■一 堀川の大殿様は、生まれつき並の人間とは違って、思い切った所がありました。とはいえ、自分の栄耀栄華ばかりを考える方ではありませんでした
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【投稿】 | TypetrekJ さん (ITA03016, 性別非公開) |
【公開日】 | 2022-12-04 19:08 (修正 2023-08-04 13:31) |
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漢字 | ひらがな | カタカナ | 英字 | 数字 | 句読点・ 記号 | 合計 | |
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文字数 | 101 | 273 | 0 | 0 | 0 | 24 | 398 |
文字含有率 | 25.4% | 68.6% | 0% | 0% | 0% | 6% | - |
【タイピング数】(登録ユーザー平均)
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【アンケート】
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【追加情報】
地獄変
芥川龍之介
――大正七年四月――
底本:「芥川龍之介全集 第一巻」岩波書店
1995(平成7)年11月8日発行
底本の親本:「鼻」春陽堂
1918(大正7)年7月8日発行
※底本には「堀川」と「堀河」が共に現れる。「堀河」は「堀川」と思われるが、表記の揺れは底本のママとした。
入力:earthian
校正:j.utiyama
1998年12月2日公開
2010年11月6日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
--------------------------
○TypetrekJ による修正点
・旧仮名遣いを新仮名遣いに修正しました。その際、角川文庫版「蜘蛛の糸・地獄変」を参考にしました。
・表記揺れ「堀河/堀川」は「堀川」に統一しました。
「夜な/\」「さま/″\」など繰り返し記号を用いた表記は、「夜な夜な」「さまざま」などと修正しました。また、「ゝ(ゞ)」は前の文字を清音化(または濁音化)して繰り返すよう修正しました
・「云ふ」について、実際に人が話をする場合には「言う」、「(~と)云ふ」などと用いられている場合には「(~と)いう」に修正しました。
・接頭語の「御」については、基本的にひらがなに修正し、御意(ぎょい)など熟語に近い語はそのままとしました。
1 為(ルビ=な)さいました→なさいました、固(ルビ=もと)より→もとより、兎に角→とにかく、生れつき→生まれつき、御思召(おおぼしめし)→御思し召し
2 難有→有り難、現われる→現れる、合せて→合わせて、何時→いつ、随分→ずいぶん
3 一々→いちいち、て置く→ておく、凄じい→すさまじい、画師→絵師(用語の統一)、御側→おそば、流石→さすが、出遇った→出あった
4 五十の阪→五十の坂、揉烏帽子(ルビ=もみえぼし)→揉み烏帽子、立居振舞(ルビ=たちいふるまい)→立ち居振る舞い、諢名(ルビ=あだな)→渾名、彼これ→かれこれ、丁字染→丁字染め、起させた→起こさせた、尤も→もっとも
5 上っ(て)→上がっ(て)、生れつき→生まれつき、悧巧→利巧、容子→ようす、外の→ほかの
6 所が→ところが、向う→向こう、仰有り→仰り、遣戸(ルビ=やりど)→遣り戸、何時→いつ、挫(ルビ=くじ)いた→くじいた、跛(ルビ=びっこ)→びっこ、抑え→おさえ、袿(ルビ=うちぎ)→うちぎ、大方→おおかた
