映画・アニメ等で多くの方々の記憶に残る「狼王ロボ」。原作者は米国の動物学者シートンです。命がけで戦う孤高の狼の姿に、あなたも心が震えるでしょう
- IA03282 (2023-03-02)
■青く燃えた目 翌朝早く北の谷へ出かけると、私ははじめてカランポーの谷の狼の王ロボを見た。ロボは二昼夜もワナから抜けようと苦しんだので疲れていた - IA03283 (2023-03-02)
銃床を鼻先へさしだすと、ロボは激しくかみついて歯なみのあとをきざみつけた。しかしロボは飢えと苦闘に疲れはて、地べたに横になった - IA03284 (2023-03-02)
私は木の枝を投げ、ロボが歯で受けとめたすきに、輪をなげて首にかけた。輪を締めて息の根を絶とうとする仲間に「生かして持ち帰ろう」と押しとめた - IA03285 (2023-03-03)
ロボは観念したようすだったので、みなでロボの足をしばって馬へ結わえた。ロボは我々に身をまかせ、長い間君臨していた遠くの草原を、じっと見つめていた - IA03286 (2023-03-03)
私は家に帰り、ロボに首輪をかけてくいへ結びつけた。ロボのからだを細かに調べると、腰にある傷痕は猟犬にかまれたあとと思われた。ロボは肉と水には見向きもしなかった