『大人国』でのガリバーは非力な存在。可愛い乳母、賢い国王等個性ある巨人達が登場し、人の強さや優しさ・正義について考えさせてくれるでしょう
- IA01307 (2020-11-07 評価=4.00)
細君は眠くなった私を自分のベッドに寝かして、白いハンカチをかけました。気づくと私は広さ60~90m、高さ60m以上の部屋に、幅が18m、高さ7mもあるベッドに寝ていました - IA01308 (2020-11-07 評価=4.50)
その時、大きなネズミが二匹ベッドに登り、私に襲いかかって来ました。私は一匹を短剣を突き刺して殺しました。もう一匹はひと太刀浴びせると、血を流して逃げて行きました - IA01309 (2020-11-08 評価=4.50)
ネズミにとどめを刺すと、その尻尾は1.8メートルもありました。間もなく細君が戻って来て驚き、女中にネズミの死骸を火箸ではさんで窓から捨てさせました - IA01310 (2020-11-08 評価=3.66)
■2 見世物にされた私■ 九歳になるこの家の娘が、赤ん坊の揺りかごを私の寝床に作り直してくれました。また、シャツや下着などをこしらえ、洗濯もしてくれました - IA01311 (2020-11-08 評価=4.00)
彼女の背は12m程で気だてもよく、私にグリルドリッグ(小人)という名を付け、言葉も教えてくれました。私も可愛い乳母(グラムダルクリッチ)と呼び、いつか恩返ししたいです - IA01312 (2020-11-08 評価=4.00)
「人間と同じ形をした不思議な動物」という私の噂は広がっていきました。主人の親友の農夫が見に来たので、私はいろいろ動いてみせて、うやうやしく挨拶しました - IA01313 (2020-11-08 評価=4.00)
この客は老人で、眼鏡をかけた姿を笑った所、ムッとしたようでした。けちんぼうの彼は、主人に隣町に定期的に立つ市で見世物をしたらいい、とすすめたのです - IA01314 (2020-11-08 評価=4.00)
九歳の娘は、私が見世物にされる事を悲しみました。彼女は、私が遠慮深く気位が高いのに、乱暴な卑しい連中のなぐさみになる事を口惜しいでしょう、と気にしてくれました - IA01315 (2020-11-08 評価=4.00)
しかし、私は自由の身になってみせる強い希望を持っていたので、それほど心配はしていませんでした。結局主人は私を箱に入れて、可愛い乳母(娘)を連れ、隣町に行ったのです - IA01316 (2020-11-08 評価=4.50)
町に着くと、主人は宿屋の亭主と相談し、チンドン屋をやとって私の事を「人間にそっくりで、言葉が話せて面白い芸当をする小人」と宣伝しました。 - IA01317 (2020-11-10 評価=4.00)
見物人の前で、私はテーブルの上を歩いたり、力一杯声を出したり、挨拶や乾杯をしたり、短剣や藁の切れ端で槍の技を披露したりしました。12回も行ってすっかり疲れました - IA01318 (2020-11-10 評価=4.00)
私の舞台のテーブルの回りは見物人の手が届かないようにしていましたが、いたずらっ子が大きな木の実を投げて危ない思いをしました。また次の市日にも見世物をするそうです - IA01319 (2020-11-10 評価=4.00)
家にも見物人が来たので、主人は街から街へつれ歩いて見世物にすることを思いつきました。主人は1703年8月17日、娘と私と家の小僧一人を連れ、首都をめざして出発しました - IA01320 (2020-11-10 評価=4.00)
毎日250km近く移動しながら、十八の大都市、村々や貴人の家に立ち寄り、見世物を行いました。10月26日にこの国の国都ローブラルグラットの宮殿の近くに宿をとりました - IA01321 (2020-11-11 評価=4.00)
主人は宣伝ビラをあちこちに貼り、大きな部屋を借りて直径100m程のテーブルを舞台に、毎日10回ずつ見世物を行いました。乳母の娘のおかげでこの国の文字も覚えました - IA01322 (2020-11-11 評価=4.50)
■3 箱の中の私■ 二三週間で私は身体の調子が悪くなり痩せ細りました。その頃私は宮廷から召し出され、私の舞台を見た立王妃や女官たちが私の物腰や態度を面白がりました - IA01323 (2020-11-11 評価=3.66)
王妃から私に宮廷居住のお誘いがあり、主人の許しが出たら、一身を捧げてお仕えしたいと答えました。私は金貨一千枚と交換され、娘は私の乳母と教師を続ける事になりました - IA01324 (2020-11-11 評価=4.00)
娘が宮廷で働く事は主人も娘も喜びました。別れの際、私の冷淡さに王妃が気づき私は言いました。「主人は見世物でもうけたので恩は返しました。私は酷使されていましたが… - IA01325 (2020-11-11 評価=3.66)
王妃陛下の保護で元気が湧いてくる気がします」と王妃に言いました。王妃は私に智恵と分別がある事に驚き、国王の部屋へ連れて行きました。国王は重々しい顔の方でした - IA01326 (2020-11-12 評価=4.00)
私は国王に短く身の上話をしました。すると王妃の手配で乳母の娘が来て、これまでの事を全て説明してくれました。国王は私の言う事が道理に合っているので驚いたようです