7 御踏鳴(ルビ=おふみなら)し→御踏み鳴らし、繰返し→繰り返し、命乞(ルビ=いのちごい)→命乞い、不承無承→不承不承、仰有る→仰る、遣戸→遣り戸、枉(ルビ=ま)げて→まげて、流石→さすが
8 頻→頻り、腹立→腹立ち、懸けて→かけて、就き→つき、滅多に→めったに
9 反って→かえって、所が→ところが、御懸けになる→おかけになる、所由(ルビ=いわれ)→いわれ、袙(ルビ=あこめ)→あこめ、見やう見真似→見よう見まね、押頂き→押し頂き、起り→起こり、尤も→もっとも
10 一入(ルビ=ひとしお)→ひとしお、兎や角→とやかく、序(ルビ=ついで)→ついで、て置けば→ておけば、御側→おそば、悧巧→利巧、一先ず→ひとまず、呼(ルビ=よばわ)り→呼ばわり、反つて→かえって、相不変(ルビ=あひかはらず)→相変わらず、外の→ほかの
11 反って→かえって、取分け→とりわけ、相不変(ルビ=あいかわらず)→相変わらず、尤も→もっとも、何分→なにぶん、確に→確かに、見た所→見たところ、外に→ほかに
12 何時も→いつも、甚しい→はなはだしい、恐しい→恐ろしい、有合せ→あり合わせ、大方→おおかた、子供欺(ルビ=だま)し→子供だまし、物凄い→ものすごい
13 取分け→とりわけ、像(ルビ=かたど)り→かたどり、詰(ルビ=なじ)り→なじり、空嘯(ルビ=そらうそぶ)いて→そらうそぶいて、匆々→そうそう、少く→少なく、止って→止まって、尤も→もっとも、外の→ほかの
14 何時でも→いつでも、御云ひつけ→お言いつけ、聞えた→聞こえた、譬(ルビ=たと)へば→たとえば、似絵(ルビ=にせえ)→似せ絵、尽(ルビ=た)たない→たたない、嘆息(ためいき)→ため息、その外→そのほか
15 何時ぞや→いつぞや、引合→引き合い、諢名(ルビ=あだな)→渾名、譏(ルビ=そし)つて→そしって、と見える→とみえる
16 反って→かえって、兎角→とかく、仰有った→仰った、髪飾→髪飾り、聟→婿、それ所か→それどころか、食わせ兼ねない→食らわせかねない、量見→了見、上り→上がり、駆り集め→かり集め
17 難有→有り難、反って→かえって、暗打(ルビ=やみうち)→闇討ち、御言(ルビ=おことば)→おことば、御側→おそば、当推量(ルビ=あてずいりょう)→当て推量、確→確か、無躾(ルビ=ぶしつけ)→不躾、尤も→もっとも、何卒→なにとぞ、容子→ようす、大方→おおかた、外の→ほかの
18 兎も角→ともかく、御居で→おいで、御立に→お立ちに、聊(ルビ=いささ)か→いささか、と見え→とみえ、吐出す→吐き出す、冷やか→冷ややか
19 難有→有り難、仰有る→仰る、考えて見ます→考えてみます、冷やか→冷ややか、御召→お召し、頑(ルビ=かたくな)な→かたくなな、跡方→跡形、思召し→思し召し
20 兎も角→ともかく、浮んで→浮かんで、綴つて→つづって、外は→ほかは、煽った→あおった、随分→ずいぶん、外の→ほかの、火焔→火炎
21 一々→いちいち、珠数→数珠、逆捲く→逆巻く、虐(ルビ=さいな)まれて→さいなまれて、落葉→落ち葉、蝙蝠(ルビ=かはほり)→ルビを「こうもり」に、逆に→逆さに、鋼差(ルビ=さすまた)→さすまた、類(ルビ=たぐい)→類い
22 凄じく→すさまじく、纍(ルビ=るゐ)々と→累々と、奇羅(ルビ=きら)びやか→きらびやか、頚(ルビ=うなじ)→うなじ、輳(ルビ=)つている.責苦→責め苦、偲ばせ→しのばせ、その外→そのほか
23 為め→為、何時か→いつか、起った→起こった、画かれ→えがかれ、代り→代わり、云はゞ→言わば、申上げ→申し上げ、物凄い→ものすごい、出来映え→できばえ、生々と→生き生きと、出遇い→であい
24 群って→群がって、外は→ほかは
25 何時でも→いつでも、甚しかった→甚だしかった、合せ→合わせ、変つた→変わった、当り前→当たり前、下し→下ろし、一すぢ→ひとすじ、外(ルビ=そ)らせて→そらせて
