舞台はパリ。モルグ街で発生した女性惨殺事件を、友人デュパンが鋭い分析力で推理する。史上初の本格推理小説としても有名な、ポーの代表作
- IA02621 (2022-05-03 評価=5.00)
男が「あれを見つけてくだすったお礼は、なんでも喜んでします」と言うと、デュパンは「お礼はモルグ街の殺人について、君の知る全てを話してほしい」と低い調子で言った - IA02622 (2022-05-03 評価=4.00)
デュパンがピストルをテーブルに置くと、水夫は驚いた様子で震えだした。「危害を加えるつもりはない。君が凶行に罪がないことは知っている」とデュパンは言った - IA02623 (2022-05-04 評価=4.00)
「だが、君が関係していることを隠すのはよくない。今罪のない男が牢に入れられている。君は真犯人を指し示し、知っていることを白状する義務がある」とデュパンはさとした - IA02624 (2022-05-04 評価=4.00)
水夫はうち明け始めた。彼は最近インド群島に航海し、ボルネオに上陸してオランウータンを捕らえた。獰猛でずいぶん困ったが、パリの自分の家に連れ帰った - IA02625 (2022-05-04 評価=4.00)
とりあえず船旅でできた傷が治るまでかくまう積もりでいた。だがあの殺人のあった朝、オランウータンが寝室に入りこんで剃刀で顔を剃ろうとしており、男は途方に暮れた - IA02626 (2022-05-05 評価=4.00)
彼が鞭を使おうとすると、オランウータンは剃刀を手にしたまま逃げ出した。彼はモルグ街の小路まで追いかけたが、オランウータンは四階の家の明かりに注意をひかれた - IA02627 (2022-05-05 評価=4.00)
オランウータンは避雷針を登り、鎧戸をつかんで窓から部屋に侵入した。しばらく水夫は下で待っていたが、さすがに部屋の中が心配になり、避雷針を登りはじめた - IA02628 (2022-05-05 評価=4.00)
水夫が窓の中を覗ける場所まで避雷針を登ると、夫人と娘の恐ろしい悲鳴が響いた。二人は寝巻きで書類を整理しており、すぐにはオランウータンに気づかなかったようだ - IA02629 (2022-05-06 評価=4.00)
巨大な動物が夫人の髪の毛をつかむと、夫人は悲鳴をあげた。怒ったオランウータンは剃刀で夫人の首を切り、気絶していた娘をしめ殺した。その時ふと、窓越しに彼を見た - IA02630 (2022-05-06 評価=4.00)
オランウータンは鞭を恐れ、凶行を隠すために部屋じゅうをひっくり返し、娘の死体を煙突に突き上げ、老夫人の死体を窓から投げだした。水夫は胆をつぶし、家に逃げ帰った - IA02631 (2022-05-07 評価=3.00)
人々が階段の上で聞いた声は、オランウータンと水夫の叫び声だったのだ。その後オランウータンは水夫に捕らえられて植物園に売られ、えん罪のル・ボンは釈放された - IA02632 (2022-05-07 評価=5.00)
モルグ街の殺人事件 THE MURDERS IN THE RUE MORGUE/エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 作/佐々木直次郎訳/ 原作の初出:1841年4月/翻訳の初出:1951年8月