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堕落論 (坂口安吾) 23分割入力文の数= 23 <<  1  2   >>

「堕落論」は、太平洋戦争後の混乱の中で人間の根源的な姿(堕落)をホットに描く、坂口安吾の代表的評論。コロナ禍後の現代日本に通じる指標も得られる

作家や目的で選ぶ

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    324
    IA02024 (2021-08-01 評価=3.75)

    (第二次世界大戦が終わり)、半年のうちに世相は変わった。だが、人間が変わったわけではなく、変わったのは世相の上皮だけだ
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    350
    IA02025 (2021-08-02 評価=4.00)

    人には、美しいものを美しいまま終わらせたい心情がある。戦争中、軍人政治家は戦争未亡人に禁欲的な余生を送らせようと、文筆家に未亡人の恋愛を描く事を禁じていた

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    339
    IA02026 (2021-08-02 評価=4.00)

    実は、日本の武人や軍人は実は婦女子の心情をよく知っていて「武士道」という法則で人間の弱点に対する防壁としていた。元来、日本人は憎悪心が永続しない楽天的な国民なのだ
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    341
    IA02027 (2021-08-06 評価=4.50)

    日本人は昨日の敵と親しくしたり仕える事がある。未亡人の恋愛を描く事を禁ずるように「生きて捕虜の恥を受けるべからず」と規定しないと戦闘にかりたてる事ができないのだ

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    347
    IA02028 (2021-08-06 評価=4.33)

    少数の天才が政治に独創を発揮し、凡庸な政治家の規範となり歴史を作る。歴史は巨大な生物に成長して意志を持ち、戦争を行わせる。日本人は運命に従順な子供だったのだ
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    388
    IA02029 (2021-08-06 評価=3.50)

    武士道は歴史の独創、または嗅覚と言える。天皇制も天皇が生みだしたものではないが、日本的で独創的な政治的作品であり、天皇は常に政治的理由により担ぎだされてきた

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    365
    IA02030 (2021-08-07 評価=4.00)

    宗教家や思想家は日本では天皇家には代わり得ない。平安時代から政治家は自己の隆盛を約束する手段として絶対君主(天皇)を自分の上に置き、自分の威厳を示す手段としていた
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    326
    IA02031 (2021-08-07 評価=5.00)

    我々が靖国神社に頭を下げるのは馬鹿らしいが、他の事柄では同じ馬鹿げた事をやっている。宮本武蔵の「われ神仏をたのまず」という教訓はこの性癖への悔恨深い言葉だ

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    340
    IA02032 (2021-08-08 評価=3.50)

    日本人のような権謀術数を好む国民には権謀術数・大義名分のためにも天皇が必要で、政治家は歴史的な嗅覚で自らの現実を疑わない。秀吉も天皇を聚楽第に招いて威厳を感じた
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    358
    IA02033 (2021-08-08 評価=4.00)

    天皇制は武士道と同種で、真理ではないが歴史的には深刻な意味を持っている。さて、美しいものを美しいままに終わらせたいなどという小さな願いは 、消し去る訳にいかない

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    341
    IA02034 (2021-08-09 評価=4.50)

    敗戦で気の毒なのは戦没した英霊達だという考え方を、私は素直には肯定できない。だが老齢の将軍が極東軍事裁判で生に恋々とする様を見ると、生という奇怪な力に茫然とする
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    353
    IA02035 (2021-08-09 評価=4.50)

    戦没の英霊が気の毒なのも若くして生を終えたという意味だろうが、生とはわけの分からぬもの。戦争中、私は空襲におののきながら、狂暴な破壊に興奮して疎開せず東京にいた

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    336
    IA02036 (2021-08-10 評価=3.00)

    九州へ疎開する東京最後の友人の大井広介と別れた時は、防空壕に息をひそめる運命を甘受する気持ちでいた。生き残ることだけを確信し、その為に東京にとどまることを選んだ
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    321
    IA02037 (2021-08-10 評価=3.50)

    そのくせ私は臆病で、始めて照明弾を経験した時は恐怖でうまく声がでなかった。また、私が日本映画社の屋上で飛行機の編隊来襲を迎えた時、街からは人の姿が消えてしまった

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    344
    IA02038 (2021-08-12 評価=4.00)

    それでも平気でカメラを構えるカメラマンには驚嘆した。だが運命に従順な人間の姿は美しい。大邸宅が消え失せて上品な父娘は道端に座り、交通事故の死体は放置されていた
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    372
    IA02039 (2021-08-12 評価=4.50)

    行きかう罹災者達は死体に関心を示さず、罹災者の行進は充満と重量をもち無心だった。その中にあって、十代の娘達のさわやかな笑顔を探すのが楽しみだった

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    278
    IA02040 (2021-08-13 評価=3.50)

    偉大な破壊の下では、消火する人々と、暖をとる人々がいる。偉大な破壊と驚くべき愛情だ。それに比べれば、敗戦の表情はただの堕落に過ぎない。
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    317
    IA02041 (2021-08-13 評価=4.00)

    (赤穂浪士)四十七士は殺されることで義士となった。生きている限り義士も凡俗へ転落する。どんな規約を制定しても人間は転落する。特攻隊の勇士も闇屋から始まるのだ

  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    306
    IA02042 (2021-08-14 評価=4.50)

    人間天皇となって真実の天皇の歴史が始まるかも知れない。高齢の将軍達が切腹もせず捕らえられ、法廷で生を求めて武士道は亡びた。堕落により、人間が誕生したとも言える
  • エッセイ
    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    311
    IA02043 (2021-08-14 評価=4.00)

    松永弾正は信長に攻められて自殺した。私はハラキリは好きではないが、死に方には同感する。人間がなく、美しさだけがあるからだ。実際、戦争中は泥棒さえいなかったのだ