『大人国』でのガリバーは非力な存在。可愛い乳母、賢い国王等個性ある巨人達が登場し、人の強さや優しさ・正義について考えさせてくれるでしょう
- IA01327 (2020-11-12 評価=4.00)
国王はどうして私がこの国へ来たか、その理由を知るため、毎週集まる三人の大学者に研究させました。皆意見が異なり、小さくてさぞ困るだろう、という点だけ一致しました - IA01328 (2020-11-12 評価=4.00)
彼等は私の歯を調べて肉食動物だと言ったりしました。産まれる前の子供説も出ましたが、すぐ否定されました。侏儒(こびと)とも言えない、と皆不思議がるのでした - IA01329 (2020-11-12 評価=4.00)
三人は私の存在を『自然の戯れ』だと結論付けました。故国には私と同じ背丈の人間が数多くいて、動物も植物も小さく立派に生きてゆける、と誤りを正しても皆笑うばかりでした - IA01330 (2020-11-13 評価=4.00)
しかし陛下は私の旧主人に確認し、私達の言う事が本当かもしれないと考え直しました。そして私の世話係の乳母の娘にも部屋を与え、四人の婦人を付き添わせました - IA01331 (2020-11-13 評価=4.00)
そして、王妃は指物師に寝室となるような大きな箱を作らせ、家具師に寝台を作らせ、乳母の娘が毎日日に当てました。さらに職人が椅子とテーブルを作ってくれました - IA01332 (2020-11-13 評価=4.00)
部屋は蒲団が張りつめてあり、揺れても怪我をせず、鼠などが入らないよう鍵がかかるようになっていました。王妃は服も作ってくれましたが、着心地が悪く重々しい服でした - IA01333 (2020-11-13 評価=4.00)
私は王妃に気に入られ、王妃はいつも二人の王女と一緒に王妃の食卓の左肘付近に私を置いて食事をしました。乳母の娘は腰掛けに立って私の面倒をみてくれました - IA01334 (2020-11-14 評価=4.00)
私は王妃が切った肉をもっと小さく切って食べます。王妃は12人分の料理を一口で食べ、巨大な鳥の翼を骨ごと噛み砕き、大樽以上の飲み物を一息に飲みます。恐ろしい光景です - IA01335 (2020-11-14 評価=4.00)
国王は休みの水曜日に、私も同席で家族で会食されます。私はよく故国の話をしましたが、一度いい気で喋り過ぎ、国王が私をつまみ上げて大笑いした事があります - IA01336 (2020-11-14 評価=4.00)
陛下は「虫けらの様な奴等の国でも同じ様に位・称号・戦争・喧嘩・裏切りもあるそうだ」と言いました。その頃の私は腹が立ちましたが、何でも大きいとそんな風に思うのです - IA01337 (2020-11-14 評価=4.00)
今なら、小さなイギリス貴族が気どって歩いていたら、噴き出すかもしれません。実際王妃と一緒に鏡に映ると悲しくなります。さて、私を一番悩ましたのは侏儒(こびと)です - IA01338 (2020-11-16 評価=4.00)
侏儒(こびと)は私が小さい事をばかにしていましたが、ある日私をクリームの鉢にほうりこんだのです。乳母が救い出してくれましたが、私が泳げなかったら、危ない所でした - IA01339 (2020-11-16 評価=4.00)
結局私は着物を駄目にし、侏儒は鞭打たれ、他の貴婦人に譲り渡されました。さて、巨大な蠅はとても汚くて嫌いなのですが、私が蠅を怖がると王妃は私を臆病者とからかいます - IA01340 (2020-11-16 評価=4.00)
侏儒が蠅を私の鼻先で放したりした時、私が蠅に斬りつけると、みんなに腕前をほめられました。ある朝私の箱が窓口に置かれている時、二十匹もの地蜂が飛び込んできました - IA01341 (2020-11-16 評価=3.66)
私は剣で切りまくり、四匹を仕留め、縫い針のような針を記念品にしました。さてこの国の有様ですが、この国は半島で、奥地と火山脈で区切られているため行き来できません… - IA01342 (2020-11-17 評価=4.00)
国の三方は海ですが、港はなく他国と交流はありません。魚は小さすぎるため、漁業は余り行われていません。この国は人口が多く、51の大都市と100近い町と村落があります - IA01343 (2020-11-17 評価=3.50)
ある店先で馬車を停めた時、乞食が集まって来ましたが、一人の巨大なおできの孔とシラミに驚きました。さて、王妃は私を持ち運ぶ為、旅行用の小さい箱を作らせてくれました - IA01344 (2020-11-17 評価=4.00)
この箱は正方形で、三方に格子付きの窓があり、革帯で馬車の乗り手に結びます。おかげで、私は馬車で貴婦人や大臣を訪問したり、景色を眺めたりすることができました - IA01345 (2020-11-17 評価=4.00)
■4 猿にからかわれて■ 身体が小さいために、滑稽な出来事にもあいました。私が林檎の木陰を歩いている時、侏儒が木を揺すり、酒樽ほどの林檎が背中にあたった事もあります - IA01346 (2020-11-18 評価=4.00)
庭園の芝生では、粒が1800倍もある、猛烈なアラレが降ってきて傷だらけになったこともあります。そして、この庭園で、もっと危険なことが私一人の時に起こりました