26 所が→ところが、何時になく→いつになく、甚しい→甚だしい、流石→さすが、唯今→ただいま、己→おれ、先(ルビ=まず)→まず
27 何時になく→いつになく、尤も→もっとも、直に→すぐに、己→おれ、睡つて→眠って、睡入って→寝入って、その外→そのほか
28 語(ルビ=ことば)→言葉、云はゞ→言わば、呻(ルビ=うな)る→うなる、己→おれ、透して→透かして、浸(ルビ=にじ)ませ→にじませ、干(ルビ=かわ)いた→乾いた、疎(ルビ=まばら)な→まばらな、引張つて→引っ張って、なに→何(改行位置調整のため)
(地獄変 2/76に続く)
地獄変
芥川龍之介
――大正七年四月――
底本:「芥川龍之介全集 第一巻」岩波書店
1995(平成7)年11月8日発行
底本の親本:「鼻」春陽堂
1918(大正7)年7月8日発行
※底本には「堀川」と「堀河」が共に現れる。「堀河」は「堀川」と思われるが、表記の揺れは底本のママとした。
入力:earthian
校正:j.utiyama
1998年12月2日公開
2010年11月6日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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○TypetrekJ による修正点
・旧仮名遣いを新仮名遣いに修正しました。その際、角川文庫版「蜘蛛の糸・地獄変」を参考にしました。
・表記揺れ「堀河/堀川」は「堀川」に統一しました。
「夜な/\」「さま/″\」など繰り返し記号を用いた表記は、「夜な夜な」「さまざま」などと修正しました。また、「ゝ(ゞ)」は前の文字を清音化(または濁音化)して繰り返すよう修正しました
・「云ふ」について、実際に人が話をする場合には「言う」、「(~と)云ふ」などと用いられている場合には「(~と)いう」に修正しました。
・接頭語の「御」については、基本的にひらがなに修正し、御意(ぎょい)など熟語に近い語はそのままとしました。
1 為(ルビ=な)さいました→なさいました、固(ルビ=もと)より→もとより、兎に角→とにかく、生れつき→生まれつき、御思召(おおぼしめし)→御思し召し
2 難有→有り難、現われる→現れる、合せて→合わせて、何時→いつ、随分→ずいぶん
3 一々→いちいち、て置く→ておく、凄じい→すさまじい、画師→絵師(用語の統一)、御側→おそば、流石→さすが、出遇った→出あった
4 五十の阪→五十の坂、揉烏帽子(ルビ=もみえぼし)→揉み烏帽子、立居振舞(ルビ=たちいふるまい)→立ち居振る舞い、諢名(ルビ=あだな)→渾名、彼これ→かれこれ、丁字染→丁字染め、起させた→起こさせた、尤も→もっとも
5 上っ(て)→上がっ(て)、生れつき→生まれつき、悧巧→利巧、容子→ようす、外の→ほかの
6 所が→ところが、向う→向こう、仰有り→仰り、遣戸(ルビ=やりど)→遣り戸、何時→いつ、挫(ルビ=くじ)いた→くじいた、跛(ルビ=びっこ)→びっこ、抑え→おさえ、袿(ルビ=うちぎ)→うちぎ、大方→おおかた
7 御踏鳴(ルビ=おふみなら)し→御踏み鳴らし、繰返し→繰り返し、命乞(ルビ=いのちごい)→命乞い、不承無承→不承不承、仰有る→仰る、遣戸→遣り戸、枉(ルビ=ま)げて→まげて、流石→さすが
8 頻→頻り、腹立→腹立ち、懸けて→かけて、就き→つき、滅多に→めったに
9 反って→かえって、所が→ところが、御懸けになる→おかけになる、所由(ルビ=いわれ)→いわれ、袙(ルビ=あこめ)→あこめ、見やう見真似→見よう見まね、押頂き→押し頂き、起り→起こり、尤も→もっとも
