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疑惑 (江戸川乱歩) 33分割入力文の数= 33 <<  1  2   >>

酒癖の悪い父親が庭で頭を殴られて死んでいた。疑心暗鬼に陥る家族四人。江戸川乱歩が30歳の時に発表した、会話体で進行する傑作心理ミステリー作品

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  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    458
    IA00565 (2020-01-15 評価=4.16)

    ■その翌日■ 酒癖の悪い父親が庭で頭を殴られて死んでいた。その家族に降りかかる疑惑の影。江戸川乱歩が30歳の時に発表した、会話体で進行する傑作心理ミステリー作品
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    513
    IA00566 (2020-01-15 評価=3.75)

    殺された父親は酒癖も悪く、母親や子供達を苦しめていた。だから、おれは父親の死を悲しむことが出来ない

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    523
    IA00567 (2020-01-15 評価=4.00)

    二十余年の間、父親の暴虐を堪え忍んで来たかと思うと涙がこぼれる。一家の者が路頭に迷わず、先祖からの屋敷に住んでいられるのは、みんな母親の力だ
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    441
    IA00568 (2020-01-15 評価=3.33)

    三十近い兄貴は、会社で通訳係をやっているが、親父の為に縁談もまとまらない。だが母親を見捨てる気にはなれないそうで、親父ととっ組みあったりするのも無理はない

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    529
    IA00569 (2020-01-16 評価=3.66)

    親父が発見されたのは、昨日の朝五時頃だった。一番早く目を覚ました妹が親父がいないことに気づいた
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    597
    IA00570 (2020-01-16 評価=4.00)

    警察の話によると、父親は夜中に庭へ出て、大きな切石の上に腰かけて涼んでいるところを、夜一時ごろ後ろから余り鋭くない刃物でなぐられたらしい

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    763
    IA00571 (2020-01-16 評価=3.50)

    ある小料理屋で、親父になぐられて怪我をした男が怪しいように思うが、状況から外部からはいったとも考えにくい。とは言え、内部の者の犯行とは思いたくない
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    515
    IA00572 (2020-01-16 評価=3.50)

    ■五日後■ おれは、兄貴が犯人ではないか、という疑いに悩まされている。だが、次から次へと反証が現れてくるのだ

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    777
    IA00573 (2020-01-17 評価=3.50)

    あの朝、おれは親父の死がいのそばで、クチャクチャに丸めた麻のハンカチを拾っていた。状況から考えて兄貴のものに違いない
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    669
    IA00574 (2020-01-17 評価=3.50)

    あの夜、兄貴が寝ていた二階から階段を下りる音を聞いた。しかも、親父の死骸を見た時、手に持っていた帯を靴ぬぎ石の上へ落とし、何かと一緒に大急ぎで拾い上げたのだ

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    608
    IA00575 (2020-01-17 評価=3.50)

    その後の兄貴のそぶりを考え合わせると、疑ってしまう。家族も彼を疑っており、家の中には何だかえたいの知れない、不愉快な、薄気味の悪い、一種の空気が漂っている
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    356
    IA00576 (2020-01-17 評価=5.00)

    兄貴には、親父を殺すだけの理由がある。兄貴は親父に苦しめられており、親父をにくんでいたのだ

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    584
    IA00577 (2020-01-18 評価=4.00)

    ■十日後■ まだ解決には至らない。四人の者が一つ家にいて、口もきかないで、にらみあい疑っている。その内のだれか一人が、人殺しなのだ
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    657
    IA00578 (2020-01-18 評価=5.00)

    おればかりか、兄貴も妹もみんな警察の尾行がついている。家中が疑われていると同時に、お互いが疑いあっているのだ

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    642
    IA00579 (2020-01-18 評価=5.00)

    兄貴が帯で隠したのは、母親の櫛らしい。兄貴はそのせいで母親を疑っているようだ。それに気づいてから、おれも母親の一挙一動に注意する様になった。
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    560
    IA00580 (2020-01-18 評価=4.00)

    近頃では、世の中が、何かこう、まるで違った物に見える。母親は母親で、また、たれかを疑っており、まるで、いたちごっこだ。

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    609
    IA00581 (2020-01-19 評価=4.00)

    母親は小さなほこらの後ろの妹を凝視していた。おれは直覚的にすべての秘密がほこらにあり、それを妹が握っているのではないか、と感じた
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    536
    IA00582 (2020-01-19 評価=4.00)

    おれはほこらの後ろを調べたいのだが、妹と母親の目が光っている。ようやく目をのがれて庭へ出てみると、兄貴が見ているという風で、どうしても機会がない

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    655
    IA00583 (2020-01-19 評価=5.00)

    ■十一日目■ 昨晩、おれは二階の自分の部屋の窓から屋根を伝って、庭へ降りた。ほこらのうしろを掘ると、こってりと黒い血の塊がねばりついた、自分の家の斧が出て来た
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    707
    IA00584 (2020-01-19 評価=5.00)

    斧は元通り土に埋め、屋根伝いに部屋に戻ったが、犯人は分からない。母親や兄貴や妹が、犯人であるかのような幻が目先に現れて、夜も寝られない