貧しい出身の青年ブドリ。たくましく生き抜き、火山局に勤めるようになった彼は、冷害をなくしたいと考えた…。宮沢賢治の描く未来派小説の傑作
- IA03533 (2023-06-17 評価=5.00)
主人はブドリに、沼ばたけで手品をするが、そのかわり今年の冬は家じゅうそばばかり食うんだぞ、と言いました。ブドリが沼ばたけに来ると、水の上に石油が浮かんでいます - IA03534 (2023-06-17 評価=4.00)
主人は石油で病気を蒸し殺してみるところだ、と言いました。その時水下の沼ばたけの持ち主がやって来て「油がおれのほうに流れている」と抗議しました - IA03535 (2023-06-18 評価=4.00)
となりの男が自分の水口に泥を積みあげた数日後、主人は蕎麦をまくから、ブドリにとなりの水口をこわせと命じました。ブドリがこわすと、となりの男がやって来ました - IA03536 (2023-06-18 評価=4.00)
主人が「おれの沼ばたけのオリザは、四日間石油をかぶせても枯れてない。石油はこやしじゃないが、石油は油だからね」と言うと男はきげんを直しました - IA03537 (2023-06-19 評価=5.00)
そのあとオリザを刈って蕎麦をまき、その年は蕎麦ばかり食べました。翌春、主人は今年は勉強しろと言い、本を渡しました。ブドリは中でもクーボーの本が気に入りました - IA03538 (2023-06-19 評価=5.00)
その年の八月には多くの籾がなり、主人は得意の絶頂にありました。しかし、それから何年かは雨に恵まれず、主人は馬や沼ばたけの一部を売ってしのぎました - IA03539 (2023-06-20 評価=5.00)
秋の日、主人は経営状態が悪くて仕事がないので、ブドリが働き盛りを浪費しては気の毒だから、外に出て運を見つけるよう話しました。ブドリはお金と服と靴をもらって主人と別れました - IA03540 (2023-06-20 評価=5.00)
■4 クーボー大博士 ブドリはクーボー大博士に会いたいと思い、停車場で切符を買ってイーハトーブ行きの汽車に乗りました。汽車はひるすぎにイーハトーブの市に着きました - IA03541 (2023-06-21 評価=5.00)
ブドリがクーボー博士の学校に着いたのは夕方近くでした。呼んでも返事がないので大声で叫ぶと「授業中だ。用があるなら入って来い」と灰色の顔の人が二階から言いました - IA03542 (2023-06-21 評価=5.00)
ブドリが二階に上がると、さまざまの服装をした学生が大きな教室にぎっしりいて、さっきのめがねの人が説明していました。学生たちはしきりに首をかたむけています - IA03543 (2023-06-22 評価=4.00)
ブドリは先生の図を書きとりました。近くの学生に先生の名前をたずねると、クーボー大博士だと教えてくれました。夕方になり、教室に電灯がつきました - IA03544 (2023-06-22 評価=4.00)
大博士は全課を終えたと言い、学生にノートを示させて試問を行いました。彼らのノートに、合・再来・奮励などと書いていきます。最後のブドリは博士に自分の手帳を見せました - IA03545 (2023-06-24 評価=4.00)
大博士はブドリの図をほめ、工場の煙突の煙の色を問いました。ブドリが「黒、褐…」などと答えると博士は笑い、今度は煙の形を質問しました。ブドリが答えるとまた笑いました - IA03546 (2023-06-24 評価=5.00)
ブドリが仕事をみつけに来た、と話すと、大博士はおもしろい仕事がある、と名刺をくれました。それきり、大博士は窓から小型の飛行船に乗って飛んで行ってしまいました - IA03547 (2023-06-25 評価=4.00)
■5 イーとハーブ火山局 ブドリはもらった名刺の家を訪ねました。部屋に案内されると、大きなテーブルで髪の白い人のよさそうな人が、耳に受話器をあてて何か書いています - IA03548 (2023-06-25 評価=4.00)
部屋にはイーハトーブ全体の地図模型があり、その地形や町などにブドリが見とれていると電話が終わり、その人が「イーハトーブ火山局技師ペンネンナーム」の名刺を出しました - IA03549 (2023-06-26 評価=5.00)
ペンネン老技師は博士から電話があったこと、いつ噴火するかわからない火山で行う仕事であること、泊まる場所があることを伝え、翌日は機械のしかけを説明してくれました - IA03550 (2023-06-26 評価=4.00)
器械はイーハトーブ中の三百いくつの活・休火山に接続されており、火山活動の様子を知ることができます。ブドリは技師について一心に勉強し、二年ばかりで一人前になりました - IA03551 (2023-06-27 評価=5.00)
ある日サンムトリ火山が器械に反応しました。老技師は噴火が近いと判断し、山に穴をあけてガスか溶岩を出してサンムトリ市を救おう、と考えました。二人はすぐ列車に乗りました - IA03552 (2023-06-27 評価=4.00)
■6 サンムトリ火山 二人は火山の頂上近くの観測小屋に登りました。老技師は「もう十日ももたない。海に向いた緑の草地に穴をあけるため、工作隊を申請する」と言いました