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途上 (谷崎潤一郎) 39分割入力文の数= 39 <<   1  2   >>

江戸川乱歩が絶賛した谷崎潤一郎の探偵小説。入力しやすい作品で、確率を積み上げ殺人を行うアイデアは、誰しも自分なら、と考えてしまうでしょう

作家や目的で選ぶ

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    417
    IA03485 (2023-05-25 評価=3.50)

    (安藤)「あなたの意見は理屈が通っています。しかし、奥様の場合、自動車でもほかの乗客より危険な状況に置かれていたことを見逃してはなりません」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    427
    IA03486 (2023-05-26 評価=3.50)

    (安藤)「あなたは筆子さんに安全だから一番前の方へ乗れと指示されましたね。ばい菌をなるべく吸わないようにするには、風上がいいし、震動も少ない、という理由で」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    450
    IA03487 (2023-05-26 評価=3.50)

    (安藤)「しかし、実際には衝突の際に怪我をする確率は、一番前の席の方が高い。さきほどのあなたの言葉と矛盾していますね。現に衝突で怪我をしたのは奥様だけでした」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    445
    IA03488 (2023-05-28 評価=3.50)

    (安藤)「ひどい衝突なら命を取られたかも知れない。あなたは偶然の危険の中へ奥様を置き、必然の危険の中へ奥様を追い込んだ。元々奥様は感冒には免疫を持っていた筈です」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    458
    IA03489 (2023-05-28 評価=3.50)

    (湯河)「妻は2回感冒にかかっていますから免疫はアテにならないと思いました。それに衝突は偶然です。偶然の必然なんて稀なことで、必然(必ず)命を失う訳ではないでしょう」
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    377
    IA03490 (2023-05-29 評価=3.50)

    (安藤)「偶然のひどい衝突の場合必ず命を取られると言えましょう。ところで偶然と必然の研究を人間の心理と結び付けると、論理が単純でなくなる事にお気付きになりませんか」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    426
    IA03491 (2023-05-29 評価=3.50)

    (安藤)「犯罪心理の事ですよ。ある人を間接な方法で死亡させるため、目に付かない必然を含む偶然の危険へ、その人を露出させる。あなたの行為と外形的に一致していませんか」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    401
    IA03492 (2023-06-01 評価=3.50)

    (湯河)「30回自動車で往復させただけで、人の命が奪えますか?」(安藤)「それだけなら無理ですが、無数の危険な偶然を積み重ねて、その焦点に人を引き入れるとどうでしょう」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    393
    IA03493 (2023-06-01 評価=4.00)

    (安藤)「一人の男が心臓の弱い妻を殺そうと考えた、とします。その男は偶然的危険を増大させるために、飲酒や喫煙の習慣を妻に付けさせて、より心臓が悪くなるように仕向けた」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    417
    IA03494 (2023-06-02 評価=3.50)

    (安藤)「彼女は愛煙家になってしまいました。さらに毎朝冷水浴をさせて心臓が悪くなるようしむけ、その上でチフス菌のいそうなものを細君に食べさせたのです」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    458
    IA03495 (2023-06-02 評価=3.50)

    (安藤)「細君には生水を飲ませ、刺身、生の牡蠣などチフス菌の多そうなものを食べさせました。彼女はパラチフスになりましたが、致死率の高いチフスにはかかりませんでした」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    384
    IA03496 (2023-06-03 評価=3.50)

    (安藤)「悪性の感冒流行は願ってもない機会でした。強い過酸化水素水のうがいで咽喉カタルにさせたほか、感冒の伯母を何度も見舞いに行かせて、感冒にかからせたのです」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    487
    IA03497 (2023-06-03 評価=4.00)

    (安藤)「その後も、免疫があるから付添人に適当だと言って、感冒で入院中の細君の実家の子供の付添人にさせたのです。結局、細君は感冒で肺炎にかかり重態になりました」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    474
    IA03498 (2023-06-04 評価=4.00)

    (安藤)「彼女は死にそうに思えましたが、助かってしまいました。そこで夫は、細君が寝る前に消す、ガスストーブを利用しようと考えました」

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    462
    IA03499 (2023-06-04 評価=3.50)

    (安藤)「寝間着の長い裾がガス栓に触れるので、夫は栓に油を差しておきました。しかしその行動を、細君と仲のよい気転の利く女中に見られてしまいました」
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    471
    IA03500 (2023-06-05 評価=4.00)

    (安藤)「細君は危うくガスで窒息しそうになりました。しかし原因は彼女の不注意のせいとされてしまいました。乗合自動車の失敗の後、彼は引っ越しを彼女に勧めました」

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    427
    IA03501 (2023-06-05 評価=3.50)

    (安藤)「そして当時水が悪く、伝染病が絶えなかった大森近くへ引っ越しすると、池を作って蚊と蠅を発生させ、チフス患者を見舞わせたのです」
  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    406
    IA03502 (2023-06-06 評価=3.50)

    「あなたに当てはまりませんか?」と安藤は言った。二人が電車通りから右に曲がると、事務所風の建物があった。

  • ミステリ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    348
    IA03503 (2023-06-06 評価=3.50)

    その建物に待っていた人物とは…?
    「途上」谷崎潤一郎作 大正9(1920)年1月