妻の行動に不審を抱き、ホームズを訪ねた男。ホームズは得意の推理力を働かせるのだが……。当時の社会状況を反映した、心温まる社会派短編小説
- IA05303 (2026-08-02 評価=4.00)
彼(ホームズ)にも失敗談があり、なぜ真相を誤解したのかが分かることもある。その面白い一つの例をお話しよう - IA05304 (2026-08-02 評価=4.00)
ホームズは、身体を鍛える運動はしなかったが、優れた拳闘家の一人で、はげしい労働に耐えらる精力絶倫な男だった。コカインを退屈な時にのむ以外は厳格で簡素な生活ぶりだった - IA05305 (2026-08-03 評価=4.00)
早春のある日、ホームズと私(ワトソン)が散歩から帰ると、給仕の少年が「留守の間にお客さまが見え、しばらく待っていたのですが、帰ってしまいました」と言った - IA05306 (2026-08-03 評価=4.00)
ホームズは結構、と礼を言って部屋に入った。「依頼人はイライラしていたようだから、厄介な事件かもしれない。テーブルの上に置き忘れたパイプがある。琥珀と言う上等な品だ - IA05307 (2026-08-05 評価=4.00)
大切にしていたパイプを忘れるくらいだから気が転倒していたんだろう」 私がそう思う理由をたずねると、彼はパイプについて、2度も銀で修繕していると答えた - IA05308 (2026-08-05 評価=5.00)
そして「きっと来訪者は、歯が丈夫で体格が立派な左利き。身なりにかまわないが、裕福な男だろう」と続けた。私は「7シリングのパイプを使う男は裕福かい?」とたずねた - IA05309 (2026-08-06 評価=5.00)
彼は「吸ってたのは高級な煙草だし、パイプの右側がコゲてるから左利きだ。琥珀の所が噛みつぶしてあるのは歯が丈夫で体格のいい勢力家の証拠さ」と言った - IA05310 (2026-08-06 評価=4.00)
話している間に、上品な服を着て中折れ帽を手に持った背の高い若い男が入って来た。彼が椅子に座ると、ホームズは「二晩ほど寝られなかったようですね」と愛想よく言った - IA05311 (2026-08-07 評価=4.00)
男は「私は家庭内のいざこざで途方に暮れており、世界的な人物のあなたに判断していただきたいんです。ただ、内容を話すことに抵抗があって――」と口元をふるわせた - IA05312 (2026-08-07 評価=4.00)
そして「私が会ったこともない、二人の男と関係した人妻の品行の善悪について、助けてもらいたいのです」と男は言った。ホームズは「マンローさん」と名前を言い当てて男を驚かせた - IA05313 (2026-08-08 評価=4.00)
ホームズが促すと、男は話しずらそうに、ようやく説明をはじめた。「私は結婚し新居を構えて三年、幸せに暮らしています。夫婦間に思想・言葉・動作などの問題はありませんでした - IA05314 (2026-08-08 評価=4.00)
エフィは間違いなく私を愛しています。しかし、先週彼女の生活に何か秘密があることに気づきました。私はそれをほうっておくことが出来ません」 - IA05315 (2026-08-09 評価=5.00)
「最初に会った時彼女は25歳でした。若い頃米国に行って弁護士のヘブロンと結婚したものの、夫と一人息子は伝染病で死んでしまい、多額の遺産を受け取って英国のバイナーに帰ったそうです - IA05316 (2026-08-09 評価=4.00)
(男の話)帰って六ヶ月後、私たちは出会い、結婚しました。私はホップの卸商で収入も多く、ノーブリーに田舎家の別荘を持っています。そこには商売で時々行くのです - IA05317 (2026-08-10 評価=4.00)
それから、私たちが結婚した時、私は反対したのですが彼女の財産を全部私名義にしていました。ところが六週間ばかり前、100ポンドほど入用だ、と言い出したのです - IA05318 (2026-08-10 評価=4.00)
用途をたずねたら、はぐらかされてしまいましたが、私は小切手を渡しました。これが秘密が入り込んで来た最初です。そして、私の別荘から原を越えたところに離れ家があるのですが―― - IA05319 (2026-08-11 評価=4.00)
八ヶ月も空き家だったその離れ家に、先週の月曜日、その辺をブラブラしていると、空の運搬車が帰って行きました。誰かがその離れ家に引っ越して来たんです - IA05320 (2026-08-11 評価=4.00)
その時、その家の二階の窓から無気味な顔が私を見詰めているのに気づきました。どんな人かよく見ようと思いましたが、引っこんでしまいました - IA05321 (2026-08-12 評価=4.00)
その顔は青ざめた黄色でした。気になってその家を訪ねると、現れたのは不愛想な女で、私の原の向こう側の者だが何かお手伝いできれば、と言う言葉を、ぴしゃりと拒絶しました - IA05322 (2026-08-12 評価=4.00)
寝る前、妻に例の離れ家に引っ越して来た人がいることを話しましたが、彼女は返事もしないのです。そのまま夜になり、私は寝室でなかなか寝つかれないでいました


