■序曲 秋近い日、私達はお前の描きかけの絵を画架に立て、白樺の木陰に寝そべって果物をかじっていた。その時不意に風が立ち、木の葉の間の藍色が伸びたり縮んだりした
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【公開日】 | 2022-09-18 19:00 (修正 2024-05-29 09:46) |
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漢字 | ひらがな | カタカナ | 英字 | 数字 | 句読点・ 記号 | 合計 | |
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文字数 | 111 | 250 | 0 | 0 | 0 | 25 | 386 |
文字含有率 | 28.8% | 64.8% | 0% | 0% | 0% | 6.5% | - |
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【アンケート】
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【追加情報】
風立ちぬ
堀辰雄
底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
1988(昭和63)年6月1日初版第1刷発行
底本の親本:「堀辰雄全集 第1巻」筑摩書房
1977(昭和52)年5月28日初版第1刷発行
初出:序曲「改造」1936(昭和11)年12月号に発表された「風立ちぬ」の発端部分を野田書房版(1938(昭和13)年4月10日刊)「風立ちぬ」において「序曲」と改題。
春「新女苑」1937(昭和12)年4月号に「婚約」と題して。
風立ちぬ「改造」1936(昭和11)年12月号に。構成は「発端」「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」の4章から成る。
冬「文藝春秋」1937(昭和12)年1月号
死のかげの谷「新潮」1938(昭和13)年3月号
初収単行本:「風立ちぬ」野田書房
1938(昭和13)年4月10日
※底本の親本の筑摩全集版は、野田書房版による。初出情報は、「堀辰雄全集 第1巻」筑摩書房、1977(昭和52)年5月28日、解題による。
入力:kompass
校正:浅原庸子
2003年12月29日作成
2010年11月2日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
-------------------------------
○TypetrekJ による修正点
※巻頭に引用されているヴァレリーの詩は、入力が難しいため省略しました。
※同じ意味に対し異なる漢字が混用されている箇所は、統一しました。
「傍」と「側」(いずれも読みが「そば」の場合)→ひらがなの「そば」に統一
「馴れる」と「慣れる」→「慣れる」に統一
「寝衣(ルビ=ねまき)」と「寝間着」→「寝間着」に統一
(窓などを)「締める」と「閉める」→「閉める」に統一
<序曲>
1 或る→ある、木蔭→木陰、生れて→生まれて、齧じって→かじって、塊り→塊
2 殆んど→殆ど、上って→上がって、靠(ルビ=もた)れて→もたれて、口の裡(ルビ=うち)→口の内、衝(ルビ=つ)いて→ついて、カンヴァス→カンバス、除(ルビ=と)り→とり、一めん→一面
3 或る→ある、何んと→何と、嗄れた→しゃがれた
4 云う→いう、変っちゃった→変わっちゃった、先き→先、何んと→何と
5 見透し→見通し、下生(ルビ=したばえ)→下生え、斑(ルビ=まだ)ら→斑(ルビ=まだら)、殆んど→殆ど
