藪の中 (芥川龍之介) 15分割 | 入力文の数= 15 |
黒澤明のベネチア映画祭金獅子賞作品「羅生門」の原作としても有名なミステリー。盗賊はびこる平安時代、京都郊外の藪の中に男の死骸が遺棄されていた
- IA00242 (2019-06-07 評価=4.00)
■検非違使に問われたる木こりの物語■ 死骸の第一発見者、木こりの証言。誰の証言を信じればよいのか? 多角的に構成された緻密な物語の始まりです - IA00243 (2019-06-07 評価=3.75)
■検非違使(けびいし)に問われたる旅法師の物語■ 死骸の男には昨日遇っております。男は刀と弓矢を携え、馬に乗った女を連れて、関山の方に向かっていました - IA00244 (2019-06-07 評価=3.66)
■検非違使に問われたる放免(下級官吏)の物語■ 私がからめ取った多襄丸は名高い盗人です。携えていた馬、弓矢から考えても犯人に違いありません - IA00245 (2019-06-07 評価=4.00)
■検非違使に問われたる媼(おうな=老女)の物語■ 死骸は19歳の娘、真砂の夫で金沢武弘という若狭の侍です。昨日一緒に若狭に旅立ったのですが、娘の行方が分からず心配です - IA00246 (2019-06-08 評価=4.00)
■多襄丸の白状■ 男を殺したのは私です。しかし女は殺していません。昨日夫婦に出会った時、女が女菩薩のように美しく見えたので、奪おうと決心したのです - IA00247 (2019-06-08 評価=4.33)
私は男に掘り出した古い鏡や太刀を安く売りたいと嘘をつき、男を藪の中へ誘い込みました。不意をうち男を組み伏せると、木にくくりつけました - IA00248 (2019-06-08 評価=4.33)
今度は男が急病になったと、女をだまして藪の中に誘い込みました。女は気性が烈しく小刀で向かってきましたが、打ち落とし、女を手に入れる事ができました - IA00249 (2019-06-08 評価=4.33)
私は女を妻にしたいと思いました。女は男を殺さなければこの場所を去るまいと覚悟しました。私は男の縄を解き、太刀打ち二十三合目で男を殺したのです(快活なる微笑) - IA00250 (2019-06-10 評価=4.00)
しかし太刀打ちの間に女は逃げてしまいました。私は太刀や弓矢、馬を奪いましたが、太刀はもう手放しました。極刑は覚悟しています(昂然たる態度) - IA00833 (2020-05-20 評価=4.00)
■清水寺に来れる女の懺悔■ 私は男に奪われた後、夫の眼の中に私をさげすんだ冷たい光を感じました。男に蹴られて私は気を失いました - IA00834 (2020-05-20 評価=4.00)
私が目を覚ますと男はいなくなっており、夫は憎しみの眼で私を見ていました。私は「私の恥を御覧になりましたね。私も死ぬ覚悟ですから、あなたも死んで下さい」と言いました - IA00835 (2020-05-20 評価=4.33)
夫は私をさげすんだまま「殺せ」と言ったので、私は夫に小刀を刺し通しました。私は夫の死骸の縄を解き捨て、自分も死のうとしましたが、死にきれませんでした - IA00836 (2020-05-20 評価=4.00)
■巫女の口を借りたる死霊の物語■ 妻は盗人に「妻になれ」と言われて、うっとりと顔をもたげ、どこにでもつれ行ってください、と答えたのだ - IA00837 (2020-05-20 評価=4.00)
妻はさらに、おれを指さし「あの人を殺してください」と叫んだ。盗人さえ驚いておれに「女をどうする?」と尋ねたほどだ。そのすきに妻は藪の中に逃げてしまった - IA00838 (2020-05-20 評価=4.00)
盗人は太刀や弓矢を取り、おれの縄を切ってから去った。縄を解くと、おれの前に妻の小刀が光っていたが……。文学史に残る、人間の矛盾を描いた傑作「藪の中」完結!