| ろくろ首 (小泉八雲作 田部隆次訳) 17分割 | 入力文の数= 17 |
元武士の僧、回龍は諸国行脚の旅を始める。夜野宿をしていると、木こりに誘われ彼の家で一夜を過ごすことになるのだが……。小泉八雲「怪談」の本格ホラー
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500年ほど前、磯貝平太左衛門武連は主家九州菊池が滅亡したため、僧となって回龍と名のり、諸国行脚の旅に出かけた - IA04869 (2025-10-14 評価=5.00)
回龍が甲斐の国(山梨県)を訪れ、山の中で野宿をしようとしていると、木こりが通りすがり、この付近は変化(へんげ)のものが出て危険だ、と注意した - IA04870 (2025-10-14 評価=5.00)
回龍が修業を積んでおり大丈夫だと答えたが、木こりは「ここははなはだ評判の悪い危険な場所だから、私の家に来て下さい」と熱心に誘った。回龍は申し出を受けることにした - IA04871 (2025-10-15 評価=5.00)
険しい山道を通って行くと、山の頂の平らな場所に草ふき屋根の小屋があった。中で四人の男女が手を暖めていたので、回龍は四人に挨拶した - IA04872 (2025-10-15)
みな挨拶が上品だったので、回龍は主人の木こりに以前は身分のある方ではないかと尋ねた。彼はある大名の重臣だったが、悪い行をしたため亡命者となったと答えた - IA04873 (2025-10-17)
そして「不幸な人々を助けて、悪業のつぐないをしたい」と言った。回龍は感心し「決心の力でまた善にも強くなる、今夜は貴方のために読経をしましょう」と喜んだ - IA04874 (2025-10-17)
美しい月夜だった。回龍は読経の後、水を飲もうと思い、襖をあけた。すると横臥した五人のからだに頭がない事に気付いた。犯罪かと思ったが血は流れていない - IA04875 (2025-10-20)
回龍はろくろ首の家だと気付いた。彼は胴体を移動すると首は戻れず、喘ぎながら死ぬ、と昔の本にあった事を思い出し、主人の体を窓から押し出すと、話し声のする森の樹の陰に隠れた - IA04876 (2025-10-20)
回龍は主人の首が「旅の僧を皆で食べたら満腹するだろう。もう眠ったかどうか見て来てくれ」と言うのを聞いた。若い女の首が見に行って帰ると『僧はいないし、主人の体もありません』と叫んだ - IA04877 (2025-10-21)
主人は憤怒の涙を流し『死ぬ前に、あそこに隠れている僧を引き裂いてやる』と言って、みな回龍に飛びかかった。僧は若木を手に寄せつけなかったが、主人の首が左の袖に食いついた - IA04878 (2025-10-21)
主人の首は死んだ。だが、袖から離れずそのまま家へ戻ると、4人は胴に戻っていたが、僧を見て逃げ出した。回龍は袖に首を付けたまま旅をつづけ、信州諏訪へやって来た - IA04879 (2025-10-22)
人々が驚いて騒ぎになり、僧は殺人の疑いで捕らえられ牢に入った。そこで回龍は『この首は化け物のもので、勝手に来てそこについたものであり、何の罪も犯していません』と弁明した - IA04880 (2025-10-22)
だが、役人達は侮辱されたと怒り、死刑にしようと話し合ったが、役人の一人の老人が首を調べるべきだ、と反対した。そこで実際に検分した所、頸が武器で斬られた跡がない事がわかった - IA04881 (2025-10-24)
老人は『ろくろ首だ。昔の本にあるように、うなじに赤い文字が見られる。甲斐の国にはこんな怪物が数多くいるという話である。この強勇な僧は元武士であろう』と言ったので、回龍は頷いた - IA04882 (2025-10-24)
その後回龍は国守の屋敷で歓待饗応をうけ、褒賞を賜った後、首を携えたまま諏訪を出発したそうだ。それ以降は首についての逸話が残っており、回龍は出発、追い剥ぎに遇ったという - IA04883 (2025-10-27)
追い剥ぎは衣の首を見て驚き『おれより悪党の坊さんだ。おれの衣と首の付いた衣を取り替えよう、五両出す』と言う。回龍は『化け物の首だぞ』と言ったが、追い剥ぎは信じなかった - IA04884 (2025-10-27)
その後盗賊は祟りが恐ろしくなって首の供養をしたという。
「ろくろ首」小泉八雲作 田部隆次訳
作品集「怪談」より 明治37年(1904)