10 一入(ルビ=ひとしお)→ひとしお、兎や角→とやかく、序(ルビ=ついで)→ついで、て置けば→ておけば、御側→おそば、悧巧→利巧、一先ず→ひとまず、呼(ルビ=よばわ)り→呼ばわり、反つて→かえって、相不変(ルビ=あひかはらず)→相変わらず、外の→ほかの
11 反って→かえって、取分け→とりわけ、相不変(ルビ=あいかわらず)→相変わらず、尤も→もっとも、何分→なにぶん、確に→確かに、見た所→見たところ、外に→ほかに
12 何時も→いつも、甚しい→はなはだしい、恐しい→恐ろしい、有合せ→あり合わせ、大方→おおかた、子供欺(ルビ=だま)し→子供だまし、物凄い→ものすごい
13 取分け→とりわけ、像(ルビ=かたど)り→かたどり、詰(ルビ=なじ)り→なじり、空嘯(ルビ=そらうそぶ)いて→そらうそぶいて、匆々→そうそう、少く→少なく、止って→止まって、尤も→もっとも、外の→ほかの
14 何時でも→いつでも、御云ひつけ→お言いつけ、聞えた→聞こえた、譬(ルビ=たと)へば→たとえば、似絵(ルビ=にせえ)→似せ絵、尽(ルビ=た)たない→たたない、嘆息(ためいき)→ため息、その外→そのほか
15 何時ぞや→いつぞや、引合→引き合い、諢名(ルビ=あだな)→渾名、譏(ルビ=そし)つて→そしって、と見える→とみえる
16 反って→かえって、兎角→とかく、仰有った→仰った、髪飾→髪飾り、聟→婿、それ所か→それどころか、食わせ兼ねない→食らわせかねない、量見→了見、上り→上がり、駆り集め→かり集め
17 難有→有り難、反って→かえって、暗打(ルビ=やみうち)→闇討ち、御言(ルビ=おことば)→おことば、御側→おそば、当推量(ルビ=あてずいりょう)→当て推量、確→確か、無躾(ルビ=ぶしつけ)→不躾、尤も→もっとも、何卒→なにとぞ、容子→ようす、大方→おおかた、外の→ほかの
18 兎も角→ともかく、御居で→おいで、御立に→お立ちに、聊(ルビ=いささ)か→いささか、と見え→とみえ、吐出す→吐き出す、冷やか→冷ややか
19 難有→有り難、仰有る→仰る、考えて見ます→考えてみます、冷やか→冷ややか、御召→お召し、頑(ルビ=かたくな)な→かたくなな、跡方→跡形、思召し→思し召し
20 兎も角→ともかく、浮んで→浮かんで、綴つて→つづって、外は→ほかは、煽った→あおった、随分→ずいぶん、外の→ほかの、火焔→火炎
21 一々→いちいち、珠数→数珠、逆捲く→逆巻く、虐(ルビ=さいな)まれて→さいなまれて、落葉→落ち葉、蝙蝠(ルビ=かはほり)→ルビを「こうもり」に、逆に→逆さに、鋼差(ルビ=さすまた)→さすまた、類(ルビ=たぐい)→類い
22 凄じく→すさまじく、纍(ルビ=るゐ)々と→累々と、奇羅(ルビ=きら)びやか→きらびやか、頚(ルビ=うなじ)→うなじ、輳(ルビ=)つている.責苦→責め苦、偲ばせ→しのばせ、その外→そのほか
23 為め→為、何時か→いつか、起った→起こった、画かれ→えがかれ、代り→代わり、云はゞ→言わば、申上げ→申し上げ、物凄い→ものすごい、出来映え→できばえ、生々と→生き生きと、出遇い→であい
24 群って→群がって、外は→ほかは
25 何時でも→いつでも、甚しかった→甚だしかった、合せ→合わせ、変つた→変わった、当り前→当たり前、下し→下ろし、一すぢ→ひとすじ、外(ルビ=そ)らせて→そらせて
26 所が→ところが、何時になく→いつになく、甚しい→甚だしい、流石→さすが、唯今→ただいま、己→おれ、先(ルビ=まず)→まず
27 何時になく→いつになく、尤も→もっとも、直に→すぐに、己→おれ、睡つて→眠って、睡入って→寝入って、その外→そのほか
28 語(ルビ=ことば)→言葉、云はゞ→言わば、呻(ルビ=うな)る→うなる、己→おれ、透して→透かして、浸(ルビ=にじ)ませ→にじませ、干(ルビ=かわ)いた→乾いた、疎(ルビ=まばら)な→まばらな、引張つて→引っ張って、なに→何(改行位置調整のため)
(地獄変 2/76に続く)