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ウィリアム・ウィルスン (ポー作,佐々木直次郎訳) 58分割入力文の数= 58 <<  1  2  3   >>

わがままな男ウィリアム・ウィルスン。だが一人の男だけがどうしても彼の意のままにならなかった…。抑制された文章で狂気を描くポーの傑作

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    投稿 TypetrekJさん
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    352
    IA02234 (2021-11-10 評価=3.25)

    さしあたり、私は自分をウィリアム・ウィルスンという名にしておくことにしよう
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    388
    IA02235 (2021-11-10 評価=4.00)

    人間は普通少しずつ堕落してゆくものだ。だが私の場合、小さな悪事から大またぎに大悪無道へ跳びこんだ。なぜそうなったのか話す事で、人々の同情(憐れみ)を得たいと思う

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    投稿 TypetrekJさん
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    385
    IA02236 (2021-11-12 評価=4.00)

    私は、自分がいくらかは人間の力ではどうにもできない境遇だった、と人々に信じてもらいたいのだ
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    365
    IA02237 (2021-11-12 評価=3.00)

    私は想像力に富み、たやすく興奮する気質で有名な一族の出身であり、子供の頃からわがままで手におえなかった。両親は虚弱で気も弱かったので、私の言葉は一家の法律だった

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    384
    IA02238 (2021-11-13 評価=3.00)

    私は幼児の頃からわがままで、思うようにふるまっていた。学校生活でのいちばん古い思い出は、イングランドの村にある大きな、不格好な、エリザベス時代風の建物につながる
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    450
    IA02239 (2021-11-13 評価=4.00)

    その家は古くて不規則で、広い構内の周囲には、上面の漆喰にガラスのかけらを植えつけた、高いレンガ塀が牢獄のように取り囲んでいて、週に三度しか外を見られなかった

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    434
    IA02240 (2021-11-14 評価=3.00)

    外出は土曜午後の散歩と日曜朝夕の礼拝の時だけだ。ふだん汚い着物に生徒を罰する木べらを持った牧師兼任の校長が、礼拝時は温和な顔で厳かに説教壇に立つ姿は不思議だった
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    380
    IA02241 (2021-11-14 評価=4.00)

    塀の一角には厳然と重々しい門が立っており、三回の出入り以外開かれることはなかった。構内には平らな運動場があり、堅い砂利が敷いてあったが、樹や腰掛けはなかった

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    投稿 TypetrekJさん
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    376
    IA02242 (2021-11-15 評価=3.00)

    運動場の前面には小さな花壇があったが、私たちはたまにしか通ったことがない。だが、この神聖な区画の曲がりくねった奇妙な古い校舎は、私にとって魔法の宮殿だった
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    406
    IA02243 (2021-11-15 評価=3.00)

    生徒たちの寝室と、この校舎は遠く隔たっていた。広い教場(教室)にはゴシック風の窓があり、部屋の角には校長である尊師ブランスビイ博士のサンクタム(聖室)があった

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    394
    IA02244 (2021-11-16 評価=3.00)

    私たちが勝手に聖室の堅牢な扉をあけようものなら、ひどい罰を受けた。教室内には古ぼけた傷痕だらけの無数の腰掛けと机とが不規則に配置され、書物が積み重ねられていた
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    378
    IA02245 (2021-11-16 評価=4.00)

    部屋の端には大きな桶や柱時計が立っている。10歳から15歳までこの古びた学校で送った生活は単調にも見えるが、実は青年・壮年時代より、強烈な刺激に満ちていたのだった

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    投稿 TypetrekJさん
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    366
    IA02246 (2021-11-17 評価=3.00)

    すべてが私の記憶に、今なお刻みこまれている。とは言え、心の妖術によりごく日常の事がらが、様々な感情を味わわせてくれたのは確かだ。この草莽の時代は楽しかった
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    363
    IA02247 (2021-11-17 評価=3.00)

    私の横柄な気性は学友のなかできわだち、私は、年の近い者全部に権力をふるった。だが一人だけ例外があった。それは、私と縁故はないが、私と同じ姓と名を持つ生徒だった

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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    352
    IA02248 (2021-11-18 評価=4.00)

    私の同名者だけが学科の勉強や競技、喧嘩でも私と競争し、私の命令に事ごとに干渉した。ウィルスンの反抗は当惑の種で、私は人前では空威張りしていたが、内心恐れていた
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    投稿 TypetrekJさん
    文字数
    430
    IA02249 (2021-11-18 評価=3.00)

    私は負けないよう努力したので、彼が私と対等である事には誰一人として気づかなかった。彼の敵対は気紛れな欲望が理由と思われたが、しゃくにさわる親切さもまじっていた

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    投稿 TypetrekJさん
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    378
    IA02250 (2021-11-19 評価=4.00)

    しゃくにさわる親切さ、同姓同名、同日入学という三点で、上級生の間で私達が兄弟という噂が広がった。親族関係はないが、彼の誕生日が1813年1月19日である事も知った
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    投稿 TypetrekJさん
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    369
    IA02251 (2021-11-19 評価=4.00)

    この日は私の誕生日でもあった。彼は私に敵対し、毎日のように喧嘩したが、彼は私に表向き勝利を譲りながらも、真の勝利者が彼であることを私に感じさせるようにした

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    投稿 TypetrekJさん
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    363
    IA02252 (2021-11-20 評価=4.00)

    彼に対して、憎悪ほどでない怨恨の念、尊敬・尊重の気持ち、恐れ・不安があったが、切っても切れない仲間ではあった。変則的な関係のせいか、彼への攻撃は悪戯の形となった
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    投稿 TypetrekJさん
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    382
    IA02253 (2021-11-20 評価=4.00)

    しかし私の同名者は静かな厳格さを持っており、全て悪戯が成功した訳ではなかった。そこで、私は彼の咽喉の器官の病気のせいか、声を高められない欠点につけこんだ