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文字数
393

10年余り前、私は講演を行うため岐阜県大垣町へ滞在した。その際、普通の旅館を避けて素封家の別荘に宿泊したが、そこで耳にした悲惨な出来事のてん末を話そうと思う
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【アンケート評価】面白さ=4.00 難易度=3.00
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【入力文コード】 IA03631
【投稿】TypetrekJ さん (ITA03016, 性別非公開)
【公開日】2023-08-07 09:54   (修正 2024-01-13 10:02)

【文字含有率】 (※改行 は文字数には含まれません)

 漢字ひらがなカタカナ英字数字句読点・ 記号合計
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【追加情報】 

疑惑
芥川龍之介
(大正八年六月)

底本:「芥川龍之介全集3」ちくま文庫、筑摩書房
   1986(昭和61)年12月1日第1刷発行
   1996(平成8)年4月1日第8刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
   1971(昭和46)年3月~1971(昭和46)年11月
入力:j.utiyama
校正:かとうかおり
1998年12月8日公開
2004年3月7日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

〇TypetrekJ による修正点
・丁寧語の「御」は→「お/ご」に置き換えました。

1 と云う→という、難有《ありがた》迷惑→ありがた迷惑、予《あらかじ》め→あらかじめ、附随→付随、旨→むね、て置いた→ておいた、幸《さいわい》→幸い、夙《つと》に→つとに、と見えて→とみえて、向う→向こう、取計らわれた→取り計らわれた、請待《せいだい》→招待(請待は「しょうたい」とも読み同義の言葉、我儘《わがまま》→わがまま)
2 一区劃→一区画、日当り→日当たり、寂び→寂、落着き→落ち着き、落す→落とす、明《あきらか》に→明らかに、暮す→暮らす、度々→たびたび、殊に→ことに、憾《うらみ》→うらみ、大抵→たいてい、燈《とも》る→灯る、照される→照らされる
3 後《うしろ》→後ろ、威《い》かつく→いかつく、炷《た》き→たき、匀《にお》って→匂って、罩《こも》っていた→こもっていた、起させなかった→起こさせなかった、煤《すす》けた→すすけた、天主閣《てんしゅかく》→天守閣、家根→屋根、眠→眠り
4 終ろう→終わろう、将《まさ》に→まさに、て置いた→ておいた、静に→静かに、明いた→あいた、端書→はがき、坐って→座って、具えて→そなえて、言《ことば》→言葉、両肱《りょうひじ》→両肘
5 殊に→ことに、折入って→折り入って、顧ず→顧みず、紋附→紋付、恢復→回復、落着いて→落ち着いて、品の好い→品のよい、咄嗟→とっさ、外《そ》らさない→そらさない、上《あが》りまして→上がりまして、始めて→初めて、刺戟《しげき》→刺激
6 勿論→もちろん、居ります→おります、取次がない→取り次がない、相不変《あいかわらず》→あいかわらず、呑みこめた→のみこめた、共に→ともに、腹立しかった→腹立たしかった
7 仰有《おっしゃ》る→仰る、善い→よい、落し→落とし、唯今→ただ今
8 成程《なるほど》→なるほど、勿論→もちろん、と見えて→とみえて、己惚《うぬぼ》れる→うぬぼれる、怯《お》ず怯《お》ず→おずおず、歎願《たんがん》→嘆願
9 て見ると→てみると、向う→向こう、偸《ぬす》み→盗み
10 容子《ようす》→様子、分れて→分かれて、居(った)→お(った)、唯→ただ、月給取→月給取り、暮し→暮らし
11 易い→やすい、代り→代わり、生れつき→生まれつき、花々しい→華々しい
12 て見ますと→てみますと、居りました→おりました、同前→同然、落した→落とした、響→響き、無我無中→無我夢中、這い出して→はい出して
13 上って→上がって、向う→向こう、居(った)→お(った)、凶《わる》い→悪い、引張り→引っ張り、起そう→起こそう、擡《もた》げ→もたげ、這い出す→はい出す、向って→向かって
14 向う→向こう、居ります→おります、一なだれ→ひとなだれ、疎《まば》らに→まばらに、獅噛《しが》みつき→しばみつき、徒《いたずら》に→いたずらに、火粉《ひのこ》→火の粉(表記の統一)、舞い上り→舞い上がり
15 居ります→おります、己《おれ》→おれ、繰返し→繰り返し
16 手当り→手当たり、独り→ひとり、危い→危うい、一しょ→いっしょ、一ひしぎ→ひとひしぎ、打ち下し→打ち下ろし
17 坐って→座って、押寄せた→押し寄せた、成程《なるほど》→なるほど、起らなかった→起こらなかった、悸《おび》えた→おびえた、徐《おもむろ》に→おもむろ、落した→落とした、起らなかった→起こらなかった
18 一層→いっそう
19 起って→起こって、て見(る)→てみ(る)、人並→人並み、憐む→憐れむ、呑み→のみ、唯→ただ、所が→ところが
20 て見ますと→てみますと、勿論→もちろん、曰く→いわく、達《た》っての→たっての、謂《い》われ→いわれ、箒星《ほうきぼし》→ほうき星、纏わって→まつわって
21 て見ましょう→てみましょう、恥しい→恥ずかしい、倚《よ》り懸《かか》り→寄りかかり、度々→たびたび、変(り)→変わ(り)、落して→落として
22 向う→向こう、て見ますと→てみますと、居りました→おりました、蟠《わだかま》って→わだかまって、二月《ふたつき》→ふた月、一しょ→いっしょ、始った→始まった、石版刷→石版刷り、廿→二十
23 て見ました→てみました、一々→いちいち、居ります→おります、薄明り→薄明かり、慌《あわただ》しく→慌ただしく、過《あやま》った→あやまった
24 向う→向こう、見廻し→見回し、居ります→おります、用捨《ようしゃ》なく→容赦なく、蕩漾《とうよう》→動揺(入力できないため、類音の類義語に置き換え)、濛々《もうもう》と→もうもうと、巻き上って→巻き上がって、撥《はじ》いた→はじいた、危く→危うく、落そう→落とそう、悸《おび》え→おびえ、明《あかる》く→明るく、匀《におい》→匂い、横《よこた》わった→横たわった、危く→危うく、一層→いっそう
25 吊《つり》ランプ→つりランプ、夕暗→夕闇、燐寸殻《マッチがら》→マッチ殻、勿論→もちろん、幽鬱→憂鬱、脅《おびやか》した→脅かした、蟠《わだかま》って→わだかまって、虐《さいな》む→苛む、果して→果たして、已《や》むを→やむを、始から→初めから、一層→いっそう
26 詰《つめ》る→詰める、御話しなければ→お話ししなければ、居った→おった、恐しい→恐ろしい、鮮《あざやか》に→鮮やかに、忌《いま》わしい→忌まわしい、………→(三点リーダーを2文字に)、その度に→そのたびに、当る→当たる
27 起って→起こって、居られません→いられません、て居た頃→ていた頃、居ります→おります、幽鬱→憂鬱、変って→変わって、卓子《テエブル》→テーブル、揚げなかった→あげなかった、所が→ところが、他曖《たわい》もない→他愛もない、交して→交わして
28 幸《さいわい》→幸い、て見ますと→てみますと、居りました→おりました、独り→ひとり、噤《つぐ》んだ→つぐんだ、下敷→下敷き、始って→始まって、止る→止まる、変って→変わって、集って→集まって、一旦→いったん、碌に→ろくに、俄《にわか》に→にわかに

(疑惑 2/33 に続く)