入力文リスト
魔術 (芥川龍之介) 21分割入力文の数= 21 <<  1  2   >>

あなたは魔法を習得するため、欲心を捨てることができますか? 作者のテーマの一つ「人間のエゴイズム」を描く、気楽に入力できる楽しい作品です

作家や目的で選ぶ

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    384
    IA01828 (2021-04-25 評価=4.25)

    雨の降る晩、私は人力車で印度人マティラム・ミスラ君を訪ねました。彼は永年印度の独立を計っている愛国者で、同時にハッサン・カンという年の若い魔術の大家なのです
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    366
    IA01829 (2021-04-27 評価=4.00)

    呼び鈴のボタンを押すと、ミスラ君の世話をしている背の低い日本人の御婆さんが玄関に顔を出し、愛想よくミスラ君の部屋へ案内してくれました。

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    371
    IA01830 (2021-04-27 評価=3.66)

    部屋は質素な西洋間で、古ぼけたテーブルと書棚、机、椅子が並んでいるだけで、派手な花模様のテーブル掛けも裂けそうなほど糸目が露わでした。彼は葉巻を勧めてくれました
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    360
    IA01831 (2021-04-27 評価=4.00)

    私は葉巻を一本取り「あなたは精霊の力を借りて魔術を御使いになるのですか?」と尋ねると「私が学んだ魔術は催眠術に過ぎません」とテーブルの模様から花をつまみ上げました

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    366
    IA01832 (2021-04-27 評価=4.00)

    その花は重苦しい匂いさえして、私は何度も感嘆の声を洩らしました。彼が花をテーブル掛けの上に落とすと、模様に戻ってしまいました。次にランプに触れると回り始めました
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    345
    IA01833 (2021-04-28 評価=3.66)

    ホヤ(火をおおうガラス筒)を心棒のようにして回り始めたのです。ミスラ君は騒ぐ容子がなく、私もランプを眺めていました。回るランプの黄色い焔は美しく澄み渡りました

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    292
    IA01834 (2021-04-28 評価=4.33)

    ミスラ君は「もう一つ御覧に入れましょう」と言って、書棚の方に手を伸ばし、招くように指を動かすと、書物が一冊ずつ舞い上がって飛び回り、テーブルの上に積み上がりました
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    320
    IA01835 (2021-04-28 評価=4.33)

    そして、書物は書棚へ飛び還りました。私の膝へ飛んで来た一冊を手にとると、一週間ばかり前に彼に貸した仏蘭西の新しい小説で、彼は微笑を含んだ声で礼を言いました

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    351
    IA01836 (2021-04-28 評価=4.00)

    私は夢からさめたような心持ちで「私のような人間にも使えるというのは本当ですか?」と尋ねると、彼は「使えます。ただし、欲のある人間には使えません」と答えました
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    383
    IA01837 (2021-04-30 評価=4.00)

    不安な気もしましたが、私が「魔術さえ教えて頂ければ」と言うと、彼は疑わしそうな顔をしながらも、教えてくれることになり、その日は彼の所に泊まることになりました

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    303
    IA01838 (2021-04-30 評価=3.66)

    ■××× ひと月ばかり後の雨の降る晩、私は銀座のある倶楽部で、五六人の友人と雑談していました。ミスラ君の部屋とは比べものにならない豪華な部屋でした
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    378
    IA01839 (2021-04-30 評価=4.25)

    友人の一人の依頼にこたえ、私は魔術を披露することになりました。そして「よく見ていてくれ給え」と言いながら、暖炉の中に燃え盛っている石炭を掌の上へすくい上げました

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    362
    IA01840 (2021-04-30 評価=4.00)

    私は落ち着き払って、石炭を勢いよく床へまき散らすと、石炭の火が無数の美しい金貨になって床の上にこぼれ飛ちました。友人たちは喝采も忘れ、茫然としています
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    334
    IA01841 (2021-05-01 評価=4.33)

    五分ばかりたって、一人が「皆ほんとうの金貨かい」と尋ねました。私がうなずくと、彼は金貨を集めさせ、うずたかくテーブルへ盛り上げました。二十万円以上ありそうでした

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    298
    IA01842 (2021-05-01 評価=4.00)

    友人は「これじゃすぐたいへんんな金満家になってしまうだろう」と私を褒めそやしました。欲心を起こしたら、魔術が使えなくなると説明すると、彼はもったいないと言いました
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    337
    IA01843 (2021-05-01 評価=4.00)

    狡猾と評判の友人が、せせら笑いながら「この金貨を元手にしてカルタをしよう。もし僕たちが勝ったら、金貨のまま渡したまえ。それならお互い言い分も立つ」と言うのです

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    397
    IA01844 (2021-05-01 評価=4.00)

    さらに「カルタをしないのは、金貨を僕たちに取られたくないからだろう」とずるそうに言うのです。押し問答の後、カルタを闘わせる羽目に立ち至ったのです
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    308
    IA01845 (2021-05-02 評価=4.00)

    そして、その夜に限って、私が嘘のようにどんどん勝つので面白くなりました。そして、私がとうとう金貨と同じほどの金高を、勝ってしまったのです

  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    314
    IA01846 (2021-05-02 評価=4.33)

    さっきの人の悪い友人は気違いのようになって「僕の財産をすっかり賭ける、君は金貨と、今まで勝った金をことごとく賭けろ」と言って、私に札をつきつけました。私は…
  • フィクション
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    330
    IA01847 (2021-05-02 評価=4.00)

    さて、この勝負の結果はいかに? 終盤はぜひ実際に入力して結末を確認してみましょう。友人に勝つことはできたでしょうか?