ご存じ『小人国』の物語。愚かな戦争や社会制度、傲慢な政治家など、現代社会と寸分変わらぬ小さい人間たちの醜い世界を、もう一度覗いてみませんか
- IA01237 (2020-10-20 評価=4.50)
■4 宮殿見物■ 鎖を解かれたので、私はこの国の首府ミレンドウの見物を願い出、許可されました。上衣の裾にも気をくばりながら、西の大門をひとまたぎで越えて歩きました - IA01238 (2020-10-20 評価=5.00)
周囲は見た事のない程の人出です。市街は正方形で城壁は150メートル四方、人口は50万人。宮殿は街の中央の大通りが交差する所にあり、高さ2フィートの壁で囲まれています - IA01239 (2020-10-20 評価=4.50)
私は外苑へ行ってみたいと思いましたが、またぐと建物がこわれてしまいそうでした。そこで翌日、私は林に行って丈夫な踏み台を作りました - IA01240 (2020-10-20 評価=4.50)
建物の前後に踏み台を置き、建物をまたいで進みます。踏み台の移動を繰り返して奥の内庭に到着すると、二三階の窓を覗き込みます。どの部屋も目がさめるばかりの美しさです - IA01241 (2020-10-21 評価=4.00)
皇后は笑顔で窓から手を出し、私は手にキスをしました。その二週間ほど後、宮内大臣のレルドレザルが話がしたいとやって来て、彼を掌の上に乗せて話をする事になりました - IA01242 (2020-10-21 評価=4.50)
彼は宮廷のこみいった事情を話してくれました。はく靴の踵が高いトラメクサン党と低いスラメクサン党の争いがある事、もう一つは極めて強い外敵から狙われている事… - IA01243 (2020-10-21 評価=4.00)
高い踵の政党が多数派なのですが、皇帝は低(い踵の)党を主に用いており、皇太子は高党に傾いているらしいのです。そんな時にブレフスキュ島からの敵に脅かされています… - IA01244 (2020-10-21 評価=4.00)
私のように大きな人間は食糧をすぐ食いつくすので、学者は私が月か星から落ちて来たと考えたそうです。さて二大国について、リリパットは卵を大きい方の端を割るのですが… - IA01245 (2020-10-22 評価=3.50)
今の皇帝のおじい様が子供の頃、卵は小さい方の端を割るようにという勅令が出ました。その為内乱が起こって大勢が死刑になり、厭がる者はブレフスキュ島に逃げたのです… - IA01246 (2020-10-22 評価=4.00)
敵が彼等を厚遇したため戦争になり、両国に大損害が出たのです。今回敵は大艦隊で攻め入る気なので私の力を借りたい、と大臣は言いました。私は命がけで戦うと答えました - IA01247 (2020-10-22 評価=4.00)
■5 大手柄■ ブレフスキュ島はリリパットの北東、700m程しか離れていませんが、私の事は知られていない筈です。そこで、私は敵の全艦隊をとっつかまえる作戦を提案しました - IA01248 (2020-10-22 評価=4.00)
北東海岸から望遠鏡で見ると、敵艦隊は約五十隻。私は皆に丈夫な綱と鉄の棒を依頼し、より合わせて五十本のフック付きの綱を作り、海を泳いで対岸に渡りました - IA01249 (2020-10-23 評価=5.00)
私の姿に驚いた敵はわれがちに海に跳び込みました。私は綱を軍艦のへさきに一つ一つかけていきましたが、敵の矢がたくさん飛んでくるので、隠していた眼鏡をかけました。 - IA01250 (2020-10-23 評価=4.00)
綱を引いても船は錨を下ろしていて動きません。私は小刀で錨の綱を一つ一つ切り、軍艦五十隻を引いて帰りました。ブレフスキュの人々の嘆き悲しむ様子が印象的でした - IA01251 (2020-10-23 評価=5.00)
私は一休みして手や顔に刺さった矢を抜き、引き潮を待って歩き始めました。リリパットの港で皆が待つ所まで来ると、私は綱を高く持ち上げ、リリパット皇帝万歳と叫びました - IA01252 (2020-10-23 評価=4.50)
皇帝は私に国の最高位をくれましたが、艦隊の残りも求めました。彼は敵国を属国とし、反対派を滅ぼし、ただ一人の王になろうと考えていたのです。私はいさめ、断りました - IA01253 (2020-10-24 評価=4.00)
ブレフスキュ国とは有利な講和条約が結ばれましたが、皇帝は議会でそれとなく私を非難しました。私と同意見の人は黙り、私をねたんでいる人たちはたくらみを企て始めました - IA01254 (2020-10-24 評価=4.00)
ブレフスキュの使節は私も訪ね、ぜひ一度国に来て力業を見せて欲しいと言ってきましたので、私は承知しました - IA01255 (2020-10-24 評価=4.50)
私は皇帝にブレフスキュ国に行って皇帝に会いたいと願いました。許してはくれましたが、大蔵大臣や海軍提督の告げ口で、皇帝は気の乗らない様子でした - IA01256 (2020-10-24 評価=4.00)
今回の条約は、リリパット語で締結されたのですが、両国の往来は多く、両方の言葉を知っている人も多くいました。その後陛下に対し、大変な働きをする事件が起こりました