6 或る→ある、気持→気持ち、殆んど→殆ど、側→そば
7 打棄(ルビ=うっちゃ)って置いた→うっちゃっておいた、凭(ルビ=よ)りかかり→よりかかり、寝衣(ルビ=ねまき)→寝間着(用語の統一)
8 少く→少なく
9 木蔭→木陰、心の裡→心の内、云った→いった、異った→異なった、其処→そこ、自分の裡→自分の内、と云う→という、殆んど→殆ど、輪廓(ルビ=りんかく)→輪郭、漸(ルビ=や)っと→やっと、極めて置いて→極めておいて
<春>
10 或る→ある、と云った→といった、立寄った→立ち寄った、植込み→植え込み、麦稈帽(ルビ=むぎわらぼう)→麦わら帽、掻き分け→かき分け、物珍らし→物珍し、莟(ルビ=つぼみ)→つぼみ、傍→そば、させて見たら→させてみたら
11 居られ→おられ、莟(ルビ=つぼみ)→つぼみ
12 そう云った→そういった、丁度→ちょうど、莟→つぼみ、手離した→手放した
13 其処→そこ、植込み→植え込み、お互→お互い、上ろう→あがろう、フレンチ扉(ルビ=ドア)→フレンチドア、気まり悪そう→きまり悪そう
14 起きて見た→起きてみた、何んという→何という、殆んど→殆ど
15 言い訣→言い訳、起した→起こした
16 異って→異なって、分らない→分からない
17 知らず識らずの裡→知らず知らずの内、といって→と言って、向う→向こう、そりあ→そりゃあ、可哀らしい→可愛らしい、寧ろ→むしろ
18 或る→ある、云い知れず→言い知れず、気持→気持ち、フレンチ扉(ルビ=ドア)→フレンチドア、大ぶ→だいぶ、珍らしそう→珍しそう、恢復(ルビ=かいふく)→回復、丁度→ちょうど、大へん→たいへん、殆んど→殆ど、⁂(アステリズム文字)→***
19 植込み→植え込み、莟→つぼみ、フレンチ扉(ルビ=ドア)→フレンチドア、何んだか→何だか、危かしそう→危なっかしそう、生墻(ルビ=いけがき)→生け垣
20 莟→つぼみ、衝(ルビ=つ)き→つき、隣り→隣、何んて→何て、珍らしい→珍しい、靠れ→もたれ
21 其処→そこ、向う→向こう、生墻→生け垣、留めて置く→留めておく
22 お蔭→お陰、と云う→という、聞え→聞こえ、分らない→分からない、何んにも→何にも、何んとも→何とも
23 ⁂(アステリズム文字)→***、或る→ある、云わば→言わば、其処→そこ、又→また、何んという→何という、衝(ルビ=つ)いて→ついて、一寸→ちょっと、識合(ルビ=しりあ)い→知り合い
24 呉れた→くれた、日取→日取り、傍→そば
25 靠(ルビ=もたれ)れ→もたれ(ルビ校正ミス)、植込み→植え込み、夕暮→夕暮れ、何んの→何の、向う→向こう、匂→匂い、におい→匂い、嗄れた→しゃがれた
26 希(ルビ=ねが)おう→願おう、向う→向こう、起る→起こる、任せ切って置いた→任せ切っておいた
27 裡→内、聞え→聞こえ、何んでも→何でも、殆んど→殆ど、気がついて見る→気がついてみる、明り→明かり、締めて置こう→締めておこう、におい→匂い、嗄れて→しゃがれて
28 何んの→何の、顫(ルビ=ふる)え→震え、落着いて→落ち着いて
29 或る→ある、向う→向かう、お互→お互い、徐(ルビ=しず)かに→しずかに、⁂(アステリズム文字)→***
<風立ちぬ>
30 と云うより→というより、又→また、攀じのぼったり→よじのぼったり、展(ルビ=ひら)けた→ひらけた、漸(ルビ=や)っと→やっと、鎖(ルビ=と)ざして→鎖して、互を→互いを
31 小使→小使い
33 何んの→何の、小使→小使い、附添人→付添人、向う→向こう、又→また、混って→混じって、数箇→数個、落着かず→落ち着かず、見廻し→見回し、仕切→仕切り、宛てられた→あてられた、捥(ルビ=も)いだり→もいだり
34 上って→上がって、其処→そこ、何んだか→何だか、何んだ→何だ、丁度→ちょうど、向い→向かい、佗(ルビ=わ)びしかった→侘しかった、唯→ただ
