ご存じ『小人国』の物語。愚かな戦争や社会制度、傲慢な政治家など、現代社会と寸分変わらぬ小さい人間たちの醜い世界を、もう一度覗いてみませんか
- IA01197 (2020-10-09 評価=3.50)
■1 大騒動■ 私の名前はレミュエル・ガリバー。航海術、医学、外国語等を勉強しました。1699年5月、私はイギリスを出帆しましたが、船が難破し乗ったボートも転覆しました - IA01198 (2020-10-10 評価=3.60)
運よく泳いでいるうちに足が海底に届いたので、陸に上がることができましたが、疲れてそのまま浜辺で眠り込んでしまいました。夜明けに目覚めると、なぜか身体が動きません - IA01199 (2020-10-10 評価=4.00)
私の身体は細い紐で地面に、しっかりくくりつけてられ、周囲でガヤガヤ物音がしています。下目づかいに眺めると、15センチほどの小人たちが40人ほど歩いていました - IA01200 (2020-10-10 評価=3.75)
逃げようともがくと左手の紐が切れたので、頭を持ち上げ髪の毛の紐もゆるめました。その時、百本以上の矢が私めがけて降り注いだので、左手で顔をおおいました - IA01201 (2020-10-10 評価=3.75)
私がおとなしくなると矢は飛んで来なくなり、一段と騒がしくなりました。すると、私の耳から少し離れたところに舞台ができ、大将らしい男が大演説をはじめました - IA01202 (2020-10-11 評価=4.00)
私はお腹がすいていて、何か食べたいと身振りで示しました。百人あまりの小人が肉やパンなどを運んできましたが、どれも小さいので私はぺろりと平らげてしまいました - IA01203 (2020-10-11 評価=3.75)
飲み物は、樽から液体を流し込んでくれました。薄いぶどう酒に似て、いい味でした。私が左手で胸から空き樽を投げおろすと、小人たちは拍手しました - IA01204 (2020-10-11 評価=3.75)
皇帝陛下からの勅使が来て、書状を読み上げると、都につれて来るよう言いつけられたそうです。紐を解いてほしいと手まねで伝えましたが、認められませんでした - IA01205 (2020-10-11 評価=3.75)
お酒には眠り薬がまぜてあったので、私は八時間ばかり眠り続けました。その間にこの国で一番大きい台車が身体に横付けされていたのです - IA01206 (2020-10-13 評価=3.66)
九百人の男が柱と滑車を用いて私を車に運び、千五百頭の馬で車を引いたそうです。しかし四時間ほどで、身体によじ登った物好きな男によって私はくしゃみと共に目覚めました - IA01207 (2020-10-13 評価=4.00)
翌日正午頃、車は都の近くに着き、皇帝や大臣が出迎えました。今は使われていない神社があり、その建物の中に私を入れることになりました - IA01208 (2020-10-13 評価=4.00)
皇帝と臣下は塔の上から私を見物しました。見物客は十万人以上いたそうです。私が逃げ出せない事がわかると紐を切ってくれたので、ようやく立ち上がる事ができました - IA01209 (2020-10-13 評価=3.66)
高い木でも2メートル程で、街は芝居のセットのようでした。皇帝が馬で私を見に来た時、馬が私に驚いて後ろ足で立ち上がりましたが、家来が駆けつけて無事でした - IA01210 (2020-10-13 評価=3.50)
皇后と若い皇子皇女達が皇帝の所に集まって来ました。皇帝は背が高く、男らしい顔つきで、態度に威厳がある二十八歳。宝石と羽根飾りのついた黄金の兜をいただいています - IA01211 (2020-10-13 評価=4.00)
皇帝は高い声で私に話しかけましたが、言葉は通じません。皇帝が帰ると、やじ馬のいたずらを防ぐため番人が見張りし、矢を射かけようとした六人の男を私に引き渡しました - IA01212 (2020-10-14 評価=4.00)
私が怖い顔で一人を食べる素振りをすると、皆ハラハラして見ていましたが、男をそっと地面に置くと、ほっとして感謝している様子でした。その後、ベッドを作ってくれました - IA01213 (2020-10-14 評価=4.00)
■2 人間山■ 私の噂が広まり、大勢が見物にやって来ます。しかし私の扱いに困り、私の食事のために飢饉にならないよう、殺してしまおうという意見まで会議で出たそうです - IA01214 (2020-10-14 評価=4.33)
私がやじ馬達を許した話が伝わり、会議の流れが変わりました。村々から食糧を供出させ、六百人の御用係と三百人の仕立屋を雇い、学者が六人私に言葉を教える事になりました - IA01215 (2020-10-14 評価=4.33)
皇帝が私を訪ねる度に、私は自由してほしいとお願いしました。自由の身になるためには、皇帝に誓いを立て、身体検査が必要ということで、私は検査を受ける事にしました - IA01216 (2020-10-14 評価=4.00)
皇帝は身体検査をして取りあげた所持品があっても、国を去る時には必ず返す、と言うので、二人の士官が身体検査にやってきて、私の所持品の目録を作ることになりました
