半七捕物帳 お文の魂 (岡本綺堂) 39分割 | 入力文の数= 6 |
幕末のシャーロックホームズ、岡っ引き半七(はんしち)。不思議な事件を解決する彼の姿を描く岡本綺堂の連作短編小説です。ドラマも有名ですが、古さを感じさせない文章も特徴です
- IA04745 (2025-07-13) NEW
■1 江戸末期に生まれた私の叔父は、妖怪話に詳しかったが、そういう話は滅多にしなかった。その叔父が一度「おふみの一件のように世の中には解らないことがある」と言ったことがある - IA04746 (2025-07-13) NEW
私は関係しているらしいKのおじさん(血のつながりはない)の所に行ったが「つまらない化け物の話なんぞすると、お父さん達に叱られる」と言われてしまい、それきり忘れていた - IA04747 (2025-07-14) NEW
二年程経って、11月末ころ、Kのおじさんに誘われ、夕飯の後に、武家屋敷の残る番町の家を訪ねた。彼も昔はそれなりの身分の人だったのだろうと思われた - IA04748 (2025-07-14) NEW
暗い雨の夜であった。おじさんは急に「お前が興味を持っていたおふみの話を聞かしてやろうか。化け物の話はこういう晩がいい」と言い出した - IA04749 (2025-07-15) NEW
私が目をかがやかせると、Kのおじさんは「怖くなって家へ帰れなくなったなんて言うなよ」と私をおどすと「元治元年、自分が二十歳の時だ」と話し始めた - IA04750 (2025-07-15) NEW
さて、松村彦太郎という外国掛の三百石の旗本がいた。その妹のお道は小幡伊織という旗本に嫁ぎ三才の子供をもうけていたが、突然兄を訪ね、仔細も言わず離婚したいと言い出した