半七捕物帳 石灯籠 (岡本綺堂) 39分割 | 入力文の数= 20 |
日本橋の小間物屋「菊村」の娘のお菊が行方不明となり、翌日母親が刺殺された。果たして娘は犯人なのか? 若い半七の推理が冴える、半七捕物帳第二篇
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■1 半七老人は私に「捕物帳」とは、町奉行所与力や同心が岡っ引きの報告を聞いて、町奉行所の書役が書き留めた帳面であることなどを説明してくれた - IA04788 (2025-08-14) NEW
半七は、与力には同心が4,5人、その下には岡っ引きが2,3人、その下に4,5人ずつ手先が付いていたが、町奉行から岡っ引きに渡される給料が安く、弊害が出ていたのだと言った - IA04789 (2025-08-15) NEW
大抵の岡っ引きは別の商売もやり、手先は岡っ引きから給料をもらっていた。半七は日本橋の木綿店の番頭のせがれだが、道楽肌で父も早く死んだため父のあとを継がなかった - IA04790 (2025-08-15) NEW
彼は家を出て、神田の岡っ引き、吉五郎の子分になった。天保12年の12月、半七は日本橋の大通りで、古い知り合いの小間物屋の番頭の菊村が蒼い顔をしているのに出会った。 - IA04791 (2025-08-16) NEW
清次郎はささやくように「きのうの昼過ぎ、浅草へお詣りに行った後、お菊さんのゆくえが知れないのです」と言った。店でも手分けして探しているが、手がかりがないという - IA04792 (2025-08-16) NEW
半七は、彼と娘はただの主従関係ではないとにらんでいたので「おまえさんが連れ出したんじゃ?」と笑って言うと、清次郎は蒼い顔で否定し、親類の家に確認に行った。半七は店に行ってみた - IA04793 (2025-08-17) NEW
菊村には女あるじのお寅、18歳の娘お菊がいる。店には大番頭重蔵、番頭清次郎と藤吉、小僧四人、仲働きお竹と女中二人がいる。半七はお寅らと話をしたが情報は得られず、いったん帰った - IA04794 (2025-08-17) NEW
翌朝、半七が再訪すると、お菊さんがゆうべ帰って来たが、すぐまた姿を隠してしまった、とお竹が話した。おかみさんも見たというが、お竹は腑に落ちない顔をしている - IA04795 (2025-08-19) NEW
■2 お竹の話。「きのうの夕方、お菊さんが家に入って来て、奥に行きました。そのうちおかみさんも彼女を見かけたと言って、探し始めましたが、お菊さんは見あたらないんです - IA04796 (2025-08-19) NEW
誰も見た者がなく、外に出た様子もないんですが、不思議なことに下駄が残っていたのです。裸足で出て行ったのでしょうか。お菊さんの服装は黄八丈の着物に藤色の頭巾でした」とお竹は話した - IA04797 (2025-08-22) NEW
おかみさんは、娘が非業の死を遂げて魂が帰ったのかと思ったが、残された下駄もあり生きているとは思った。半七はお竹に、一昨日お菊は清次郎に会ったのかと尋ねると、お竹は否定した - IA04798 (2025-08-22) NEW
半七が問い詰めると、お竹はお菊が清次郎と茶屋で会った事を白状した。ところがお竹が茶屋に戻るとお菊はおらず、家にも帰っていなかったという。先に帰っていた清次郎は何も知らなかった - IA04799 (2025-08-24) NEW
おかみさんには途中ではぐれたと伝えたが、心配だ、とお竹は言った。半七から報告を受けた親分は「主人の娘と不埒を行う番頭が怪しい」という。だが半七はそう思えず、翌日も店に行った - IA04800 (2025-08-24) NEW
店では大事件が発生したらしく、ごった返していた。お竹に尋ねると、女あるじのお寅が殺されたという。しかも下手人は娘のお菊で、お竹ら女中三人がその姿を見たという - IA04801 (2025-08-26) NEW
三日前に行方不明となった娘(お菊)は、一昨日はふらりと帰ってきたが姿を消し、夕べはおかみさんを殺して逃げた。お竹と女中二人が駆けつけた時、お菊のうしろ姿が見えたという - IA04802 (2025-08-26) NEW
お菊は前の日と同じ恰好をしており、おかみさんも虫の息で「お菊が」と言った。検視の役人が来て、匕首(あいくち)で深くえぐられたことが発見されたので、家内中の者が調べられた - IA04803 (2025-08-28) NEW
お菊と情交のあった清次郎は引き立てられた。お竹はまきぞえにならないか恐れおののいていたが、半七に瀬戸物町の源太郎という岡っ引きが来たことを話した - IA04804 (2025-08-28) NEW
半七が庭口へ回りたいと頼むと、大番頭の重蔵がお寅の血がまだ乾かない居間と、その前の手入れされた小庭を案内してくれた。重蔵は手水鉢の前の雨戸だけ細めにあけてあったと話した - IA04805 (2025-08-29) NEW
松の梢は高く、忍び返しの竹にも壊れた所はない。闖入者が松を伝って侵入したとは思えなかった。だが重蔵は、木戸には錠がかかっており、逃げたのは庭口からとしか思えないと言った - IA04806 (2025-08-29) NEW
半七は曲者を経験に富んだ奴と鑑定したが、複数の女がお菊のうしろ姿を見たという。彼はどこかに錯誤があると考えて探すと、庭の石灯籠の笠の上に小さい爪先の足跡があるのを発見した