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深夜の客 (大倉燁子) 39分割入力文の数= 39 <<  1  2   >>

突然沼津の富豪に呼び出された女流探偵桜井洋子。だが富豪は彼女の到着直前に殺害された。意表をつくストーリーが展開する女流ミステリー作品

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  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    405
    IA01983 (2021-07-09 評価=3.88)

    ■声 女流探偵桜井洋子は、沼津の富豪有松武雄から至急電話で呼び出され、午後4時40分の急行で東京駅を発った。車中うつらうつらしていると、通路から話し声が聞こえてきた
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    393
    IA01984 (2021-07-10 評価=4.25)

    「捕まっちゃならない、ぐずぐず言ったら俺がやっつける」等と、荒っぽいが柔らかい声だ。その後湯河原を通過した後、非常ベルで列車が停まり、飛び降りる二つの影があった

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    393
    IA01985 (2021-07-10 評価=4.50)

    乗客は総立ちになり、車内は騒然とした。だが、間もなく列車が進み始めた。車掌が客の問い合わせに「誰かの悪戯でしょう、お降りになったお客さんもいません」と話している
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    335
    IA01986 (2021-07-12 評価=4.50)

    洋子の見た二つの影は何だったのだろう? 騒ぎを好まず彼女は黙っていた。近くで「義賊の尾越千造の脱獄で、この列車に大勢刑事が張り込んでいるようだ」と話している男がいる

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    377
    IA01987 (2021-07-12 評価=4.66)

    「尾越は女のような優男で、不正蓄財した富豪の家に押し入ると、哀れな家庭にほどこすので、皆彼をかくまって逮捕が難しかったそうだ」とその自称元司法官の男は言っている
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    386
    IA01988 (2021-07-13 評価=4.33)

    予想に反し、汽車が沼津に着いても出迎えがない。洋子が仕方なくタクシーで有松邸に向かうと、松並木にさしかかった時、一台のフォード車とすれ違った

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    364
    IA01989 (2021-07-13 評価=4.33)

    洋子は車の男達が、汽車を飛び降りた二人のような気がした。そして有松邸に着いた。玄関のベルを押しても誰も出なかったが、洋子は奥で人の気配がしたのでベルを押し続けた
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    315
    IA01990 (2021-07-14 評価=4.33)

    ■青ざめた顔 名刺を出すと、ドアが大きく開いて女性が洋子を迎えた。彼女は十七八で評判の美人、有松の養女美和子だと洋子には分かったが、なぜか体を震わしている

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    345
    IA01991 (2021-07-14 評価=4.33)

    洋子が優しく声をかけると、美和子は泣き出し、短刀が心臓に刺さった状態で、机の前にうつ伏せになって死んでいた父親を発見した、と身を震わせて話した
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    348
    IA01992 (2021-07-15 評価=4.33)

    洋子が書斎へ急ぎ案内されると、荒らされた室内にピストルを握った有松が朱に染まって倒れていた。美和子は警察へまだ知らせておらず、鳴ったベルにすくんでいたという

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    352
    IA01993 (2021-07-15 評価=4.33)

    死体を発見した時、女中は買い物に行っていて、家には美和子しかいなかった。短刀に指紋がついているとなると、彼女にり嫌疑がかかるだろう。彼女は恐怖で私にすがりついた
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    369
    IA01994 (2021-07-16 評価=4.33)

    警察の検視の結果、犯行時刻の午後6~7時に家にいたのは美和子一人。女中は係官に最近の主人は誰かに狙われているかのように不機嫌で、今日はお嬢様と口論になったと語った

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    390
    IA01995 (2021-07-16 評価=4.66)

    さらに女中は被害者が「いつか美和子に殺される」と言ったとも語った。美和子は犯行時刻頃手紙を書いていたと述べたが、手紙には「「財産目当てと言われるのは嫌だ」とあった
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    377
    IA01996 (2021-07-17 評価=5.00)

    「(手紙)私の亡父は母を殺害し、入牢中に発狂して自殺した人で、私も父母に似て怒りっぽく、怒ると乱暴をします。今日は養父に盗みの濡れ衣で責められました」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    380
    IA01997 (2021-07-17 評価=4.66)

    手紙には「両親を批判されてカッとなり、一輪ざしを床に叩きつけると、逆に養父に一輪ざしで打たれ、あざだらけになりました。私は家を出ます…」とあり、美和子は連行された
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    381
    IA01998 (2021-07-18 評価=4.66)

    ■義賊の訪問 洋子は終列車で帰宅し、待っていた客との用談をすませると一時になった。考えてみると、稀にみる美貌の孤児である美和子の運命は、むごたらしいものだと思った

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    344
    IA01999 (2021-07-18 評価=4.50)

    夜はさらに更け、庭を誰かが忍び歩いているような音がした。すると覆面の男がひらりと部屋に侵入し「先生にお目にかかりたくて参りました」とベルを押そうとする洋子を制した
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    363
    IA02000 (2021-07-20 評価=4.66)

    男はテーブルに短刀と指輪、釘二三本を置いてポケットをたたき、寸鉄も帯びていない様子を示した。並々ならぬ用事があるらしいので、洋子は椅子を勧め、事情を聞く事にした

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    313
    IA02001 (2021-07-20 評価=4.66)

    覆面を取ると、沼津の松並木で擦れ違った車に乗っていた男で、色白の女のような美しい顔をしていた。男は脱獄囚の尾越千造と名乗り、「驚きになりましたか?」と言った
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    400
    IA02002 (2021-07-21 評価=4.33)

    男は「私が脱獄したのは、自分自身のためではなく、ある男の頼みを果たすためなのです。偽りのない事実をお話ししますので、ぜひ力をお貸し下さい」と洋子に言った