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文字数
353

いつとも知れぬ、ある暖かい薄曇った日のことである。その時、私はわざわざ富山県の魚津(うおづ)に蜃気楼を見に出掛けた帰り道であった
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【入力文コード】 IA02840
【投稿】TypetrekJ さん (ITA03016, 性別非公開)
【公開日】2022-08-02 09:21   (修正 2023-08-15 22:48)

【文字含有率】 (※改行 は文字数には含まれません)

 漢字ひらがなカタカナ英字数字句読点・ 記号合計
文字数111 205 10 27 353 
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【追加情報】 

押絵と旅する男
江戸川乱歩
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底本:「江戸川乱歩全集 第5巻 押絵と旅する男」光文社文庫、光文社
   2005(平成17)年1月20日初版1刷発行
底本の親本:「江戸川乱歩全集 第三巻」平凡社
   1932(昭和7)年1月
初出:「新青年」博文館
   1929(昭和4)年6月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:砂場清隆
校正:門田裕志
2016年1月1日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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○TypetrekJ による修正点

・「押絵」は現代の表記法では「押し絵」となるため、本文中では「押し絵」と修正しました。ただし、作品タイトルは原作表記通り「押絵」としました。
・人物が言葉を発する「云(う)」については「言(う)」に修正しました。

1 又→また、云わ→言わ、態々(ルビ=わざわざ)→わざわざ、押絵→押し絵
2 丈け→だけ、嘗(ルビ=かつ)て→かつて、勝(ルビ=かっ)た→勝った、生れ→生まれ、浮んで→浮かんで、帰り途→帰り道、焼ついて→焼きついて、膏汗(ルビ=あぶらあせ)→あぶら汗
3 喰違った→食い違った、打続く→打ち続く、遙(ルビ=はる)かな→遥かな
4 分って→分かって、浮んで→浮かんで、積重なって→積み重なって、立並ぶ→立ち並ぶ、帰り途→帰り道、真黒→真っ黒、少く→少なく
5 確(ルビ=たしか)→確か、気持→気持ち、尽して→尽くして、異った→異なった、崕(ルビ=がけ)→崖、際(ルビ=はて)し→果てし、夕焼→夕焼け、若(ルビ=も)しか→もしか、類(ルビ=たぐい)→類い、向う→向こう
6 電燈→電灯、向う→向こう、立上って→立ち上がって、取出し→取り出し、丁度→ちょうど
7 更(ルビ=あらた)めて→あらためて、態々→わざわざ、持主→持ち主、併し→しかし、豊に→豊かに、一飛び→ひと飛び、甚(ルビ=はなは)だ→はなはだ
8 気附いた→気付いた、坐った→座った、叮嚀→丁寧、浮んで→浮かんで、終る→終わる、丁度→ちょうど、恥かし相に→恥ずかしそうに、互(ルビ=たが)の→互いの、外方(ルビ=そっぽ)→そっぽ、繰返し→繰り返し、舷燈→舷灯、光り→光
9 際涯(ルビ=はてし)→果てし、跡方(ルビ=あとかた)→跡形、丈け→だけ、考えて見る→考えてみる、立上る→立ち上がる、向う→向こう
10 顛倒(ルビ=てんとう)→転倒、云った→言った、気持→気持ち、当り前→当たり前、却(ルビ=かえっ)て→かえって、繰返し→繰り返し、引込まれ→引き込まれ
