モリーオ市の職員キューストは、人々が集うという伝説のポラーノの広場を探し始める……。作者の生涯を投影した作品とも言われる宮沢賢治代表作の一つ
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地平線の上に星が浮かび、はるかなモリーオの市の街灯りの中に青白い満月が平べったくのぞいています。にわかに野原の向こうで低い音が聞こえ、ファゼーロが私の手を叩きました - IA04428 (2024-12-26) NEW
音は一つや二つではないようで、楽しそうに鳴っています。私はつめくさの花の周囲の小さい黒い蜂に気付き「蜂の音だよ、野原いっぱい蜂がいるんだ」と言いました - IA04429 (2024-12-27) NEW
ミーロが「昨夜は人の笑い声まで聞こえたんだ」と反論しました。その時西北の方角でトローンボーンかバスの音が聞こえましたが、そちらを向くと西の方でも聞こえるのです - IA04430 (2024-12-27) NEW
方角がわからないと、あかりの番号をたどって行くしかありません。番号を数えていると、足のまがった片眼のじいさんが「お前たちも行きたいのか」と笑いながら声をかけてきました - IA04431 (2024-12-28) NEW
「花の数を数えて行くようなポラーノの広場はねえが、俺は密造酒をしこたま飲んだ」とじいさんは言いました。ミーロが広場の方角を尋ねると、じいさんは答えず行ってしまいました - IA04432 (2024-12-28) NEW
ミーロが「おれ歌うからな、いのししむしゃのかぶとむし……」と歌いはじめました。ところが、じいさんの行った方から「ファゼーロ」と呼ぶ高い声が聞こえました