千葉の農家に生まれた政夫と、民子の清純な恋の物語。習慣も価値観も異なる明治時代の話ながら、涙が止まらなくなる伊藤佐千夫の不朽の名作です
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民子のお父さんは「民子は命がけの思いを捨てて両親の希望に従い、そのため命を失ってしまいました。親として残念です」と言った - IA04384 (2024-12-10 評価=5.00)
お祖母さんが死に際の日の話を始めた。「6月17日に医者がもう危ないというのであなたのお母さんに翌朝来ていただきました。その時民子は笑顔を見せて、お礼を言いました(続く) - IA04385 (2024-12-11 評価=5.00)
(祖母の言葉続き)民子は私は死ぬが本望ですと言い、夜明けに亡くなりました。左手に何か握っていたので開いてみると、絹の布に包んだあなたの写真と手紙でした」 - IA04386 (2024-12-11 評価=5.00)
祖母は続けた。「お手紙をお富が読みあげると、皆大声を出して泣きました。あなたのお母さんは悪いことをしたと泣き止まず、体に障らないよう車でお送りしたのです(続く) - IA04387 (2024-12-12 評価=5.00)
(続き)民子の心持ちが判り、無理に嫁にやった事を後悔しました。あなたにお詫びをし、お墓に花を手向けて頂きたいと思いました。民子を不憫と思うてください」祖母が言った - IA04388 (2024-12-12 評価=5.00)
僕は「私が民さんを思う心持ちは変わりません」と言って、当分毎日お墓へ参ることにした。民子のあわれなことはいくら思っても思いきれない - IA04389 (2024-12-13 評価=5.00)
しかし母を思い、僕は元気をよそおう事にした。
民子は余儀なき結婚をして世を去った。僕は長らえているが、心は一日も民子の上を去る事はない。
「野菊の墓」伊藤佐千夫作 明治39年(1906)