35 谿間→谷間、赭(ルビ=あか)ちゃけた→赤ちゃけた、上がらせた、更に→さらに、弛(ルビ=ゆる)め→ゆるめ、⁂(アステリズム文字)→***
36 と云った風→といった風、生れ→生まれ、隣り→隣、殆んど→殆ど、積った→積もった、寝過した→寝過ごした、醒(ルビ=さ)ま→覚ま、て見せた→てみせた
37 埋れた→埋もれた、馴れ→慣れ(漢字の統一)、可笑(ルビ=おか)しな→おかしな、嗄れて→しゃがれて
38 裡→内、居る→いる、⁂(アステリズム文字)→***
(風立ちぬ 2/143の追加情報へ続く)
風立ちぬ
堀辰雄
底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
1988(昭和63)年6月1日初版第1刷発行
底本の親本:「堀辰雄全集 第1巻」筑摩書房
1977(昭和52)年5月28日初版第1刷発行
初出:序曲「改造」1936(昭和11)年12月号に発表された「風立ちぬ」の発端部分を野田書房版(1938(昭和13)年4月10日刊)「風立ちぬ」において「序曲」と改題。
春「新女苑」1937(昭和12)年4月号に「婚約」と題して。
風立ちぬ「改造」1936(昭和11)年12月号に。構成は「発端」「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」の4章から成る。
冬「文藝春秋」1937(昭和12)年1月号
死のかげの谷「新潮」1938(昭和13)年3月号
初収単行本:「風立ちぬ」野田書房
1938(昭和13)年4月10日
※底本の親本の筑摩全集版は、野田書房版による。初出情報は、「堀辰雄全集 第1巻」筑摩書房、1977(昭和52)年5月28日、解題による。
入力:kompass
校正:浅原庸子
2003年12月29日作成
2010年11月2日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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○TypetrekJ による修正点
※巻頭に引用されているヴァレリーの詩は、入力が難しいため省略しました。
※同じ意味に対し異なる漢字が混用されている箇所は、統一しました。
「傍」と「側」(いずれも読みが「そば」の場合)→ひらがなの「そば」に統一
「馴れる」と「慣れる」→「慣れる」に統一
「寝衣(ルビ=ねまき)」と「寝間着」→「寝間着」に統一
(窓などを)「締める」と「閉める」→「閉める」に統一
<序曲>
1 或る→ある、木蔭→木陰、生れて→生まれて、齧じって→かじって、塊り→塊
2 殆んど→殆ど、上って→上がって、靠(ルビ=もた)れて→もたれて、口の裡(ルビ=うち)→口の内、衝(ルビ=つ)いて→ついて、カンヴァス→カンバス、除(ルビ=と)り→とり、一めん→一面
3 或る→ある、何んと→何と、嗄れた→しゃがれた
4 云う→いう、変っちゃった→変わっちゃった、先き→先、何んと→何と
5 見透し→見通し、下生(ルビ=したばえ)→下生え、斑(ルビ=まだ)ら→斑(ルビ=まだら)、殆んど→殆ど
6 或る→ある、気持→気持ち、殆んど→殆ど、側→そば
7 打棄(ルビ=うっちゃ)って置いた→うっちゃっておいた、凭(ルビ=よ)りかかり→よりかかり、寝衣(ルビ=ねまき)→寝間着(用語の統一)
8 少く→少なく
9 木蔭→木陰、心の裡→心の内、云った→いった、異った→異なった、其処→そこ、自分の裡→自分の内、と云う→という、殆んど→殆ど、輪廓(ルビ=りんかく)→輪郭、漸(ルビ=や)っと→やっと、極めて置いて→極めておいて
<春>
