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桜の森の満開の下 (坂口安吾) 47分割入力文の数= 47 <<  1  2  3   >>

峠には人を狂わす桜の森があった。ある日、山に住む山賊は、旅人を殺し美しい女を手に入れた…。男と残酷な女が織りなす妖しい幻想世界を描く名作

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  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    364
    IA01726 (2021-03-20 評価=4.00)

    大昔、桜の花の下は怖ろしく、誰も絶景だなどとは思いませんでした。能にも桜にまつわる人さらいの話があり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖ろしいばかりです
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    338
    IA01727 (2021-03-20 評価=4.00)

    昔、鈴鹿峠(三重県と滋賀県の境)は桜の森の花の下を通らなければならない道になっていました。花の季節、旅人は気が変になって友達をすてて走り、仲が悪くなります

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    365
    IA01728 (2021-03-20 評価=4.00)

    桜の森を人が通らなくなり、街道を外れて何年か後、この山に情け容赦なく人の着物をはぎ、命を断つ山賊が住み始めました。この男も気が変になる桜の森の花が嫌いでした
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    367
    IA01729 (2021-03-20 評価=4.00)

    山賊は桜の森でなぜ気違いになるのか、花がさいたら考えようと思いながら、十何年たちました。そのうち、男は街道の旅人を殺し、連れの女を八人目の女房としてさらいました

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    334
    IA01730 (2021-03-21 評価=5.00)

    男を殺す気はなかったのですが、女が美しすぎたので、男を斬りすててしまいました。男が女に俺の女房だと言うと、女はうなずき、歩けないからオブっておくれと言います
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    322
    IA01731 (2021-03-21 評価=4.00)

    山賊は女を軽々と背負って歩きました。男は苦しくても好機嫌でしたが、一度下へ降りてかわいい顔を拝ましてほしいと思いました。が、女は「厭よ」と首っ玉にしがみつきました

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    353
    IA01732 (2021-03-21 評価=4.00)

    女は「お前のうちまで急いでおくれ。舌を噛んで死んでしまうよ」と言いました。山賊は、周囲の山はみんな俺のものなんだ、と自慢しようとしましたが、女は取りあいません
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    358
    IA01733 (2021-03-21 評価=4.00)

    「もっと急げないのか」「この坂道は難所だ」「見かけによらない意気地なし。甲斐性なしの女房になってしまった」「何を馬鹿な」など、二人の会話は続きました

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    342
    IA01734 (2021-03-22 評価=4.00)

    山賊が、疲れてわが家へ辿りつくと、七人の女房たちが迎えに出てきました。女が七人の汚さに驚いたので、男は困って「俺の昔の女房なんだ」と答えました
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    361
    IA01735 (2021-03-22 評価=5.00)

    女は男の女房の一人を指して「斬り殺しておくれ」と叫びました。男は嫌がりましたが女が反論し、男は仕方なく女を斬り倒しました。女はさらにもう一人を殺させました

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    389
    IA01736 (2021-03-22 評価=4.00)

    女は残りの逃げ回る女たちも、殺すように指示したので、男は駆け狂い血刀をふるいました。しかし女は、最後に残った醜いビッコの女だけ、女中にすると言って、助けました
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    380
    IA01737 (2021-03-22 評価=5.00)

    男はふと静寂に気づき、とびたつような怖ろしさがこみあげました。彼はこの胸の不安の波立ちを、桜の森の満開の下を通る時に似ていると思いました

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    423
    IA01738 (2021-03-23 評価=3.00)

    今年、桜の花が咲いたら、花の下へ歩きこみ、花ざかりの林のまんなかで、思いきって地べたに座ってやろう、そのとき、この女もつれて行こうか、と彼はふと考えました
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    436
    IA01739 (2021-03-23 評価=5.00)

    ★ 女は大変なわがまま者でした。どんな御馳走にも不服を言いました。「せめて都に劣らぬ物が食べられないものかね。都の風をせきとめられた私のせつなさがわからないのか」

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    386
    IA01740 (2021-03-23 評価=4.00)

    しかし、男は都からの旅人を殺すだけで、都は豪華な所持品を巻き上げられる人々のいる所、と思っていただけでした。女の怨みの道理はのみこめませんでした
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    399
    IA01741 (2021-03-23 評価=4.00)

    女は装飾品を大事にし、身の回りを清潔にさせ、何枚かの着物と紐に飾り物を付けたし、一つの姿を完成させるのです。男は目を見はり、嘆声をもらし、納得させられました

  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    354
    IA01742 (2021-03-24 評価=3.00)

    男は山の木を切りだして椅子と肘掛けを作りました。女は天気の日に外へ出して物思いにふけるような、なやましい姿を見せ、彼はそれを嘆賞するのでした
  • ファンタジー
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    351
    IA01743 (2021-03-24 評価=4.00)

    男が女の魔術の力になりたいと思い、黒髪に手を触れようとすると、女は男を払いのけて叱り、男は子供のように手を引きます。彼は模様のある櫛や髪飾りもいじり回しました

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    372
    IA01744 (2021-03-24 評価=4.00)

    男に都を怖れる恐怖、都を知らない羞恥と不安が生まれ、都に対して敵意をもちました。しかし襲った都の旅人に手ごたえのある者がいなかった事を思い出すと、誇りやかでした
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    391
    IA01745 (2021-03-24 評価=4.00)

    女は男に都には弓を持ったサムライや、刀が折れる鎧を着たサムライがいる、本当に強い男なら、都へ連れて行けと言いました。男は自信があったので、都へ行くことにしました