---

駈込み訴え
太宰治
-------------------------
底本：「走れメロス」新潮文庫、新潮社
　　　1967（昭和42）年7月10日発行
　　　1985（昭和60）年9月15日40刷改版
　　　1988（昭和63）年10月10日48刷
初出：「中央公論」
　　　1940（昭和15）年2月
入力：文咲苺子
校正：高橋真也
1999年2月24日公開
2008年10月3日修正
青空文庫作成ファイル：
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫（http://www.aozora.gr.jp/）で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
-------------------------
○TypetrekJ 修正点
1 置けねえ→おけねえ、二月(ルビ=ふたつき)→ふた月、生れた→生まれた
2 引目(ルビ=ひけめ)→引け目、尚更→なおさら、ご存じ無い→ご存じない、じゃ無い→じゃない
3 暮して→暮らして、のたれ死(ルビ=じに)→のたれ死に、居らなかった→おらなかった、脊筋→背筋、集り→集まり、塒(ルビ=ねぐら)→ねぐら
4 危い→危ない、飢え死→飢え死に、在る→ある、謂わば→言わば
5 慾→欲、貯めて置いた→貯めておいた、じゃ無い→じゃない
6 在る→ある
7 暮して→暮らして、
8 此の→この、在(る)→あ(る)、暮し→暮らし、暮せる→暮らせる、居ります→おります、桃畠(ルビ=ももばたけ)→桃畑
9 生れた→生まれた
10 居れば→おれば、浅間しく→浅ましく
11 居ります→おります、此の→この、仕合せ→仕合わせ、日日→日々
12 マルタ奴→マルタめ、一ぱい→いっぱい、在る→ある、室→部屋、這入って→入って、室→部屋
13 屹(ルビ=き)っと→きっと、覚えて置く→覚えておく、葬い→とむらい
14 危い→危ない、はッ→はっ、依って→よって、嘗つて→かつて、当る→当たる、では無い→ではない、絶対に無い→絶対にない
15 居ります→おります、生れ→生まれ、極→極み
16 骨組→骨組み、気象→気性、生れて→生まれて、変り→変わり、取柄→取り柄
17 浅墓→浅はか
18 ジェラシィ→ジェラシー、随(ルビ=したが)って→従って
19 愈愈→いよいよ、向い→向かい、懼(ルビ=おそ)る→恐る、来り→来たり、気持→気持ち
20 此の→この、跨(ルビ=またが)り→跨がり、落目→落ち目、剪(ルビ=き)る→切る
21 弟子共→弟子ども、交し→交わし、大浪→大波、如く→ごとく
22 向い→向かい、之(ルビ=これ)→これ
23 此の→この、廻し→回し、捕え→捕らえられ、精一ぱい→精いっぱい
24 貪慾→貪欲、集る→集まる、一ばん→いちばん、穢(ルビ=けがれ)→穢れ、然れども→しかれども、斯(ルビ=かく)→かく
25 集る→集まる、遣(ルビ=つかわ)された→遣わされた、然れども→しかれども、為(ルビ=せ)し→せし、汝→なんじ、饑饉(ルビ=ききん)→飢饉、起る→起こる、哀哭(ルビ=なげき)→嘆き、とんでも無い→とんでもない、思い上り→思い上がり、甚しい→甚だしい、牝鶏(ルビ=めんどり)→雌鶏、争(ルビ=いか)で→いかで
26 居る→いる、集って→集まって、捕えた→捕らえた、起す→起こす、一すじ→ひとすじ、愛では無い→愛ではない
27 貪慾→貪欲、上り→上がり、水甕(ルビ=みずがめ)→水瓶、在った→あった
28 気持→気持ち
29 暮して→暮らして、居りました→おりました、危い→危ない、此の→この、気持→気持ち、ことは無い→ことはない、柔かく→柔らかく、在った→あった
30 気持→気持ち、隠して置く→隠しておく、思い当る→思い当たる、穏か→穏やか、尚も→なおも
32 気持→気持ち、はッ→はっ、変って→変わって、炎を挙げ→炎をあげ、唾を呑み→唾を飲み
33 称(ルビ=たた)え→たたえ、眼覚め→目覚め、坐り→座り、仲好く→仲良く、三たび→みたび
34 音無しく→おとなしく、集って→集まって、一つまみ→ひとつまみ、不仕合せ→不仕合わせ
35 之(ルビ=これ)まで→これまで、今更→今さら、辱かしめる→辱める、仕来り→しきたり、在る→ある、一つまみ→ひとつまみ、速か→速やか、捕えて→捕らえて
36 居りません→おりません、捕える→捕らえる
37 居りました→おりました、気持→気持ち、見て置いて→見ておいて、ことは無い→ことはない
38 では無い→ではない、一ばん→いちばん
39 ちがい無い→ちがいない、有難う→有り難う