映画・アニメ等で多くの方々の記憶に残る「狼王ロボ」。原作者は米国の動物学者シートンです。命がけで戦う孤高の狼の姿に、あなたも心が震えるでしょう
- IA03262 (2023-02-24 評価=4.00)
■狼狩りの勧誘状 メキシコの谷の王様、狼のロボの首に1000ドルの懸賞広告が新聞に掲載され、土地には狼狩りを自慢の連中が続々とやってきた - IA03263 (2023-02-24 評価=4.00)
カランポーに住む友人から、私(シートン)に手紙が来た。手紙にはロボという知恵のはたらく狼と一党(五、六頭)がいて、皆悩まされているので、君の腕を頼りたい、とあった - IA03264 (2023-02-25 評価=5.00)
■さんざんな失敗 私は狼狩りの経験があり、すぐカランポーに乗りこんだ。友と酒をくみかわしていると、友は経験豊富なタンナリーという男の話をはじめた。 - IA03265 (2023-02-25 評価=3.00)
彼は、男の20頭の猟犬たちが大きな被害を受け、馬も断崖から落ちて死んだこと、結局男は力を落としテキサス州に戻ったことを話した - IA03266 (2023-02-25)
■毒殺の計 谷は土地に高低があり、川の流れが多く、馬や猟犬では追えない場所だった。そこで私は毒薬を使うことにして、牛の腎臓脂肪とチーズを混ぜ毒薬を詰めた - IA03267 (2023-02-25)
このご馳走をわらの包みに入れ、いくつも谷の草のあいだへ置いた。翌朝、毒のエサのそばでロボの足跡を見つけた。足跡から考えると体高1メートル、体重60キロ以上ありそうだ - IA03268 (2023-02-26)
最初の毒の肉のかたまりがなくなっていたので、狼が死んでいると思い、私は狂喜した。しかし狼の死体はなく、三つめのエサ肉までなくなっていた - IA03269 (2023-02-26)
四番目のところへきてみると、前の三か所の肉と五番目の肉までが一緒に手つかずで並べてあった。裏をかかれた私は、とても毒では退治できないと思い、大型のワナを注文した - IA03270 (2023-02-26)
■ぜいたくな食べ物 若い羊飼いが昨夜のできごとを語った。「昨夜の間に、狼が二百五十頭もの羊をかみ殺したのです。狼たちは羊を食うのでなく、かみ殺して喜ぶ悪党なんです」 - IA03271 (2023-02-26)
羊飼いの若者は「ロボには羊や牝牛合わせて二千頭あまりやられています。人間よりもぜいたくで、年とった牛や馬は好かない。本当ににくいやつです」と続けた - IA03272 (2023-02-27)
■狼群と牛の格闘 私が狼が若い牝牛を好む話に興味を持つと、若者はロボの次の位にいるブランカという白狼が五、六頭の牝牛を襲った時の話をはじめた - IA03273 (2023-02-27)
「白狼ブランカはうまく襲えなかったので、ロボが牛の群れへおどりかかり、牝牛を倒しました。その後でブランカら他の狼が襲いかかって牝牛の息の根をとめたのです」 - IA03274 (2023-02-28)
「馬で追いかけると、狼どもが逃げてたので、私は牝牛の体に毒を注ぎこんで帰りました。しかし翌朝行ってみると、毒のないところだけ食いあらしていたのです」と若者は言った - IA03275 (2023-02-28)
■ワナにかかった白狼ブランカ 私は到着したワナを方々にしかけたが、みなロボによりほじり出されていた。だが、私はロボの足跡の前にやや小さい足跡がある事に気付いた - IA03276 (2023-02-28)
牛飼いもブランカがときどきロボの先を歩いている、という。私はブランカがメスだと気づいたので、若い牝牛を殺して地上におき、周囲に鋼鉄製のワナをうめた - IA03277 (2023-02-28)
狼は動物の死体を見つけると、食べる気がなくても臭いをかぎ、動かしてみるものだ。翌朝、私たちはワナの辺りを見まわりに行くと、ワナがなくなっていた - IA03278 (2023-03-01)
足跡をつけてゆくと、二キロ足らずでワナにかかった足をひきずる白のメス狼ブランカに追いついた。私たちはブランカが岩で動けなくなるのを待って、なぐりつけた - IA03279 (2023-03-01)
ブランカは倒れた。この日、夕方まで「ブランカ!」と呼んでいるかのようなロボの遠ぼえが聞こえたのだった。夜がふけると、声はブランカが死んだ辺りまで移動した - IA03280 (2023-03-01)
■百三十個のワナ この夜ロボはただ一匹で来てかけまわり、番犬をさき殺して去った。ロボは狂乱していた。私はブランカは生けどって、おとりにすべきだったとくやしかった - IA03281 (2023-03-01)
そこで、私はありったけのワナをしかけた。その翌日、すべてのワナを見回ることができないまま日が暮れると、羊飼いが北の谷で牛の群れがさわいでいた、と語った