『大人国』でのガリバーは非力な存在。可愛い乳母、賢い国王等個性ある巨人達が登場し、人の強さや優しさ・正義について考えさせてくれるでしょう
- IA01287 (2020-11-02 評価=3.33)
■1 つまみ上げられた私■ 私はイギリスのダウンスから再び船出しました。しかし、船出から大分経った頃、暴風雨に押し流されて、どこにいるのか見当がつかなくなりました - IA01288 (2020-11-03 評価=3.50)
1703年6月16日、陸地が見えたので、沖に停泊して入り江に上陸しました。水を探したのですが、川も泉もなく、人が住んでいる様子はありませんでした - IA01289 (2020-11-03 評価=4.00)
しばらく歩いて戻ってみると、他の船員たちがボートに乗り込んで本船に向かっているではありませんか。海の中をボートを追う巨大な人間から逃げていたのです - IA01290 (2020-11-03 評価=3.00)
置き去りになった私は山の上から眺めてみました。周囲の土地は耕されて、大きな草が生えています。麦は12メートルもの大きさで、私は国道のような麦畑の小路を歩きました - IA01291 (2020-11-03 評価=4.00)
段の高さが1.8メートルもあって、隣の畑に移動できません。通れる場所を探していると、隣の畑から巨人の男がやってきました。慌てて身を隠すと、男が大声で叫びました - IA01292 (2020-11-03 評価=4.00)
すると、召し使いらしい巨大な鎌を持った七人の怪物が、集まって来ました。私は逃げようとしましたが、麦の株の間が狭くて難儀しているうち、彼等が近づいて来ました - IA01293 (2020-11-04 評価=4.50)
私は疲れて、諦めて畑のうねの間に横になりました。こんな巨大な連中に出会っては、私はけし粒みたいなもの、一口で食われてしまうでしょう。私は恐怖で気が遠くなりました - IA01294 (2020-11-04 評価=4.00)
巨人の男が近づいて来たので大声でわめくと、男は地面にひれふしている私を見つけると、ちょっと考えてから私をつまみ上げました。私はじっとしていました - IA01295 (2020-11-04 評価=4.33)
脇腹をしめつけられて苦しかったのですが、哀れっぽく何か言ってみました。彼は私の声や身振りが気に入ったようで、上衣の垂れの中に私を入れ、主人の所に駆けて行きました - IA01296 (2020-11-04 評価=4.00)
主人は私の顔をしげしげ眺めると、そっと地面におろしました。みんなは動きをよく見ようと、私を囲んで座り込んだので、私は帽子をとってお辞儀し、大声で話しかけました - IA01297 (2020-11-05 評価=4.00)
私は、ポケットの財布の金貨を主人に渡そうとしましたが、金貨が何かわからない様子で、自分の財布におさめておけ、と手まねをするので、その通りにしました - IA01298 (2020-11-05 評価=4.00)
私が理性的な人間ということは分かってもらえたようですが、言葉は通じません。召し使いたちは麦刈り作業に戻り、私はハンカチにくるまれて主人のポケットに収まりました - IA01299 (2020-11-05 評価=4.50)
主人が家に帰ると、家族が集まって昼食になりました。大皿は直径7メートル、テーブルの高さは9メートルもあり、主人は私をテーブルの上に置きましたが、怖くてたまりません - IA01300 (2020-11-05 評価=4.00)
私は主人の細君が刻んでくれた食べ物を、自分のナイフとフォークで食べました。巨大なバケツの様なコップの飲み物を、大声で健康を祝してから飲むと、みな大笑いしました - IA01301 (2020-11-06 評価=3.66)
私が主人の方に行こうとして、パンの皮につまづいて転ぶと、十歳くらいの息子が私の両足を持ってぶら下げたのです。しかし、すぐ主人が叱りつけ、助けてくれました - IA01302 (2020-11-06 評価=4.50)
私は子供に怨まれないように、主人に息子を許すよう身振りで伝えました。また、細君の飼い猫は、牡牛の三倍もあり、咽喉の音は仕事中の職人が十人もいるようでした - IA01303 (2020-11-06 評価=4.00)
主人がわざと私を猫の鼻先2メートルに置きました。猛獣は怖がると危険なので、私は鼻先まで数回近づくと、猫の方が後退り始め、私は猫や犬が怖くなくなりました - IA01304 (2020-11-06 評価=3.50)
猫の他、巨大な三四頭の犬もいます。また、食事の終わり頃、赤ん坊が私を引っつかんで頭を口の中に入れました。私がわめくと手を離したので、首の骨を折らずにすみました - IA01305 (2020-11-07 評価=3.66)
赤ん坊は玩具のガラガラでも泣きやまず、乳母は乳房を出して赤ん坊の口に持っていきました。乳房は1.8メートルも突き出ていて、とても気持ち悪く感じました - IA01306 (2020-11-07 評価=4.00)
リリパットで、私の顔が気味悪く見えると教えてくれたことがあります。それと同様、巨人たちは近くから見ると気味が悪いのですが、遠くから眺めると立派な顔つきでした