杜子春 (芥川龍之介) 16分割 | 入力文の数= 16 |
昔は金持ちだった杜子春(とししゅん)。寝る所がなく困っている所に現れた、片目の老人…、唐時代の伝奇小説を下敷きに執筆された恐怖の短編小説
- IA00286 (2019-06-09 評価=3.83)
■一■ 唐の都、洛陽(らくよう)でぼんやり空を仰いでいる杜子春(とししゅん)。財産をつかい尽くして寝る所もない。いっそ川へでも身を投げようか… - IA00289 (2019-06-09 評価=4.20)
杜子春は一年二年と経つ内に一文無しなってしまいました。再度洛陽の門で老人から黄金の場所を聞き、大金持ちになりましたが、また三年でなくなってしまいました - IA00290 (2019-06-10 評価=4.33)
■三■ 再度門の下で片目の老人に会いました。黄金の場所を教えようとする老人に、杜子春は「人間に愛想が尽きた」と話します - IA00291 (2019-06-10 評価=4.33)
杜子春が老人に弟子になって、仙術の修行をしたいと申し出ると、老人は自分を峨眉山(がびさん)に住む仙人だと明かし、快く願いを容れてくれました - IA00293 (2019-06-10 評価=4.33)
■四■ 峨眉山に来ると、仙人は杜子春を絶壁の下に座らせ、魔性が現れるだろうが、戻ってくるまで決して声を出すな、と言い残して天上に行ってしまいました - IA00294 (2019-06-11 評価=4.33)
岩の上から爛々と眼を光らせた虎が、後ろの絶壁からは巨大な白蛇が現れました。杜子春が黙っていると、両方が一時に杜子春に飛びかかりましたが、消え失せました - IA00295 (2019-06-11 評価=4.33)
黒雲がわいて稲妻が鳴り、まっ赤な火柱が杜子春の頭へ落ちかかりました。黙っていると、身の丈三丈の大きな神将が現れ、命が惜しかったら返事をしろと迫りました - IA00296 (2019-06-11 評価=4.33)
杜子春が返事をしないでいると、無数の神兵が現れおどしました。それでも黙っていると神将は三叉の戟を閃かせ、杜子春を突き殺しました - IA00297 (2019-06-11 評価=4.33)
■五■ 杜子春の魂は地獄へ下りて行きました。閻魔大王がなぜ峨眉山の上に座っていたか尋ねました。黙っていると、地獄の呵責に遇わせるぞ、とおどしました