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十人の愛人と別れるため、すごい美人だが怪力のかつぎ屋キヌ子を利用しようと企む田島。その作戦とは? 太宰治の傑作ユーモア小説(未完の遺作)

作家や目的で選ぶ

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    投稿 TypetrekJさん
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    358
    IA01860 (2021-05-02 評価=3.83)

    ■変心(一) 告別式から相合い傘で帰る初老の文士と好男子の編集者。文士の「お前も女はそろそろ年貢のおさめ時だろう」との言葉に編集者は「全部やめるつもりだ」と顔を赤くした
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    251
    IA01861 (2021-05-03 評価=3.00)

    編集者は、雑誌オベリスク編集長の田島周二、34歳。実は闇商売の手伝いもしていて、しこたまもうけている。酒を浴びるほど飲み、愛人を10人近く養っているという噂だ

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    267
    IA01862 (2021-05-03 評価=3.00)

    かれは埼玉県に疎開中にいまの細君と再婚した。終戦になって、死んだ先妻との間の女児と細君を細君の実家にあずけ、一人東京に出て、しこたまもうけた。それから三年経つ
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    325
    IA01863 (2021-05-03 評価=4.00)

    田島は田舎から女房子供を呼び寄せよう、という里心が胸をかすめ、闇商売をやめて雑誌に専念、女も全部やめるつもりになった。文士は苦笑して「女は幾人あるんだ?」と尋ねる

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    403
    IA01864 (2021-05-04 評価=4.00)

    ■変心(二) 田島は「手をひろげすぎて…」とごまかす。「男振りがよくて金があって、若くて道徳的に優しいなら、もてるよ。だが、やめるつもりでも、先方が承知しないぜ」
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    349
    IA01865 (2021-05-04 評価=4.00)

    田島は多情のくせに女には律儀で、それ故女たちは田島を深く頼っている。文士は「女たちを皆集めて卒業証書を授与し、発狂したふりをして逃げたらどうか」などと、無茶を言う

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    391
    IA01866 (2021-05-04 評価=4.00)

    次に、文士は「すごい美人を見つけて来て、女房という事にして女たち一人一人を歴訪すれば、効果てきめんだ。みんな引き下がる」と言う。田島は少し気が動いた
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    381
    IA01867 (2021-05-05 評価=4.00)

    ■行進(一) だが、すごいほど美しい、女は伝説以外に存在するか疑わしい。田島はおしゃれで虚栄心が強いので、愛人たちも美人だが、すごいほどの美人はいない

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    381
    IA01868 (2021-05-05 評価=3.00)

    彼はダンス・ホール、喫茶店、待合(まちあい)から、美人競争の会場まで探したが、いない。夕暮れの新宿駅裏の闇市を歩いていると、出し抜けに田島さん、と悪声で呼ばれた
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    394
    IA01869 (2021-05-05 評価=4.00)

    声の主は、取り引きをした事のある闇屋(かつぎ屋)の怪力女。その時は乞食のような感じだったが、本日はほっそりしているし高雅な洋装、高貴な顔だちですごい美人だ

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    322
    IA01870 (2021-05-06 評価=4.00)

    ■行進(二) この女(永井キヌ子)のように見事に変身できる女も珍しい。声が悪く、言うこともいちいちゲスだが、彼は「君にたのみたい事があるのだが」と言ってみた
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    357
    IA01871 (2021-05-06 評価=4.00)

    キヌ子は時代劇の映画を一人で見た帰りだと言う。並んで歩くと、すれ違う人の十人に八人は振りかえってキヌ子を見る。田島はなじみのトンカツ自慢の闇の料理屋に案内した

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    337
    IA01872 (2021-05-06 評価=4.00)

    キヌ子はおなかが空いているから、と奥へ行って店自慢の料理を聞きに行くと言う。すごい美人だが、怪力、大食い。取り逃がしてはならぬが、彼の物語には興味を覚えぬ様子
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    318
    IA01873 (2021-05-07 評価=4.00)

    ■行進(三) キヌ子は「ただ会わなければいいじゃない」と言う。「相手の気持ちをきめさせるのが男の責任さ」と反論すると「またイチャつきたいだけでしょう」と失敬な事を言う

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    275
    IA01874 (2021-05-07 評価=4.00)

    田島が「ずいぶん食ったぜ。いい加減によせ」と言うと「ケチねえ。余り食べないお嬢さんは、体裁をとりつくろっているだけよ」とキヌ子は従う気はなさそうだ
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    311
    IA01875 (2021-05-07 評価=4.00)

    会話は続く。「じゃあ、いくらでも食べさせるから、頼みを聞いてくれ」「ただついて歩いていたらいいの?」「そうだ。ひと前ではものを言わず、ものを食べない事が条件だ」

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    296
    IA01876 (2021-05-07 評価=3.00)

    「お金もくれるんでしょう?」「心配するな。ぼくだって一生懸命なんだ」彼は「背水の陣」を間違える彼女にがっかりするものの、美しく気品がある。それにしても彼女はよく食べた
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    IA01877 (2021-05-08 評価=5.00)

    ■行進(四) キヌ子は午後二時以後ならひまだというので、田島は週に一度位、別離の女へ行進しようと約した。数日後、戦争未亡人の青木さんのいるデパートの美容室に向かった

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    303
    IA01878 (2021-05-08 評価=4.00)

    田島は、青木さんの生活費の補助をしており、デパートの築地の寮で、二人の仲は公認せられている。店に入り、田島は「疎開先から呼び寄せた女房を連れてきました」と挨拶した
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    262
    IA01879 (2021-05-08 評価=4.00)

    彼は妻子を疎開させている事を皆に打ちあけてある。美人の青木さんもキヌ子と並べると、かなり差があり、青木さんは泣きべそみたいな顔になり、勝敗は明らかであった