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犯人 (太宰治) 20分割入力文の数= 20

恋人と一緒に暮らすため、意図せぬ犯罪を犯し、一人逃避行を始めた鶴田慶助。マイナスエネルギーの充満した彼が選んだ道とは……

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    投稿 TypetrekJさん
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    404
    IA03682 (2023-08-28 評価=3.00)

    同じ会社に勤めている鶴田慶助(26歳、鶴)と小森ひで(21歳、森ちゃん)は好き合っていた。晩秋の日曜日、金が無かったので、二人は東京郊外の井の頭公園であいびきをした
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    414
    IA03683 (2023-08-28 評価=4.00)

    ふたり切りになりたいが、ふたり切りにはなれない。女は帰る時になって「一緒に帰れる家があったらいいね」と口走った。このつまらない一言が男の胸を突き刺した

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    435
    IA03684 (2023-08-30 評価=3.00)

    鶴は三鷹の肉屋に嫁いだ姉の家に行ったが、義兄は不在だった。義兄が家の二階の一間を貸してもいいと言っていたので、姉に部屋を貸してほしいと言うと、都合があると言う
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    448
    IA03685 (2023-08-30 評価=4.00)

    姉は鶴の結婚も真に受けない。鶴ははげしく逆上し、店の肉切り包丁で姉に切りつけた。姉は声も立てずに倒れ、血が噴出した。鶴は売り上げを数千円をつかんで店を出た

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    417
    IA03686 (2023-08-31 評価=4.00)

    鶴は東京までの切符を買う。自分の身を信じられず、荒い呼吸をし続ける。森ちゃんに一目あいたいと考えると、姉を殺した記憶が薄れ、部屋を借りられなかった事を残念に思う
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    426
    IA03687 (2023-08-31 評価=4.00)

    部屋を借りられず、森ちゃんと楽しく過ごせなかった事が無念だった。だが、ポケットを探ると金がある。急に上司と行った待合「さくら」の芸者ズズメを思い出す

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    424
    IA03688 (2023-09-01 評価=4.00)

    鶴は日本橋の「さくら」に行き、部屋に入った。女中に言って風呂に入り、鶴は血痕のついたワイシャツとカラーを洗濯し、ひげを剃った。そしてスズメがやって来た。
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    394
    IA03689 (2023-09-01 評価=4.00)

    鶴がスズメにウイスキーとたばこを注文した。注文を知らせに彼女が部屋から出ると急に停電した。鶴はおそろしくなり、泣きたくなり、森ちゃんごめんよ、と言った

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    402
    IA03690 (2023-09-02 評価=3.00)

    細い女の声が聞こえた気がして、鶴が廊下に飛びだすと、スズメが戻ってきた。彼女は鶴が闇屋でもうけたと思ったらしく、鶴は気が軽くなった。女中が酒と煙草を持って来た
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    421
    IA03691 (2023-09-02 評価=3.00)

    鶴は「帆」という詩を思い出した。文学好きの恋人、森ちゃんが読んで聞かせてくれた詩だ。ロシアの天才詩人レールモントフの詩集で、特に彼が気に入った詩だった。

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    413
    IA03692 (2023-09-03 評価=3.00)

    鶴はウイスキーを飲み、楽しく酔い、朝になった。鶴はトイレの窓から朝日を見て、胸が張り裂けそうになった。ふらふら部屋に戻る
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    380
    IA03693 (2023-09-03 評価=3.00)

    寝ながら、またウイスキーをあおる。夕方になると吐きそうになり、なんとか身なりを整えて待合を出る。外は冬ちかい黄昏で、三種類の夕刊を買う。記事は出ておらず不安になる

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    IA03694 (2023-09-04 評価=4.00)

    警察は秘密裡に犯人を追跡しているのに違いない。捕らえられて、肉親や知り合いにののしられるのはイヤだ。金のある限りは逃げよう。鶴は度胸をきめ、自分の寮に戻った
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    364
    IA03695 (2023-09-04 評価=4.00)

    蒲団をしいて寝ると、朝同僚にゆり起こされ「三鷹の兄さんから何回も会社へ電話が来たぞ。至急三鷹に来い、との事だ」と言われる。鶴は総毛だつ思いではね起き、ズボンをはく

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    352
    IA03696 (2023-09-05 評価=3.00)

    自分は殺人鬼だ。世間の者どもは鬼を追い回している。しかし、自分にはまだ金がある。恐怖を忘れて遊ぶことが出来る。鶴は数種類の新聞を調べてみた。事件の記事は出ていない
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    IA03697 (2023-09-05 評価=3.00)

    スパイが無言で背後に立っているような不安。鶴は自分の荷物から、売却できそうなものをリュックにつめ、渋谷に出て品物をたたき売った。五千円以上を手に入れた

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    IA03698 (2023-09-06 評価=3.00)

    鶴は地下鉄で新橋へ。眠り薬を買い、切符を入手して、汽車で大阪へ向かう。金は一万円近くある。関西で遊ぶのも悪くない。座席に座ると、ふと詩を作ってみたい衝動にかられる
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    IA03699 (2023-09-06 評価=3.00)

    鶴は、手帳を取り出し、鉛筆で書いた。「われにブロバリン二百錠あり。飲めば、死ぬ。いのち、」それだけ書いて、つまってしまった。三鷹の義兄への遺書もうまく書けない

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    IA03700 (2023-09-07 評価=3.00)

    その後の鶴の消息は、はっきりしない。五日後、鶴は京都で戦友だった北川という会社員と面会し、古着屋に寄って一緒に酒を飲んだ。彼と別れた後、大津の秋月旅館に現れた
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    IA03701 (2023-09-07 評価=2.00)

    旅館に宿泊した鶴は、酔い覚めの水をたのんだ。そして…
    「犯人」 太宰治作 昭和23年(1948)