逝、享年49歳でした - IA01771 (2021-04-03 評価=5.00)
・昭和50(1975)には、「桜の森の満開の下」を原作とした同名の映画が東宝から公開されています。監督 篠田正浩、出演 岩下志麻、若山富三郎