10 或る→ある、と云った→といった、立寄った→立ち寄った、植込み→植え込み、麦稈帽(ルビ=むぎわらぼう)→麦わら帽、掻き分け→かき分け、物珍らし→物珍し、莟(ルビ=つぼみ)→つぼみ、傍→そば、させて見たら→させてみたら
11 居られ→おられ、莟(ルビ=つぼみ)→つぼみ
12 そう云った→そういった、丁度→ちょうど、莟→つぼみ、手離した→手放した
13 其処→そこ、植込み→植え込み、お互→お互い、上ろう→あがろう、フレンチ扉(ルビ=ドア)→フレンチドア、気まり悪そう→きまり悪そう
14 起きて見た→起きてみた、何んという→何という、殆んど→殆ど
15 言い訣→言い訳、起した→起こした
16 異って→異なって、分らない→分からない
17 知らず識らずの裡→知らず知らずの内、といって→と言って、向う→向こう、そりあ→そりゃあ、可哀らしい→可愛らしい、寧ろ→むしろ
18 或る→ある、云い知れず→言い知れず、気持→気持ち、フレンチ扉(ルビ=ドア)→フレンチドア、大ぶ→だいぶ、珍らしそう→珍しそう、恢復(ルビ=かいふく)→回復、丁度→ちょうど、大へん→たいへん、殆んど→殆ど、⁂(アステリズム文字)→***
19 植込み→植え込み、莟→つぼみ、フレンチ扉(ルビ=ドア)→フレンチドア、何んだか→何だか、危かしそう→危なっかしそう、生墻(ルビ=いけがき)→生け垣
20 莟→つぼみ、衝(ルビ=つ)き→つき、隣り→隣、何んて→何て、珍らしい→珍しい、靠れ→もたれ
21 其処→そこ、向う→向こう、生墻→生け垣、留めて置く→留めておく
22 お蔭→お陰、と云う→という、聞え→聞こえ、分らない→分からない、何んにも→何にも、何んとも→何とも
23 ⁂(アステリズム文字)→***、或る→ある、云わば→言わば、其処→そこ、又→また、何んという→何という、衝(ルビ=つ)いて→ついて、一寸→ちょっと、識合(ルビ=しりあ)い→知り合い
24 呉れた→くれた、日取→日取り、傍→そば
25 靠(ルビ=もたれ)れ→もたれ(ルビ校正ミス)、植込み→植え込み、夕暮→夕暮れ、何んの→何の、向う→向こう、匂→匂い、におい→匂い、嗄れた→しゃがれた
26 希(ルビ=ねが)おう→願おう、向う→向こう、起る→起こる、任せ切って置いた→任せ切っておいた
27 裡→内、聞え→聞こえ、何んでも→何でも、殆んど→殆ど、気がついて見る→気がついてみる、明り→明かり、締めて置こう→締めておこう、におい→匂い、嗄れて→しゃがれて
28 何んの→何の、顫(ルビ=ふる)え→震え、落着いて→落ち着いて
29 或る→ある、向う→向かう、お互→お互い、徐(ルビ=しず)かに→しずかに、⁂(アステリズム文字)→***
<風立ちぬ>
30 と云うより→というより、又→また、攀じのぼったり→よじのぼったり、展(ルビ=ひら)けた→ひらけた、漸(ルビ=や)っと→やっと、鎖(ルビ=と)ざして→鎖して、互を→互いを
31 小使→小使い
33 何んの→何の、小使→小使い、附添人→付添人、向う→向こう、又→また、混って→混じって、数箇→数個、落着かず→落ち着かず、見廻し→見回し、仕切→仕切り、宛てられた→あてられた、捥(ルビ=も)いだり→もいだり
34 上って→上がって、其処→そこ、何んだか→何だか、何んだ→何だ、丁度→ちょうど、向い→向かい、佗(ルビ=わ)びしかった→侘しかった、唯→ただ
35 谿間→谷間、赭(ルビ=あか)ちゃけた→赤ちゃけた、上がらせた、更に→さらに、弛(ルビ=ゆる)め→ゆるめ、⁂(アステリズム文字)→***
36 と云った風→といった風、生れ→生まれ、隣り→隣、殆んど→殆ど、積った→積もった、寝過した→寝過ごした、醒(ルビ=さ)ま→覚ま、て見せた→てみせた
37 埋れた→埋もれた、馴れ→慣れ(漢字の統一)、可笑(ルビ=おか)しな→おかしな、嗄れて→しゃがれて
38 裡→内、居る→いる、⁂(アステリズム文字)→***
(風立ちぬ 2/143の追加情報へ続く)