思春期の少女の揺れ動く心理と自意識をモノローグ形式で描く太宰治の代表作の一つ。他者や社会との関わりに悩む少女の一日を描いた異色作
- IA00983 (2020-07-28 評価=3.50)
永井荷風の小説「墨東(濹東)綺譚」を読み返してみる。ちょっと古くたよりない感じがするが、責任感のある作者なのか、寂しさのある動かない強さがあり、私は好きだ - IA00984 (2020-07-28 評価=4.00)
お風呂がわいてお風呂にひたる。自分のからだのほの白さがぼんやり感じられ、肉体が自分の気持ちと関係なく、成長して行くことに困惑する - IA00985 (2020-07-28 評価=3.50)
庭の向こうで子供に泣き声で呼ばれている「おねえちゃん」を羨ましく思う。もし私を慕って甘える弟があったら、生きることにずいぶん張り合いも出てくるだろう - IA00986 (2020-07-28 評価=4.00)
黙って星を仰いでいると、お父さんを思い出す。あれから一年、二年経って、だんだんいけない娘になってしまった。ひとりきりの秘密を、たくさん持つようになった - IA00987 (2020-07-29 評価=3.50)
昨日花屋で買った百合の花からいいにおいがする。百合のにおいはソロモンの栄華以上だ。去年の夏に行った山形の山で、崖に百合が咲き乱れていたのを思い出す - IA00988 (2020-07-29 評価=4.00)
そのとき、近くにいあわせた見知らぬ坑夫が崖によじ登って、いっぱい百合の花を私に折ってきてくれた。百合を見るとその坑夫を思い出す - IA00990 (2020-07-29 評価=3.50)
お母さんが、お風呂の後肩をもんでくれたら映画『裸足の少女』を見に行ってもよい、と言ってくれた。私は嬉しくてたまらず、自然に笑ってしまった - IA00991 (2020-07-30 評価=3.50)
お母さんの肩をもんでいると、その疲れが私のからだに伝わって来るようだ。今井田が来ていた時に、こっそりお母さんを恨んだことを恥ずかしく思う - IA00992 (2020-07-30 評価=3.50)
お母さんだって、やっぱり同じ弱い女なのだ。気持ちを理解しお母さん中心の日を作れるようにしたい。心ではそう思うけれど、言葉に出る私は、わがままな子供だ - IA00993 (2020-07-30 評価=3.00)
昔の女は、奴隷とか人形とか言われているけれど、女らしさがあって、忍従を爽やかにさばき自己犠牲の美しさも知っていた。アンマ中には私は思っていることが言えた - IA00994 (2020-07-30 評価=3.50)
アンマの後、お母さんに「クオレ(青少年向けの小説)」を読んであげたら安心した顔をした。でも、先日私が「昼顔(主婦の不倫がテーマの小説)」を読んでいたら暗い顔をしていた - IA00995 (2020-07-30 評価=3.50)
声を出して本を読むのは、目で読むのと感じが違う。閉口の形だ。お母さんは疲れて先におやすみ。そのあと私は風呂場でお洗濯 - IA00996 (2020-07-31 評価=4.00)
世界中で私と同じとしの娘が洗濯をしながら、お月様に笑いかけているに違いない。大人になるまでの私たちの厭な期間をどうやって暮らせばよいだろう - IA00997 (2020-07-31 評価=3.50)
(厭な期間は)ほっておくよりしようのない、ハシカにかかっているような期間なのかもしれない。苦しみに堪えているのに、世の中からは教訓を繰り返されるだけ