11 寧(ルビ=むし)ろ→むしろ、云(って)→言(って)、嘗て→かつて、分らない→分からない、打抜いて→打ち抜いて、遙か向う→遥か向こう、絵具→絵の具
12 分る→分かる、云(って)→言(って)、丈け→だけ、押絵→押し絵、持主→持ち主、黒天鵞絨(ルビ=くろびろうど)→黒ビロード、仕立方→仕立て方、謂(ルビ=い)わば→言わば
13 引かえて→引きかえて、云えぬ→言えぬ、云う→言う、坐って→座って、押
絵→押し絵、現わし→表し、随分→ずいぶん
14 絵具→絵の具、落(て)→落ち(て)、天鵞絨→ビロード、若し→もし、強て→強いて、所謂→いわゆる
15 分って→分かって、叮嚀→丁寧、差出す→差し出す
16 左様(ルビ=さよう)→さよう、丁度→ちょうど、電燈→電灯、持主→持ち主、見易い→見やすい、手摺(ルビ=てず)れ→手ずれ、覆皮(ルビ=おおいがわ)→覆い皮、現われ→現れ、如何にも→いかにも
17 珍らしさ→珍しさ、廻して→回して、叫声(ルビ=さけびごえ)→叫び声、危(ルビ=あやう)く→危うく、取落す→取り落とす、真青(ルビ=まっさお)→真っ青、何(ルビ=な)ぜ→なぜ、成程(ルビ=なるほど)→なるほど
18 現われ方→現れ方、分らせる→分からせる、出して見る→出してみる、蜑(ルビ=あま)→海女、曲り→曲がり、輪廓(ルビ=りんかく)→輪郭、お化→お化け、つうッと→つうっと、浮上って→浮き上がって、現わす→現す、海草→海藻(本文での)
19 気持→気持ち、丁度→ちょうど、現わし→現し、向う側→向こう側、結綿→結い綿、魔法使→魔法使い、併し→しかし、変って→変わって、衣裳→衣装、居る→いる
20 一渡り→ひと渡り、嘗(ルビ=な)め廻し→なめ回し、掛って→掛かって、仕合せ→仕合わせ、廻して→回して、現わして→現して、混り→混じり、見廻した→見回した
21 気持→気持ち、真暗(ルビ=まっくら)→真っ暗、響(ルビ=ひびき)→響き、変り→変わり、聞えて→聞こえて、不思議相→不思議そう、向う→向こう、坐る→座る、居り→おり、打開(ルビ=うちあ)ける→打ち明ける
22 聞き度(ルビ=た)い→聞きたい、響→響き
23 居り→おり、持物→持ち物、随分→ずいぶん
24 喰違って→食い違って、坐って→座って、魔法使→魔法使い
25 廻し→回し、変った→変わった、飛んでもない→とんでもない、お化→お化け、起って→起こって、居りました→おりました
26 籠って→籠もって、尤(ルビ=もっと)も→もっとも、おひるッから→おひるっから、聞いて見て→聞いてみて、打開け→打ち明け、出掛る→出掛ける、一月→ひと月、ソッと→そっと
27 丁度→ちょうど、過(ルビ=すぎ)→過ぎ、工風(ルビ=くふう)→工夫、天鵞絨→ビロード、挽子→引き子
28 又→また、申上げた→申し上げた、這入って→入って、上った→上がった、入口→入り口、化物→化け物、冷々→冷え冷え
29 丈け→だけ、珍らしかった→珍しかった、飛上って→飛び上がって、居ります→おります、俄に→にわかに
30 分って→分かって、気持→気持ち、居りま(す)→おりま(す)、目まい→めまい、一かたまり→ひとかたまり、おっかな相→おっかなそう、廻して→回して、天鵞絨→ビロード、浮上って→浮き上がって
31 丈け→だけ、振向き→振り向き、気拙(きまず)い→気まずい、此頃(ルビ=このごろ)→この頃、御出掛→お出掛け、打開け→打ち明け、仲々→なかなか、繰返し→繰り返し、御父さん→お父さん
32 又→また、丈け→だけ、居り→おり、見たのだ相→見たのだそう、探した相→探したそう、極(ルビ=き)まった→きまった、人込み→人混み(用語の統一)、一月→ひと月
33 又→また、気持→気持ち、極々(ルビ=ごくごく)→ごくごく、打開けて→打ち明けて、起らず→起こらず
34 又→また、気持→気持ち、浮んで→浮かんで、ア→あ、浮上って→浮き上がって、打上げ→打ち上げ、お話した→お話しした、分り→分かり
(2/48 に続く)