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大谷刑部 (吉川英治) 45分割入力文の数= 45 <<   1  2  3   >>

石田三成の盟友、大谷吉継(刑部)の物語。関ケ原決戦に至る彼の心情と三成への思い、奮戦ぶりなど、戦国感覚が肌に伝わる吉川英治の短編歴史小説です

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  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    405
    IA03857 (2023-12-02 評価=4.00)

    ■一つの丘 大谷刑部は小早川秀秋の裏切りを知ると「手から水が漏れた」と悔やんだ。輿で丘の小高い所へ駈けのぼった刑部は、心眼と心耳で、東軍と西軍のすさまじい戦闘を見た
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    426
    IA03858 (2023-12-03 評価=5.00)

    刑部のまわりを五、六十人の兵が囲んでいる。喘ぎながら丘に上がってくる少数の者たちの報告は、味方の悲壮な敗報ばかり。血膿が流れる刑部の顔が、その時横を見た

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    403
    IA03859 (2023-12-03 評価=5.00)

    湯浅五助がもどったのである。五助は「もはや、もり返す手だてはないかと存じまする」と報告した。刑部は家臣らを呼び集めて「よく戦ってくれた」と感謝の言葉を述べた
  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    401
    IA03860 (2023-12-04 評価=5.00)

    刑部は「私は死の途を選ぶ。皆は目ざましゅう死ぬなり、故郷へ去るなりせよ。今が別れ。めいめい名を名乗り、永別しようぞ」と言った。そして家臣たちはみな名乗って去った

  • 歴史
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    444
    IA03861 (2023-12-04 評価=4.00)

    湯浅五助だけが主人に付き添って主人の首をはねると、その首を抱いて霧の中へ駈け去った。
     「大谷刑部(おおたにぎょうぶ)」
       吉川英治作 昭和11年(1926)