『大人国』でのガリバーは非力な存在。可愛い乳母、賢い国王等個性ある巨人達が登場し、人の強さや優しさ・正義について考えさせてくれるでしょう
- IA01347 (2020-11-18 評価=4.00)
園丁のスパニエル犬が庭園に入り込み、私をくわえて主人の所に戻ったのです。怪我はなかったものの、園丁は、口がきけない程ショックを受けた私を、乳母に届けてくれました - IA01348 (2020-11-18 評価=4.00)
乳母は私を探していた所で、園丁を叱りつけました。このように、私は一人だと、犬はおろか小鳥でさえ私を怖がらないのです。面白い半面、しゃくにさわる事でもありました - IA01349 (2020-11-18 評価=4.00)
私が一羽の紅スズメを捕らえて必死で押さえていると、そこへ来た召し使いが簡単に首をねじ切ってしまった事もあります。そんな頃、王妃が舟を漕いでみたらと尋ねました - IA01350 (2020-11-19 評価=4.00)
王妃は器用な指物師に依頼し、ヨーロッパ人なら八人乗れる大きさの遊覧ボートを私の指図で作らせました。しかし最初に国王に見せようとしたものの、水桶が狭すぎました - IA01351 (2020-11-19 評価=3.66)
王妃は、水を満たす大きな木の箱を作らせました。私が漕ぎまわると、王妃や女官たちは喜び、私も気晴らしになりました。乳母の娘は毎回ボートをかわかしてくれました - IA01352 (2020-11-19 評価=4.00)
あるとき、召し使いがうっかり水替えの際に大蛙を手桶から水箱に流し込んでしまいました。私がオールで蛙を打ちのめすと、箱の外へ逃げましたが、不快な思いをしました - IA01353 (2020-11-19 評価=4.00)
さて、乳母が私の箱を部屋において外出したある日、窓から役人の飼う猿が跳び込んで来ました。猿は私の箱が気に入ったのか、面白く珍しそうに箱をのぞき込みました - IA01354 (2020-11-20 評価=4.00)
猿は箱の戸口から片手を伸ばして、私を引きずりだし、私を赤ん坊のように抱き上げました。そこへ誰かが帰って来たので猿は逃げ、隣の大屋根によじ登ってしまいました - IA01355 (2020-11-20 評価=4.00)
宮廷は大騒ぎで、猿が私に何か食べさせようとしたので見あげる数百人は大笑い。やがて梯子をかけて数人がのぼって来ると、猿は私を瓦の上に残して、逃げてしまいました - IA01356 (2020-11-20 評価=3.66)
召し使いが私を300メートル近い高さから、ポケットに入れておろしてくれました。私は押し込まれた汚い食物と強く抱かれたせいで、身体が弱り、二週間程病床につきました - IA01357 (2020-11-20 評価=4.00)
病後、王にお礼を言いに行くと、からかわれてしまいました。私は「ヨーロッパには猿などおらず、この間の大きな猿も、怖くないから短剣を使わなかったのです」と強がりました - IA01358 (2020-11-21 評価=4.00)
ですが大きな差のある連中の中では立派に見せようと強がっても無駄です。さて、国王は私を連れて時々音楽会に行き、私は陛下のテーブルの上に椅子をおいて一緒に聞きました - IA01359 (2020-11-21 評価=4.00)
私は国王に、智恵は身体の大きさとは無関係で、ヨーロッパを軽蔑するのは国王らしくないし、私も役に立つかもしれないと言うと、国王は英国政治について説明を希望しました - IA01360 (2020-11-21 評価=4.00)
私が英国議会、裁判所、人口、宗教、歴史など説明すると、王は熱心にノートをとっていました。ある日、私は機嫌をとるつもりで、火薬(粉)の発明についての話をしまいた - IA01361 (2020-11-21 評価=4.00)
この粉が爆薬や銃に有用であり、私は作り方を知っている事、そしてもし首都が陛下の命令に背いた場合、この粉を使えば首都を全滅させることもできる、と話しました - IA01362 (2020-11-23 評価=4.00)
すると、王は「虫けらのような動物がよくそんな畜生にも等しい考えを抱けるものだ」とあきれ「そんなけがらわしい奴の秘密は知りたくない、二度と言うな」と拒絶したのです - IA01363 (2020-11-23 評価=4.00)
■5 鷲にさらわれて■ 私は、いつかは自由の身になりたい、と思っていました。国王は、私が小人の妻をめとり子供を作らせたいようでしたが、それ位なら死んだ方がましです - IA01364 (2020-11-23 評価=4.00)
この国へ来て三年目のはじめ頃、国王と王妃のお供で南の海近くの離宮に行きました。その際、私と乳母は疲れて風邪をひき、乳母は寝込んでしまいました - IA01365 (2020-11-23 評価=4.00)
私が国王に海岸に行きたいと頼むと、雑用係の少年が私を箱に入れて海岸の岩のところに連れて行ってくれました。そのうちハンモックの中で昼寝をしていると… - IA01366 (2020-11-24 評価=4.00)
雑用係の少年は岩の間へ鳥の卵でも探しに出かけたようで、私が目をさますと、誰かが箱の上の鉄の環で空高く引き上げました。窓の外は雲と空で頭上では羽ばたきの音がします