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聖家族 (堀辰雄) 43分割入力文の数= 43 <<   1  2  3   >>

堀辰雄が芥川龍之介の自殺に衝撃を受けて執筆した出世作。20歳の河野扁理(へんり)は告別式で師の恋人に出会う。彼女およびその娘との繊細な心の交流を描く

作家や目的で選ぶ

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    399
    IA04032 (2024-03-11 評価=3.00)

    扁理は絹子の母の留守に家を訪ねたことがある。絹子にすすめられて客間に入ったが、二人は話すこともなく、息苦しい沈黙のなかに座っていた
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    437
    IA04033 (2024-03-11 評価=3.00)

    ■※ 愛の最初の徴候は、絹子と同様、扁理にも現れだした。扁理は九鬼と同様に傷つけられないうちに、彼女たちから遠ざかるべきと考えた。だが、そうして部屋に閉じこもると倦怠が生まれた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    390
    IA04034 (2024-03-12 評価=3.00)

    ある晩、扁理は友人たちとカジノの楽屋廊下で踊り子たちと知り合い、一人の踊り子の陽気なところにひかれた。だが、彼女は臆病で、彼を待ちぼうけさせたのだった
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    444
    IA04035 (2024-03-12 評価=5.00)

    ある日、扁理はなかなかやって来ない踊り子を待ちながら、ふと絹子のことを考えた。乱雑な生活に埋もれながら、一つの純潔な愛が表面に顔を出しはじめていた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    315
    IA04036 (2024-03-13 評価=4.00)

    絹子は扁理が遠ざかってほっとしながらも、それが彼女を苦しめた。細木夫人は、九鬼の死が遠ざかるほど平静さを求めたので、扁理が遠ざかっていくのをそのままにしていた
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    385
    IA04037 (2024-03-13 評価=4.00)

    そのうち絹子と夫人はドライブ中、扁理が小さい女と歩いているのを見かけた。その時二人は見かけた事を隠し、お互いに扁理を見かけていなければよいが…、と思って沈黙していた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    383
    IA04038 (2024-03-14 評価=4.00)

    ■※ それ以後、絹子は運動不足を理由に、よく一人で町へ散歩に出かけた。そして、頭の中で扁理と一緒にいた恋人らしい人の姿を、立派な令嬢と思いこんだ
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    338
    IA04039 (2024-03-14 評価=4.00)

    彼女は二人づれを見ると、知らず知らず扁理たちを思い出し、飾り窓に映る自分のゆがんだ顔を硝子のせいにした。ある日、彼女が散歩から帰ると、斯波(しば)という男が来ていた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    404
    IA04040 (2024-03-15 評価=4.00)

    扁理は斯波を「彼は人生において壁の花みたいな奴ですよ」とけなした事があったが、斯波は扁理について、この頃くだらない踊り子に引っかかって全く手をつけられない、と悪口を言った
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    387
    IA04041 (2024-03-15 評価=4.00)

    絹子は、彼女が踊り子なら、扁理はそんな人を愛している筈はないと思った。私は彼を愛しているのに、私が愛していないと思って遠ざかろうとしているのかもしれない、と思った

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    311
    IA04042 (2024-03-16 評価=3.00)

    ■※ ある晩、絹子の家のベルが鳴った。訪問者は扁理だったが、絹子がゆっくり客間に入っていくと、毛髪をくしゃくしゃにした扁理がちらりと彼女をにらんだ
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    271
    IA04043 (2024-03-16 評価=3.00)

    突然、扁理は「しばらく旅行して来ようと思います」と言った。

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    356
    IA04044 (2024-03-17 評価=3.00)

    夫人が「淋しくはありませんか」と尋ねたが、扁理は「さあ……」といかにも気のない返事をしたきりだった
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    399
    IA04045 (2024-03-17 評価=4.00)

    ■※ 扁理は出発した。ラファエロの描いた天使のようにきよらかな少女の顔が思い浮かぶと「ほんとうに愛しているのはこの人だろうか?」と思わせた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    436
    IA04046 (2024-03-19 評価=4.00)

    扁理はある停車場で汽車を飛び降りた。そこは何かの薬品の名を思い出させるような名前の小さな海辺の町だった。彼は街を歩き、ある小さなホテルに入った
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    412
    IA04047 (2024-03-19 評価=4.00)

    扁理はホテルを出て歩きながら、自分を苦しめているのは死の暗号ではないのか、と思い始めた。九鬼が数年前に一度やってきたこの町には、死の印がこびりついていた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    457
    IA04048 (2024-03-20 評価=3.00)

    扁理は、死んだ九鬼が自分の裏側に生きていて、いまだに自分を支配しているような気がした。海岸で一匹の小さな犬の死骸を見つけた時には、心臓が高鳴った
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    387
    IA04049 (2024-03-20 評価=5.00)

    ■※ 絹子は病気になり、扁理への愛を自白し、自分が彼の前で意地のわるい顔をしてばかりいたことを後悔した。彼は貧乏で、誘惑者に思われたくなかったかもしれないと考えた

  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    270
    IA04050 (2024-03-22 評価=3.00)

    絹子がにがにがしげな表情をしていると、母が部屋に入って来た。母は娘の表情を気にしながら、扁理から絵はがきが来たと言った
  • 青春・恋愛
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    312
    IA04051 (2024-03-22 評価=3.00)

    絵はがきには扁理の神経質な字で、海岸が気に入ったからしばらく滞在するつもりだ、と書いてあった。するとだしぬけに、絹子が扁理は死ぬつもりじゃなくって、と言った